告白の後
マックに入り。
俺は美波さんと軽い食事をとる。
美波さんの「クルミには今日の事をいってない」発言が、俺の心に錘の様に負担をかけていた。
パクッ
ポテトを食べる。
上手いな。
やっぱりマックは上手い。
不安な気持ちが消えていく。
店内にかかっている陽気な音楽も気持ちを盛り上げる。
隣では、美波さんもポテトを食べている。
チョコンと口にポテトを運んでいる。
「美味しいねー」
「だね」
「隼人君」
「何?」
「どうしたの?なんだか元気ないね?」
「そっ、そんなことないよ」
「さっきのこと・・・気にしてる?クルミのこと」
美波さんが俺の表情を伺う。
俺は美波さんに気を使わせたくなかったので。
「気にしてないよ。俺達は友達として遊びに来たんだから。
別に変に気にする事ないし」
そうそう。
俺と美波さんは友達なので。
別に一緒に遊んでも、映画を見に行っても特に問題ない。
友達なら遊んでも問題ない。
二人きりでもなにもなし。
「だよね。よかった。あたしも同じ思い」
「うんうん」
「じゃあ、また今度一緒に遊ぼうねー。今度はどこ行こっか?」
「うーん、そうだね・・・どこがいいかな・・・」
「あたし、考えとくね。遊園地もいいよねー」
「・・・あぁ」
「隼人君も、ちゃんと考えといてね」
「うん。善処する」
「なにそれー。「善処するだって」。ちゃんとお願いね」
「分かった」
「あっ、口に何かついてるよ」
フキフキ
美波さんが紙フキンで俺の口元をぬぐってくれた。
どうやら食べかすがついていたようだ。
「ありがとう」
「いいよ」
俺は再びポテトを食べたのだった。
いっぱい食べてテンションをあげたのだった。
とにかくポテトを食べたかった。
途中。
美並さんの口元にも食べかすがついていたので。
俺は彼女の口元を紙フキンでふいたあげた。
◇
家に帰ってから。
いつものように自分の部屋で植物の世話をした。
植物と触れ合っていると心が癒される。
ヒーリング効果がある。
すべてを忘れて別の空間に浸れるんだと思う。
その後。
ベッドの上で休んでいると。
ピコリンッ!
知らないアドレスからメールが来た。
宛名は:X
文面には・・・
『今日、美波さんとデートしてたね。朽木さんは知ってるのかな~?浮気?』
あっ。
あああああっー。
ゴクリと唾を飲み込んだ。
メールには画像が添えられていた。
俺と美波さんが仲良く手を繋いでるシーンが映し出されていた。
どうみてもカップルに見える。
どこから見ても仲良しカップルだ。
カップルのデート中写真。
恐れていたことが起きた。
誰か知り合いにばれてしまったのだ。
途中感じた視線はこれはだったのかもしれない。
もしかしたら・・・
クルミにもばれているのかもしれない。
とてもつもなく嫌な胸騒ぎがした。
『誰?』
と返信したが。
Xからメールが帰ってくる事はなかった。
それが良いことなのか。
悪いことなのか。
俺には分からなかった。
果たしてXが味方なのか敵なのか。
分からないのだから。