いつもと違う朝
どうも、赤ポストです。
新作です。宜しくお願いします。
突然だが。
俺、結城隼人、高校一年生。
趣味は植物を育てることだ。
そんな俺は・・・
今、部屋で何個かの花を育てている。
実家が農家でもなく。
乙女系男子でもない俺が何故こんなことをしているかというと・・・
単純に花が好きということもあるが・・・理由はこれだ。
「ステータスオープンッ!」
ピコンッ!
種族 :ひまわり
状態 :つぼみ
成長段階 :3/5
HP :20/50
そう。
なんでだか・・・
ゲーム見たいにステータスが表示される。
数ヶ月前から何故かステータスが見れるようになったのよ。
うーん。
ほんと、なんで?
何故なの?
でも。
まぁいいか。
考えても分からないし。
スマホの仕組みだってよく分からないし。
使えれば問題ないだろう。
えーっと。
ステータスを見るに。
ひまわりのHPが減っているようだから、とりあえず水と肥料をあげないとね。
シュシュ
霧吹きで水を上げ。
ブスッ
液体肥料を土にさして注入する。
すると・・・
種族 :ひまわり
状態 :つぼみ
成長段階:3/5
HP :50/50
よーし!
HP回復。
20→50に回復した。
ちゃんと栄養を補給できたみたい。
よかったよかった。
一回HPが0になるとどうなるか実験したら、普通に枯れちゃったからね。
HP大事。
そん感じで。
俺はこの調子で他の花のステータスを確認して、栄養を補給していく。
どの花もよく育っているな。
皆良い葉をしている。
元気いっぱいで嬉しい。
数十分後。
「ふぅー」
完了。
全て終わり。
今日の花の手入れは終わった。
あれだなー。
始めはステータス能力を確認するために始めた植物飼育だけど。
だんだん植物育成、ガーデニングに嵌ってきた。
底知れない魅力に気づいたのかもしれない。
少しづつ成長していく花たち。
物言わぬ植物達を見ていると心が休まる。
これが犬や猫の様なペットだったら、かなり大変だったと思う。
俺には静かな仲間達が向いているのかもしれないな。
まぁーそもそも。
「ステータスオープン」では、何故か人や動物のステータスは見れないから植物を選んだんだけどね。
今までも何度も他の人のステータスを見ようとしたけど、全く反応しなかったの。
うちで買っている雑種犬。
ポチのステータスも見れないし。
見れたら色々便利でいいんだけどねー。
ないのもねだりは良くないか・・・
ユサユサ。
俺はひまわりの葉を触る。
うーん。
この手触り、中々の弾力。
艶があってよろしい。
立派な花を咲かせて欲しいものだ。
俺はひまわりに祈る。
『元気に育ってくれよ、立派な花を咲かせるんだよ』
『大きくて、黄色の花を咲かせるんだよ』
葉を触りながら、何度も願いを込めて祈った。
そして。
布団に入って寝たのだった。
次の日。
朝。
顔に日光が当たり。
ベッドから起き上がると・・・
んん?
あれっ?
なんだろう?
なんだか部屋の様子がおかしい・・・
何が違う気がするんだけど・・・
なんだろう?
キョロキョロ部屋の中を見回し。
よーく観察すると。
あっ。
分かった。
分かっちゃった。
あれだよ。
ひまわりが花を咲かせているからだ。
奇麗な黄色の花を咲かせている。
むむっ!
えっ!
しかし。
おかしいなー。
昨日は確か・・・つぼみで成長段階は3/5だったはず。
あの段階だと、花が咲くまでに後数日かかるはずなのに。
うん。
ちょっとステータスを見てみようかな。
「ステータスオープン!」
ピコンッ!
種族 :ひまわり
状態 :花
成長段階:-
HP :50/50
うーん。
やっぱり花だ。
状態が「つぼみ」→「花」に進化している。
とすると・・・
もしかして・・・あれだろうか?
昨日「元気になれ」と祈ったのが通じたのかもしれない。
真心が伝わったのかも。
それだといいなー。
想いが通じていれば・・・・もしそうだったら嬉しい。
ちょっと突飛な考えだけど。
少し試してみようかな。
ひまわりの隣にあるアサガオに祈って、花が咲くか試してみようかな。
もしかしたら、祈りが通じるのかもしれない。
よーし。
じゃあ、まずは。
「ステータスオープンっ!」
種族 :あさがお
状態 :つぼみ
成長段階:3/5
HP :35/40
うしっ。
まだ栄養をあげなくて良いかな。
今夜まで持つと思う。
ではっ、さっそく。
祈り開始。
『元気になーれー』
『元気になーれー』
『花を咲かせてください』
真心を込めて10回ほど唱えると・・・
「・・・・」
特に効果なし。
アサガオに異変なし。
うーん。
やっぱり効果あるわけ無いよなー。
昨日は偶々かな。
でも待てよ。
昨日は確かー。
ひまわりの葉を触りながら祈った気がする。
そもそも、「元気に育ってね」と祈る事はよくあったし。
昨日とこれまでの違いは、葉に触れているかどうかだった。
ならばっ。
俺はアサガオの葉に触れながら、同じように祈る。
『元気になーれー』
『元気になーれー』
『花を咲かせてください』
真心を込めて10回ほど唱えると・・・
すると・・・
ニョキニョキ
バサッ
見事花が咲いたのだった。
「う、うおっ!」
ドカッ
思わず声を上げてしまった。
後ろに飛びのいて、机にぶつかってしまった。
それぐらいビックリした。
だってさ。
ニョキニョキ成長するんだもん。
ちょっと気持ち悪いぐらい動いてた。
理科の授業で見た、植物成長の早送りビデオみたいだった。
ってか。
なっ、なんだこれ。
いきなり花が急成長したぞ。
どうなってるんだ?
ステータスを確認してみると。
種族 :あさがお
状態 :花
成長段階:-
HP :25/40
うん。
花が咲いている。
見ても分かるけど。
やっぱり俺の思いが通じたのか・・・
ふーん。
こんなこと・・・これまでなかったのに。
よく分からん。
疑問に思っていると。
ピコンッ!
【熟練度が一定条件に達しました。スキル「成長促進」を覚えました。】
あっ。
頭の中でアラームが鳴り。
声が聞こえた。
アラーム音は「ステータスオープン」と同じだ。
しかしー。
なんぞこれ?
そもそもステータスオープンもよく分からないし。
スキル「成長促進」もますます分からない。
名前からすると、成長を促進させるんだろうけど。
なんぞそれ?
うーん。
スキル「成長促進」ねー
俺は目を閉じて思考する。
・・・・・
・・・・・
ま、まさかっ!
俺の脳裏にとある考えが浮かんだ。
今起こっている現象。
今目の前のアサガオが急成長したのは・・・
このスキル、「成長促進」のお陰だろうか・・・
なんとなくそんな感じがする。
とっ。
その時。
「きゅるるるる~」
うおっ。
お腹がなった。
すっごくお腹が減っていた。
それに学校の時間だ。
急がなきゃ。
俺は制服に着替えて。
ズバっと朝食を食べに居間に向った。
今夜、もう一話投稿します