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大きくなる胸

「クルミ、おっぱい触らしてくれ、頼む、君のためなんだっ!」

「なっ、何言ってるの?ここ学校だよ、それに今昼休みだよ。そういうのは・・・部屋で・・・」


「大丈夫、この空き教室には俺たちしかいない。いいだろ?別に初めて触るわけじゃない」

「えっーうん・・・そうだけど・・・どうしよっかなー」


 何か思案中のクルミ。

 色々葛藤しているのかもしれない。

 優等生気質のクルミだからな。

 仕方なし。





 数秒後。

 クルミは周りをささっと確認してから。

 ちょっぴり頬を赤く染めてから・・・小声で。


「ちょっとだけだよぉ」


 かわいく告げた。

 頭をポンポンしたくなったが、俺は衝動を抑える。


「あぁ、直ぐに終わるさ。一瞬さ」


 クルミはなんだか緊張したように唇を閉じる。

 すーっと息を整えている。

 彼女の呼吸音が聞こえる。

 緊張感につつまれる空き教室。

 彼女の鼓動が伝わってくるようだ。


 俺はゆっくりと。

 時をとめるようにゆっくりと、両手をクルミの胸に持っていく。


「じゃあ、触るからな」

「うん」


 慎重に両手を動かし・・・触る。


 ムニュッ

 クルミの胸を触るが・・・悲しいほどに凹凸がない。

 手に感じるのは制服と下着の感触だけ。

 中身が無い、空虚なのだ。

 俺は分かっていた事だが、悲しみを感じる。


「きゃっ」

 

 胸を触られたためか、小さくかわいらしい声をあげる彼女。


 俺はそんな彼女に質問する。

 念のための質問だ。

 間違えがあってはいけないのだから。


「クルミ、一応確認するが、ここが胸であってるよね?」

「あっ、あったり前でしょー、なっなんてこと聞くのよ。他にどこに胸があるのよー!」


「すまない」

「もう、失礼しちゃう」


 プンプン怒るクルミを尻目に。

 俺は祈りを込めた。


『クルミの胸、成長してくれ。クルミの胸、成長してくれ』

『クルミの胸、成長してくれ。クルミの胸、成長してくれ』

『クルミの胸、成長してくれ。クルミの胸、成長してくれ』

・・・・・


 アサガオと同じように。

 10回ほど呪文を心の中で唱える。 

 クルミの胸を触りながら唱える。


 すると・・・

 ニョキニョキ


「わぁっ、何々、胸がむずむずする~」


 驚くクルミ。

 俺の手の中では、彼女の胸が僅かに膨らんでいた。

 手の平で感じるが。

 Aカップであっただろう胸は、Bカップに進化していた。


 くっ!

 やったっ!

 成功だっー!

 クルミの胸が大きくなった。

 

 ありがとうっ! 

 この能力をくれた人!

 このスキルをくれた人!


 俺はクルミの胸をソフトタッチしながら歓喜に震えていた。


 俺が手を離すと。

 クルミは服の首元をペラリとめくり。

 自分の胸を確認している。


「えっ、何、何?大きくなってるよ、わたしの胸?えっ、どういうこと?」


 クルミは若干パニックになりながら、キョロキョロしている。

 せわしなく動いている。

 リスさん大パニックだ。


「ふんっ、そう慌てるなクルミ。今説明する。よく聞くんだ」

「えっ、何、これ、隼人がやったの?」


「まぁ、そうともいえるな。だから落ち着いて聞いて欲しい。心を静めて、冷静にね」

「うん」


「実は俺、クルミに秘密にしていたことがあるんだ?」

「何々?悪い事」


「いや、良い事か悪い事かは分からない。

「何々、気になる~」


「実は・・・触れた生き物を成長させることが出来るんだ」

「ふへぇっ?」


 ポカーンっとするクルミ。

 「何いってるの?」って顔してる。

 時が止まったような顔だ。

 変顔写真みたい。


 でもまぁ、そうなるわな。

 しかし結果が出ているのだから信じるしかあるまい。


「何でこんなことができるか、俺にも分からないが・・・

 もしやと思ってクルミの胸にも同じことをしたら・・・この通り。できたわけさっ」

「わけさって・・・意味分からないけど、す、すごいよー隼人。天才だよっ!すっごい天才」


 こちらをキラキラした目で見ているクルミ。

 高揚感に満ちた表情だ。

 クルミにそんな目で見られてると、俺もむず痒くなる。

 

「まぁ、そういうことだ」

「へぇー」


 クルミはまだ自分の胸を見ている。

 大きくなった胸が嬉しいのか、もの珍しいのか分からないが。

 胸が気になって仕方ないようだ。


 彼女の喜ぶ姿が見れて、俺も嬉しい。

 だけど、しっかりと注意しとかないとな。

 この能力が人に知られるのは良くない気がする。

 なんだか面倒なことに巻き込まれると思う。

 謎の組織に浚われて、人体実験コースは避けたいからな。


「クルミ、大事な事だけどいいかな」

「何?」


 自分の胸をわさわさ触っているクルミ。

 胸が気になって仕方ないのだろう。


「このことは2人だけの秘密な。誰にも言わないでくれ」

「うん。分かった」


 といいつつ、彼女はまだ自分の胸を触っている。

 俺の話を聞いているかは怪しい。

 胸がよっぽど気になるみたいだ。


 そんな彼女を見ながらも。


「きゅるるるるる~~~」


 俺はお腹がなった。

 昼食を食べたばかりなのに・・・すっごく空腹。


 どうやら。

 スキルを使うとお腹が減るようだ。

 今朝も能力を使った後に、物凄くお腹がへったし。

 それに・・・なんだかちょっと疲れた。


 モグモグ。

 ニタニタ顔で喜ぶクルミを見ながら、俺は再びパンを食べ始めた。

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