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ぐらんぶるーに潜りたくて⑧

「まず潜水は、このインフレーターホースの先にあるインフレーターの、先にあるほうのボタン。これを押したらどーなった?」


言われたボタンを押すと、シューっと空気が抜けていき、さっきのような重さが肩にのしかかる。空気が抜けた証拠だ。


「空気抜けたな?それで沈めるようになったやろ?」


確かにこれなら水の中で沈めそうだ。試しに膝立ちになると、ちゃんと立つことができた。


「それで、次にこのオレンジの方のボタンを押す。そうしたらBCの中に空気が入っていって、浮けるようになる。」


もう1個のほうのボタンを押したら、これまたシューっと音が鳴って、BCの中に空気が入っていく。そして浮力を確保できた。


「OK。これで水の中で沈んだり浮いたりすることができるようになった。んじゃ次はレギュレータクリアやな。」


 レギュレータクリアというのは、口にくわえている空気を吸う装置、レギュレータの中に水が入ったときに、それを出す技術だ。水が入ってくる理由には色々あって、魚や誰かの足が当たって、それでレギュレータが口から外れたとき、バディーのエアがなくなって、レギュレータを手渡し、自分はオクトパスで呼吸しないといけないとき、またその逆など、様々な理由がある。水の中で空気を吸えなくなるという状況になっても、冷静に判断して、ちゃんとレギュレータクリアをできるかが重要だ。


「やり方は2つあって、1つは息を吹き込んで水を出す方法。」


イントラの人はレギュレータの中に水を入れて、息を吹き込み、横の穴から水を排出する。


「そんで、レギュレータについているパージボタンを使って水を出す方法。」


次にレギュレータについている、空気を排出するボタンを押して、それで水を出した。


「この場合は空気が一気に出てくるから、出てくるところを舌で塞いでやってや。みんなには両方やってもらうけど、実際に使うのは片っぽでいいから。それと同時にやって欲しいのはフィンキック。大きく、ゆったりとキックして欲しいねんけど、2つ同時にできる?」


こんなに動きにくい状態で、大きくゆったりキックか。空気が限られている中で、できる限りエアを消費しないようにだな。それなら、得意分野だ。


 何故か知らないが、1番に指名されたので、プールサイドの縁を持って身体を浮かせる。もちろん、レギュレータの中には水が入っているが、それは息を吹き込んで出す。そして、水泳でやってきたのと同じ要領で大きくキックした。


「OK!今のは吹き込んだパターンやな。次はパージボタンでやって。」


そう言われて、次はボタンで…


「!!!」


舌で塞いだのに、思ったより強く入ってきた。少し驚いたが、冷静を保ってもう一度キック。これも「OK」と言われた。


「思ったより入ってきたやろ?」


そう言われる。俺は、「まあ、ちょっとビックリしました」と笑って返した。

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