期末テストがやってくる③
「かーだい♪かーだい♪」
「なんでそんな楽しそうやねん。」
いつものように課題をやっていると、桜がお菓子を持ちながらやってきた。なんか歌ってて楽しそうだ。
「だって、私、課題あと1個だけやもん。」
「ほえー、そりゃあよかったな。」
桜は数ある課題をバイト終わりの昼過ぎからやり始めて、もう終わらせたらしい。ちなみに時間は夜の12時を回ったところ。時間的にも大分キツくなってきている。俺はスティックのカフェオレにさらに砂糖を混ぜたやつを飲んで、糖分を補給。染みる〜
ん?てか今桜課題残り1個って言ってたよな。てことは、もう寝れるってことやんけ。
「なあ、桜。」
「なぁに?久志?」
「まさかやけど、もう寝るとか…」
「言うで。明日からテストやねんし。」
しばらくの間、2人の間に静寂が流れる。
「マジ?」
「うん。マジ。」
「まじかぁ〜」
今は何とかこのカフェオレとPCから流している音楽で起きている感じ。桜が寝るとなるとイヤホンをしないといけない。俺はイヤホンをしながら勉強するのが若干苦手だ。
「ちなみにスピーカーで流し続けるのは今日は…」
「やめて欲しいかな。もしやるんやったらこのお菓子あげへんで。」
桜は持ってきたお菓子の袋を見せる。クラッカーの間にチョコやミルクのクリームを挟んでいる、1口サイズのやつだ。いわゆる差し入れみたいな感じで持ってきてくれたんだろう。
桜は寝る時は本当に無音のほうがいいらしい。そうじゃないと気が散るみたいだ。
「すぅーっ。わかった。イヤホンしてやるわ。」
さすがに自分の中の糖分の需要には勝てず、イヤホンをしながらやることに。俺はバイトに持って行っているカバンの中からイヤホンを取り出して、耳の中に入れた。
桜は机の上に丸ごと1袋置いて自分の部屋に戻って行った。袋の上には付箋が貼られていて、そこには「はよねーや」と書かれていた。
「ほんまは寝たいねんけどなぁ」
残っている課題は4つ。レポート2つとパワポが1つ。それに加えて授業内の課題も残っている。課題以外にも生物は最後の授業の分をまとめないといけない。だから、寝てる暇などない。
俺は頬をパンと叩いて気合いを入れる。明日は絶対に寝るために今日はキツくてもやるしかない。