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水晶の瞳をしたあの方
「ほほう、なかなかの代償を払ったようだな」
会えるかも、とは思っていたが…
宝玉と呼ばれる水晶を撫でながら一人の武将は立っていた
私は見えなかったが何故かその声があの方だろうと思った
「まさか本当に天下太平の世を作ってしまうとは!実に見事じゃアッパレアッパレ!ワッハッハ」
「公なのですか?」
「まさしく!そなたのお陰でやっとこの世を去れる!お礼と言ってはなんだがこの水晶をそなたの瞳にするがよい」
「え?そんなことが…」
と言う間もなく優しい光が私に降り注いだ
「……それにしても、あの像とは随分、違うお姿ですね」
私は涙を流しながらやっとの思いで声を絞り出した
「そうだろうワシも不思議だと思っておったが強そうだから良いじゃろ!史実とはそう言うものじゃ」
「そ、そうですね!ありがとうございますホントにホントにありがとうございます!」
「なんのなんの…あちらの世界でも息災でな」
「はい!」
あの、水晶は消え私の瞳は、再び光を取り戻した
そして、あの方は去っていった…
とても満足そうな微笑みと共に
"愛される者よ鍵を受け取り愛した者の想いを叶えよ"




