ぐらんぶるーに潜りたくて⑦
マスクの中に軽く水を入れて顔を上げる。ちょうど目の下くらいまで入れたら「半没」だ。そしてゆっくりと鼻から息を吐き出して、最後、鼻のところに溜まった水は勢いよく押し出す。
「OK!できてるできてる!」
イントラの人からそう言われて、俺は心の中でガッツポーズをする。この感じだと、どこかの漫画の主人公のように、同学年のヤツにプールに沈めてもらわなくてもいいな。
とはいえ、まだ半没。次に待っているのは全没だ。
「それじゃあ、1回上がって休憩しよっか。次からは機材背負った練習に入っていくから。」
もう休憩なのか。そんなに時間が経ったような気はしないのに。
そんなことを思いながら水分を摂りに上がり、時間を確認すると、もう1時間近く経っていた。めっちゃ時間経つん早い。
塩辛く感じるスポドリを飲んで、塩分チャージを食べる。感じているよりも水分は奪われているみたいで、身体は正直に水分を求めている。次は機材を背負うということは、乾燥した空気を吸うということだろう。ちゃんと水分を摂っておかないと。
「よーし、始めるぞー。」
イントラの人に集められて、機材の前に集まる。今からはこれを背負うのか。
「こうやって少しだけ傾けて、シリンダーの下を持って、持ち上げる。それで、前傾姿勢のまんま、ベルトを全部締めていく。ここで緩んでたら、泳いでる間にバランス崩すからな。」
目の前でやって貰った見本のように持ち上げ…
「重っ!」
さっきからつけているウエイトとは比べ物にならない。背中全部、いや、身体全部で支えているのに、それでもズシッと重さがくる。これは、ヤバいな。
でも、しっかりと締め付けたらその重さが若干マシになった気がする。キツさは、指を入れるのが若干キツいくらい。でも、これより緩かったら、水中で絶対揺れるし、これくらいでいい。
「バディーチェック。シリンダーの栓は空いてる?ベルトは緩んでない?レギュレータとオクトパスは右側にちゃんとある?その他取り付けも大丈夫?」
雄之助とバディーチェックをする。これもダイビングの上で重要なことだ。お互いの安全を守ること。それも楽しむために必要なことなのだ。
「それじゃあ、マスクつけて中に入って。」
言われたようにマスクをつけて、BCに少しだけ空気を入れてプールの中へ。すると、明らかに感覚が変わった。今まで感じていた、機材の重さをほぼ感じなくなったのだ。
その理由はわかる。BCに空気を入れていることで浮力が確保出来ていること。そのことで肩にかかる負担が減ったからだろう。
「よし、じゃあ機材使った練習やっていくからな。」




