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風の吹いた日  作者: hibi
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初めての投稿になります。自分は語彙力もなく、かなり乱文になってしまっているかもしれませんが、どうか温かい目で見てやってください。この小説は風の強い日になんとなく思いついたものです。私は昔から、頭の中で小説を考える事が結構ありました。このようなサイトを見つけて、自分の考えた小説は一体人様の目にどう写るのだろうと思い、投稿しました。誤字や脱字があるかもしれませんが、一生懸命書いたので、よろしくお願いします。

ただ呆然とテレビ見ていた。こんな番組がやっていた。視聴者の日常生活での不満などを番組に投稿し、出演者がその不満に対してスカッとするような解決策を考えるといった番組だった。母はこの番組が好きだという。だから僕も一緒になってただ見ていたのだけれど。僕はこの番組が嫌いだった。自分の不満をスカッとしてくれるのは、気持ちのいい事だと思う。けれど、それを他人の僕たちが見てどうなるというのだろう。僕たち人間という生き物は少なからずストレスを受けながら生きている。この番組の狙いはそこだろう。日常生活であるストレスをスカッとさせる事で、気持ちのいい感情や感覚を共有させ、人々の興味を掴んでいる。しかし、他人のストレスと自分のストレスを同調させる事に意味はあるのだろうか。たとえば、番組で嫌な教師が理不尽な事を生徒に説いているとしよう。学生にはよくある事だろう。その話を大人が見ているとする。その大人のストレスが会社で気に食わない後輩がいる。しかし、この後輩の方が上司に好かれ、仕事も出来る。といったストレスを抱えている。その大人はこの話を見て自分のストレスと同調させ、気分が晴れて明日からその後輩を快く思うだろうか。もしかしたら、同調なんかさせていないのかもしれない。ただ、こんな話がありました。嫌な話ですね。こんな事言う奴はこうしてやりましょう。なんて軽い番組で、素直に他人のストレスが晴れてよかったですね。なんていう感覚なのかもしれない。僕がただ考えすぎていて、嫌な人間なだけかもしれない。いつからだろう。こんな風になったのは。目の前の出来事に感動しなくなったのは。素直に物事を捉えられなくなったのは。いつからだろう。いや、分かっている。いつからこうなったのかが。忘れもしない。というか忘れられない。あの日、あの時からだった。僕に風が吹いたあの時。


高校1年生になる時期。今までの仲間に大げさに別れを告げ、大して中学校から離れていない高校に入学する人が大勢いた。僕もその中のひとりだった。ただ周りと違う事といえば、高校の場所が結構遠い事だろうか。遠いと言っても、道なりに10kmほどだ。僕は昔から運動が得意だったので自転車で通う事にした。2年生になればバイク免許取得の許可も下りる距離だったし、電車にあまり乗ったことがないという理由だった。卒業式も終えて、中学生でも高校生でもなく、一体誰が与えたかもわからなくなりそうな春休みを無駄に過ごし、無事入学式を終えた。新しい教室。新しい仲間。新しい担任。目に入るもの全てが新しい世界で僕は少しそわそわ気持ちで自分の席を確認した。とりあえず、周りの名前を確認したが、案の定知っている名前はほぼなかった。数名同じ中学校から来ていた人がいたので1、2名ほどは知っている名前があったが、席がかなり離れていた。15秒ほど名簿を見つめて自分の席に座った。場所は中央列、前から2番目。物語の主人公が窓際の一番後ろに座るなんて幻想を妄想しつつ、50音順で座るからそのポジションを手に入れるにはかなり限られた人になるとか、男子と女子で変わる場合もあるな。なんて事を考えていると担任の教師が入ってきた。静寂としていて、少し空気の温まった教室に存在する全ての生き物の視線が教師に突き刺さった。教師はその視線をしっかりと自分の目で受け止めたように見えた。体格がよかった。おそらく、身長は175cmほど、体重は100を軽く超えているだろう。太っている訳ではなく、少し厚着をしている上からでもわかるような筋肉質の男だった。

「はじめまして。このクラスを担当する中村です。」

その中村先生は気さくな人で平和主義な人だった。まぁ、嫌な先生ではなさそうだなという印象だった。

 そのあとの流れはテンプレと言わんばかりに、中村先生の自己紹介に始まり、生徒の自己紹介で終わった。授業が始まれば、また自己紹介。ほとんど授業はせず、昼休みなった。高校生活で最初の昼休み。ここでクラスメイトの性格がある程度わかるものだ。誰かを誘う勇気がなく、一人で食べる奴、周りを巻き込み大勢で食べようとする奴。それに流される奴。様々だった。僕はというと前の席にいたメガネの生徒を誘い、二人で食べた。話は割と弾んでいたはず。放課後は部活に入りたい人は見学に行き、興味のない人はそそくさと家に向かい足を進めた。初日という事もあり、教室には誰もいない。夕日が差し込み、カーテンが淡く透けていた。まるでドラマのような教室に僕は一人窓際の一番後ろの席に座っていた。誰の席なのかはわからないが、女子の席であることはわかった。校庭では運動部がランニングをしていた。新入生はそのかなり後ろを走っている。その隣では準備運動をするサッカー部。ランニングしているのは何部だろうと考えつつ、特に何も思わずに窓をそっと開けた。生暖かい風が顔に当たる。少し目を閉じて、校舎内に広がる吹奏楽部の音色に耳を傾けた。ちょうど風が止んだころ目を開けた。後ろで足音が聞こえた。こちらに向かってくる。僕は振り向いて、足音を迎えた。


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