リスさん大パニック
んんっ。
ちらっ。
「・・・・・・・・」
うおおおおおおおおおおおおおおっ。
すみません。
投稿話間違えてました。 (≧≦) ゴメンヨー.
修正しました。
空き教室に戻る。
俺と美波さんはクルミの前に立ち。
「クルミー」
「クルーミー」
「な、何・・・二人ともニヤニヤして。良いことでもあったの?
もしかして・・・自販機にお釣りが残ってたの?」
俺達の怪しい笑顔に気づいたのか。
ザザっと僅かに後づさるクルミ。
「何でもないよー。ねぇー隼人君」
「そうだとも」
「そ、そう・・・」
俺たちを注意深く見るクルミ。
そんな彼女に美波さんがジュースを渡す。
「はいっ、クルミ、オレンジジュース」
「うん、ありがとう」
「なんでもないよ」
俺はクルミが缶を受け取る瞬間を狙って。
さっと彼女の後ろに回りこみ、刺客を放ったのだった。
背中に隠し持っていたカマキリを。
ちょこんとクルミの頭の上に乗せた。
「ふにゃ?」
クルミは変な声を出して、ビーンと固まる。
直立不動になる。
全身硬直。
そのまま目だけ動かして上を見ている。
「は、隼人・・・なんだか私、頭の上に何か感じる。こちょこちょ動いてる」
「気づいたかクルミ。さすがだ」
「クルミ、はい、鏡」
美波さんから差し出された手鏡を覗き込むクルミ。
その鏡には、クルミの上に乗っているカマキリの姿。
「ガシッ」っと鎌を上げて決めポーズしている。
「カマキリさん、こんにちわだって」
「あ、あ、あ、あぁぁぁあああああっ!」
「あっ」「あっ」いってるクルミ。
開いた口が塞がらないようだ。
ガタガタ震えている。
「ぎゃあああああああああっ!取って、取って、とってよー」
わさわさ動きだし、叫ぶクルミ。
パニック状態だ。
手足をバタバタ動かしだした。
うん?
あんれー?
クルミって虫だめだっけ?
「何驚いてるんだ、クルミ」
「そうだよ」
「お願い、はっ、早くとってよー!お願いだからっ!」
頭を左右に振ってなんとか振り落とそうとしているクルミ。
カマキリはその程度では落ちない。
昆虫界王者の風格。
必死にクルミの頭の上でバランスをとっている。
波乗りカマキリ。
「隼人ー、早く、早く、とってってばっ!」
ふぅー。
しょうがない。
慌てふためくクルミを見ているのも楽しいが。
涙目リスさんが大パニック状態だがらな。
彼女を救うおうか。
ヒョイ
カマキリを掴もうとするが。
クルミが動き回っていてとれない。
「クルミ、今取るから動くな、いいな、止まるんだ。静止だ」
「う、うん」
ピタリとクルミがとまると。
その衝動でか。
カマキリがわずかにずれて、クルミのおでこに移動した。
「ぎゃあああああああっ!」
再び騒ぎ出したクルミ。
元気な子だ。
俺はガシッとクルミの肩を掴んで抑える。
「う、動くなよ、いいな?」
「ぎゃああああああっ!」
叫ぶクルミを無視して、カマキリをとりにかかる。
ヒョイ
よーし。
とれた。
捕獲完了。
ゲットだぜ。
元気一杯に動き回るカマキリだが。
俺は窓から放った。
羽を広げて飛んでいった。
さらばっ、カマキリ。
どこまでも。
室内に目を向けると・・・
涙目になったクルミがちょこんと椅子に座っている。
魂が抜け、放心状態だ。
ぐったりとしている。
マラソンを走り終わった後みたい。
「大丈夫か、クルミ」
「もぅービックリしたよ。やめてよー、ばかばか隼人」
「中々ハイテンションだったな。見ものだった」
「だね、クルミ、面白かったよー」
「二人ともー、ダメ。私虫苦手なのー。ミカは知ってるでしょ」
「えっ、そうだったっけー、ごめんねークルミ。忘れてた」
「なるほど、それは悪かった」
「うぅぅうううううう~、もう・・・今だに頭に変な感触が残ってるし。きしょくわる~~い」
ブルブル震えているクルミ。
小刻みに震えている。
俺は彼女に近づき。
ポンポン
彼女の頭を優しく撫でる。
「これで上書きなっ!」
「そっ、そんなので騙されないんだからー」
といいつつ。
柔和な笑みを浮かべるクルミ。
だんだんと落ち着いてくる。
俺はそんな彼女の頭を撫でつづけた。
ふぅー。
これにて一件落着。
「そうだー、あたしクルミの変顔とったんだ。ほらっ、見てみてー隼人君」
スマホを見せてくる美波さん。
うん。
本当だ。
カマキリパニックで変顔のクルミが写っていた。
笑える。
「良い写真だ」
ひょこっとクルミが俺の撫で撫でから逃れ。
写真を見る。
「あー、だめ、ミカ、これ消してよ。人に見せちゃダメな奴だよ」
「分かってるよ、すぐに消すから」
ガシャン
スマホの写真をゴミ箱に。
「よし、色々あったけど、宿題を続けるか」
「そうだねー、コーンポタージュ飲まないと」
「あたしはオレンジジュース」
俺達はジュースを飲んだ後。
黙々と勉強を再開した。