表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/57

スマホ

 俺の部屋。

 スキルを使って疲れたので、ベッドで横になっていると・・・

 クルミは部屋の中で花を観賞していた。

 じーっと花を見て回っている。

 色々な種類を育てているので、すぐに飽きる事はないだろう。


「どの花も元気いっぱいだね」

「あぁ、ちゃんと世話しているからな」


「スキルも使ってるの?」

「あまりスキルは使わない。疲れるから」


「だよね。一個一個してたら大変」

「その通り」


「私も何か部屋で育てよっかなー」

「毎日世話するのは大変だよ」


「世話しなくてもいいのもあるんでしょ」

「うん。サボテンとか」


「あのチクチクの奴かぁー、痛そう」

「別に触らなければ大丈夫だよ。試しに部屋に一個置いみれば」


「うん。この部屋みたいに緑豊かになるかも。

 でも・・・隼人の部屋にくればいいかな。この部屋に来ると色々見れるから」

「だね」


「えいっ」


 うぉおおっ!

 ビックリした。

 いきなりクルミがベッドに飛び込んで来た。


 俺の横でゴロンする。

 

「私も休憩~」

「ほーう」


 クルミの黒髪がわさーっとベッドに広がっている。

 乱れた黒髪。


 ベッドに横になりながら、クルミと手を繋ぐ。


「ねぇー隼人」

「なに?」


「最近ミカと仲いいよねー」

「そ、そうかなー」


「あっ、今口ごもったっ!」

「普通の仲だよ」


「うん。私もミカと隼人が仲が良いのは嬉しい」

「ならよかった」


「でもねー」

「?」


「ミカって最近もてるんだよ?奇麗になったから」

「だろうね。元々奇麗だったし」


「でもねー、告白断ってるの。とっても不思議」

「ほーう」


「なんでだと思う?」

「分からない」


「そう・・・・」

「・・・・うん」


 スサッとベッドから起き上がるクルミ。

 落ち着きがないというか、元気だ。

 俺がスキルを使って疲労困憊状態だからかもしれないが。

 とほほっ。



「はい、休憩終わり~」

「俺はまだ寝てる」


「じゃあ、スマホ見ちゃおー」

「ふへっ?」


 クルミが俺のスマホをとった。

 中身を見ようとしている。

 画面をタッチしているが・・・


「あっ、鍵かかってるー!」

「ふふっ。こんなこともあろうかとね。設定しておいたんだ」


「あやしー。パスワード教えて」

「えっ、何で?」


「だって私彼女だよ。隠し事なんてないでしょ」

「・・・・・」


「見られて困るものがあるの?」

「ナイナイ」


 俺はさっとスマホを取り返そうとするが。

 クルミは腕を伸ばしてスマホをとられまいとする。

 俺は後ろからクルミに抱きつく様な感じになる。


「きゃっ、えっちっ」

「早くかえせよー」


 俺はさっと手を伸ばし。

 ガシッとゲットっと思ったら。


 スカッ

 手が宙を切った。


 ぐぬぬ。

 中々くるみが抵抗する。


「隼人、なんでそんなにムキになるのー」

「別にいいだろー」


 ワチャワチャベッドの上でもみ合う俺たち。


「きゃっ」

「うおっ」


 二人してベッドでからまる。

 服が乱れ、ちらりと見えるクルミのお腹。

 ベッドの上で抱き合う。


 至近距離で顔と顔を見合わせる。

 お互いに見詰め合っていると・・・


「もう、お兄ちゃん、うるさいっ!」


 ガツンッ

 ドアを開けて中2の妹登場。

 ポカンとした顔をして・・・

 俺とクルミがベッドの上で抱き合っている姿を見ると。

 

「お母さんっ!お兄ちゃんが部屋で彼女とエッチなことしてるっ!」


 大きな声で叫び。

 ドタドタドタっと下に向って走り出した妹。

 下からは。


『もう、ダメだっていったでしょ。まったくあの子は~』


 っと、母の声も聞こえてきた。

 俺とクルミは直ぐにぱっと離れて服を正す。

 



 母が部屋に来た時には、俺とクルミは机をはさんで勉強している風。

 母はニッコリと笑ってから。


「あらっ、朽木さん、ますますかわいくなったわね」

「はい。お母様、お久しぶりです」


 礼儀正しく挨拶するクルミ。

 母は笑顔で微笑みながら。


「変なことはしないようにね」


 っと軽く注意してから。


「今日は扉、開けとくわねっ!」


 といって。

 下に戻っていった。




 俺とクルミはお互いに顔を見合わせてから。


「なんだか誤解されちゃったね」

「だな」


 冷めたお茶を飲んだのだった。

 ゴクリ。

 苦かった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拍手ボタン設置中。一言感想を送ることができます。

 

短編投稿しました=冒険系ざまぁです。↓
生産職の俺は彼女を寝取られたので、パーティーを抜けて自立することにした

 

新連載~【ヒグマ格闘編】とは、3章から話の展開が異なります↓
妊娠した私を婚約破棄するって、気は確かですか? 【連載版:全国ご当地グルメ編 】

 

新連載です~ (数話で完結予定です)↓
3日後、婚約破棄されます。

 

おすすめ作品→「完成したら」作:乳酸菌
完成したら

 

おすすめ作品の解説です
恋愛短編『完成したら』~よく分かるかもしれない作品解説

 

同時連載中です↓(タイトルあれですが、実は少年漫画っぽい話です)
妊娠した私を婚約破棄するって、気は確かですか?【ヒグマ格闘編(石狩鍋) 】

 

さくっと同時連載中。↓
もう、結構ですわっ!

 

こちらも連載中↓
転生したら吸血鬼さんだった件~チートで世界最強です~

 

【8/4 完結しました】↓
ビューティフルざまぁ~公爵令嬢、悪役令嬢への道を歩む~

 

【8/19 完結しました】↓
彼女が二股していたので、腰が砕ける程衝撃を受けた。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ