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スキル「成長促進」の効果

 高校に行き、教室に入る。

 自分の席に着くと。


「おはよう~」

 

 近くに女子生徒の姿。

 背は中ぐらい、顔は可愛い系というか、幼い系。

 髪は黒髪で肩まで伸ばしたショートカット。

 ついつい頭をポンポンしたくなるような、ほんわか女の子。


 名前は朽木クルミ。

 俺の彼女。

 因みに説明するまでも無いが、胸は絶壁の女の子だ。

 申し訳程度に膨らんでいるが。

 あれは服の構造的なものであり。

 あれでも色々本人が創意工夫した結果 (偽物)だと俺は知っている。

 

 まぁ、胸の大きさは関係ないよ。

 大きいことにこしたことはないけど。

 彼女の顔を見れて、ちょっと元気がでた。


「おうっ、おはようー」

「隼人、なんだか眠そうだねー?」


 クルミがこちらを興味深そうに見ている。

 うーん。

 彼女の言うとおり。

 実はねー、とっても眠たいのよ。

 すっごく眠たい。

 朝食はいつもの2倍は食べたけど、まだ食べたりないぐらい。

 ぐったりと疲れている。


「なんだかねー、眠いのよ」

「隼人、また夜更かししたんでしょー。ダメだよー、ちゃんと寝ないと」


 クルミが姉の様に俺を注意する。

 幼い系の彼女だが、姿に見合わず委員長気質なのである。

 ちっちゃいのに強気だ。


「はい、クルミ先生」

 

 俺は適当に合わせて、机にぐたっーとした。

 本当に疲れてる。

 体の心から。

 何故だろうか?

 変わったことといえば・・・アサガオ急成長の件と。

 頭の中に声が聞こえたぐらいか。

 

 『スキル「成長促進」を獲得しました』だっけな。


 あー。

 ヤバイな俺。

 よくよく思い出してみると・・・完全にヤバイわー。

 頭の中に声って・・・・絶対にヤバイ。


 もしかしたら。

 妙な声が聞こえるぐらい疲れてるかも。

 きっと今朝の出来事は、幻覚か夢だったのかもしれない。

 今日の授業はゆっくり睡眠した方が良いかな。


「もうー、隼人、聞いてる?」


 なんかクルミがいってるが。

 俺は眠たいので適当に合わせる。


「うんうん、聞いてるよー」


 クルミは何かいっていたが、予鈴がなったので席に戻った。

 俺はウトウトしながら机に座っていた。





 


 その日は本当に眠かった。

 だからか・・・午前中の授業はほとんど寝てしまった。

 ばれないように寝たつもりだったけど、多分先生にも気づかれていたかも。

 周りの生徒の視線も感じたし。

 なんどか「先生見てるよ」って、隣の子に言われたと思う。


 そんな爆睡中。

 授業中に見た夢の中では。

 急成長した植物に襲われた。

 デカイひまわりにパクッと食べられて。

 気づいたら、ひまわりの花弁の一枚になっていた。

 ひまわり畑でゆらゆらと揺れていた。


 ひぃいいいいー。

 ふぇえええええー。

 なんだか。

 とっても怖かった。

 ゾクゾクする夢だった。

 心の心が震えた。

 パクって食べられたことより、ひまわりの花弁になったことが恐怖だった。




 そして昼。

 猛烈にお腹がすいたので、俺は購買に行ってたくさんパンを買って食べた。

 空き教室で彼女のクルミを会い、ほんわか昼食タイム。


「いっぱい食べたね・・・」


 クルミは驚いて俺を見ていた。

 まぁ、それもしょうがない。

 俺、パンを6個ぐらい食べたからね。

 自分自身でもビックリ。

 昼食の最高記録かもしれない。


「多分、成長期なのかもしれない。なんだかお腹がすくんだ」

「ふーん、男の子はいっぱい食べるのかもねー」


 クルミはメロンパンをチョコチョコ食べていた。

 リスのように小さな口でかじりついている。

 パンくずが口元についていて、ちょっとかわいい。

 

「クルミ、動くなっ!」

「えっ」


 ビクッとする彼女。

 メロンパンを持ったまま固まる。

 俺は彼女の口元についたパンくずを、さっととる。


「パンくず、ついてたぜ」

「あっ・・・ありがとう」


 パッと顔を赤くするクルミ。


「何、たいしたこと無いさ。それより、クルミももっと食べた方が良いんじゃないか。

 ほらっ・・・その・・・成長的な意味で」


 俺は極力彼女の貧相な胸を見ない様に告げた。


「わ、わたしも食べてるよー。いーっぱい、いーっぱい、とってもたくさん食べてるよぉ!」


 バクッ

 ガシッとメロンパンに噛み付く彼女。

 リスがちょっと凶暴なリスになった感じだ。

 微笑ましい。


「でもクルミ、全然背も伸びてないだろ。俺、この1ヶ月で2cm伸びた。対するクルミはどうかな?」

「えっと、わたしは・・・0.3cmかな」


 ほーう。

 成長していたようだ。

 全く分からなかった。

 俺の背が伸びたせいか、「もしかしたらクルミは縮んだかも?」と心配していたのだ。

 懸念が晴れてよかった。


「クルミ、それはおめでとう。祝福する」

「なっ、馬鹿にしてるでしょっー!」


「いやいや、そんなことはないよ。クルミが成長してくれて嬉しく思っている」

「もういいもんねー。わたしはすぐにおっきくなるんだから。今から成長期なのー」


「そう願いたい」

「やっぱり馬鹿にしてるー」


 プクっと頬を膨らましながら、メロンパンを食べるクルミ。

 かわいらしい彼女を見ていて俺は思い出したのだった。

 今朝の出来事を。

 頭の中に聞こえた声を。


『スキル【成長促進】を手に入れました』


 まてよ・・・

 このスキル、人にも使えるのではないだろうか?

 人もアサガオの様に、ニョキニョキ成長させられるのではないだろうか? 


 と一瞬思ったけど。

 そんなことありえないかー。

 やっぱり無理だよねー。 


 でも・・・

 もしできたら・・・

 もし可能であれば・・・

 消極的なクルミの胸も大きく出来るのだ。

 そうすれば。

 クルミの密かな努力。

 頑張って寄せてあげてつくっている胸も、自然なものとなる。

 偽りが消えるのだ。

 クルミが世界に対してついている嘘が消えるのだ。


 ならっ。

 試しにやってみようか。


 俺はクルミをキリっと見つめる。

 真剣な表情で。

 情熱を込める。


「クルミ、お食事中のところ悪いが、ちょっといいか?」

「うん、何?妙にキリっとした顔して」


「動くなよ。俺に任せろ」

「何々?パンくず?」


 彼女は自分の口元を触るが・・・「ついてないよ」と呟く。


「いいや違うよ。胸を触らしてくれ。おっぱい触らしてくれっ!」

「えっ!」


 硬直するクルミ。

 ピクッと震えたのだった。

明日も投稿です。

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