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これは、呪いか祝福か  作者: 宍戸 オウカ
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第五話 加護

翌朝。予定どおり、俺たちはギルドで加護検査の予約を取った。


「昨日は顔色が悪そうでしたけど、本当に大丈夫ですか?」


「あー、少し寝不足で……大丈夫ですよ」


ユリシアさんに心配されたけど、適当な理由でごまかす。


数時間後、研究施設へ来るよう案内された。

それに従い施設へ向かう。

列車に揺られながら窓の外を見る。


「懐かしいな……加護検査以来か」


「レオンもか、初めての時はワクワクしたな」


地方の街や村には、加護を調べる設備なんてない。俺もこの街に出てきて、初めて検査を受けた。


「そういえば、レオンもガルドも田舎出身なんだっけぇ?」


「田舎……まぁ、田舎だったな」


「うるせぇ、俺は辺境なだけで田舎じゃねぇ」


俺は肯定し、ガルドが否定する。その様子を見ながらシオンがクスクス笑っている。


「笑ってるけど、シオンはどうなんだ?あと、ミナも都会だったのか?」


「私は、そこそこかな?加護の研究まではしてなかったけど、検査はできたわ」


「私は都会育ち。ついでに言うと、親はお金もち。色々やらせてもらったぁ〜」


他愛の無い会話で、少しでも不安を紛らわす。


そして、列車に乗ること一時間、研究施設に到着した。


「相変わらずデケー建物だな!」


「着いたぁ〜」


ガルドは、はしゃいでいる。胸中は俺たちと同じ様に不安だろうに。


「そろそろ時間だし行くぞー」


三人に移動を促す。

建物に向かい歩いていると、いつの間にかミナが先頭を歩いている。

やはり、こういう施設に興味があるんだろうな。

受付で名前を告げると、すぐに案内された。


「アイリスです。本日はよろしくお願いします」


肩までの長さで赤い髪の女性が迎えてくれる。


「はい、よろしくお願いします」


「早速ですが、始めましょう」


加護検査装置は馬鹿みたいにデカい。こんなものを地方の村に置けるはずもない。


「コレに入るのも久しぶりだな」


俺、ガルド、ミナ、シオンの順で調べると言われる。

そして、改めて機械のことも説明されるが、前回もそうだったが専門用語も多くてよく分からん。

一通り説明が終わると、俺が入るように促され入る。


「では、始めます」


機械の駆動音が鳴り響く、立っているだけなのに少し身体が重くなる。

そのまま、数分間機械が動きそして止まる。

結果は……


「うーん、特にコレといったものは無いですね」


「そう…ですか…」


期待してなかった。と言えば嘘になるが、何もなくてホッとした自分がいるのも確かだ。


「では次の方」


淡々と検査は進んだ。


「うーん、色々試しましたけど何も無いですね」


後天的……とりわけ、成人後だということで何度か条件を変えて検査したが、何もなかった。


「なぁ、コレって偶然か?」


そろそろ、諦めるかとなっていた段階で、一人の研究員がデータを出した。

周りの人たちが少しざわめく。


「どうしました?」


「この四人……全員、同じ波形が出てないか?」


その言葉に、周囲の研究員が集まっていく。


「誤差の範囲でしょう」


「いや、でも四人とも同じ場所で出てるぞ」


「装置の異常は?」


「確認しました。問題ありません」


何の話をしているのか、俺にはさっぱり分からない。

ただ、さっきまで淡々としていた研究員たちの雰囲気が変わったことだけは分かった。


「……検査対象を、一人に限定する必要はあるんでしょうか」


アイリスの言葉に、研究員たちが静まる。


「装置は一人用ですよ」


「運用上は、です。測定範囲には複数人入れます」


「しかし、複数人では誰の加護か判別できない」


「今回は、それで構いません」


彼女が俺たちを見る。


「この四人に何かがあるのか。それだけでも確認できます」


俺とガルド、ミナとシオンから始まり複数の組み合わせを試す。


「少し……強くなったか?」


「あぁ、けど……変わらない」


「なら、三人で……」


装置の壁越しで、よく聞き取れないが変化があったようだ。

俺とシオンが入っているところに、ガルドが来る。


「今度は三人らしい」


少しうんざりとした感じになったガルドが教えてくれる。


「反応が…………!」


「……さんも!」


駆動音にかき消され、研究員たちの声はほとんど聞き取れない。

研究員に促され、ミナも入って来る。


「コレで最後かな?」


シオンもやっと終わるのか、という感情を隠さず言う。

普段はあまり感情を表に出さない彼女も流石に耐えきれなかったようだ。


「………!」


駆動音と分厚い壁に遮られ、何を話しているのかは聞こえない。

けれど、分かることが一つだけあった。

さっきまで冷静だった研究員たちが、全員立ち上がっていた。

アイリスも測定結果から目を離さない。

――何か、見つかったらしい。

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