期末テストがやってくる④
「30分経ったので、終わった人から退出してもらっても大丈夫です。」
最後の化学のテストを早々と解き終えて、机に突っ伏していたら、試験監督の先生からそう言われて、俺はすぐに立ち上がる。90分のテストを11分で解き終わって、このまま帰れないままだったら、ガチ寝までいくところだった。危ない危ない…
テスト最終日になると疲れも溜まってきて、もうカフェインなしでは生きられない身体になってしまった。今日の晩は寝んとヤバいな。
とか思いながら荷物を片付けて、早々と会場から退散する。桜も同じく4限にテストがあるので、桜が終わるのを待つ形だ。まあ、そんな時間も苦ではないからいい。
「あの生物であの化学ってさ、落差ヤバくね?」
「それな。生物普通にムズかったから化学もかなって思ったけど、なんか拍子抜けって感じ。」
そう。それほどまでに簡単だったのだ。雄之助もこの後に予定があるらしく、2人で感想戦をしながら待つことに。問題数も少なかったから、頭の中に残っている解答で答え合わせだ。
「pHの問題さ、log₁₀2書いてあったから出ると思ったけどさ、出なかったな。」
「それな。こっちは身構えとったのに。」
最後のほうまで互いの答えは違うことはなく、とりあえず単位は取れたと考えても問題ない。あとは評価だけだ。これまでの小テストの結果で、俺は最大97点を取れるのが分かっている。95点以上なら「優」がつくので、ひとまず目標はそれだ。1問間違えたくらいならなんとかなるだろうが、2問以上間違えていたら確実に無理になる。
「97やったらさすがにトップちゃう?」
「いや、どうやろうな?正直、これまでのテスト満点取ってるやつおってもおかしくない。」
「先生の口調的にそれはおらん感じやってんけどな。」
テストの説明のときに、「俺のテスト受けんくっても単位取れるやつは今年はおらんかった」と言っていた。小テスト2回を両方満点取っていたら、もう単位を取れるので、それはいないことになる。でも、それに近いのはいる感じだったので、それが一体誰なのか。俺なのか?いや、それはないだろう。俺は2回目の小テストで凡ミスをかまして90点を取ってしまった。そこで抜かされた可能性も十二分にある。
「まあ、もう終わった話や。ドンと構えて待っとこうや。」
「それ化学苦手なヤツらに言ったら殴られそう。」
「まあな。」
俺はニカッと笑って階段の上をふと見上げる。そこには、疲れきった様子の桜の姿が。
「お連れさんが来ましたね。」
「せやな。んじゃまたな。」
「おう。シュノーケリングの予定ちゃんと立てような。」
「おけ。」
俺は階段から降りてくる桜に向かって片手を上げる。すると、笑ってぴょんぴょんと降りてきた。
「お疲れ。」
「ほんま疲れた…なんでいっちゃん最後のテストが1番書く量多いねん。死ぬか思った。」
「それはご愁傷さまやな。」
俺たちはバス停に向かって歩き始める。
「何買ってく?」
「なんでも喜ぶやろ。アイツらは。」
「せやな。」
そう、明後日は予定がある。小豆島まつりに行くという予定が。




