久しぶりの通話①
ある夜、あるグループRINEは久しぶりに稼働していた。
『最近どうよ?』
「どうって言われても、課題とタスクに追われる日々やで。そっちも似たり寄ったりやろ?」
『まぁ…』
『でも、カレンは楽そうにしてるよね、ね?カレン?』
『音羽ちゃん、それはないって。PCぶっ壊れて修理出してるだけやん。やから、課題はスマホでやってるし。』
『ホンマに?気ぃついたらゲームやってる気すんねんけど。』
『ぐっ』
高校時代は毎日のように動いていたグループ。バイト後にきいから「久しぶりに話さへん?」って来ていて、今通話している感じ。ちなみにみんな他にやることがあったみたいだから、時間は11時半だ。
『それで、集めたきい本人は?』
「まだっぽいね。まぁ、きいのことやし。」
『やなぁ』
きいはもう寝ているのだろうか、さっきから個人的にRINEもしているけど、返事がない。課題があったようだから、間に合わなそうで焦っているか、寝落ちしたかどっちかやな。どっちにしても12時を過ぎたらわかることだ。
「まあ、気長に喋っとこうぜ。」
身体をぐぐぐっと伸ばして、リビングの椅子の背もたれにもたれ掛かる。コーヒーを淹れにキッチンに行っていた桜がカップを2つ持ってきてくれたので、「ありがとう」と言って受け取った。
久しぶりに話すとなるとやはり積もる話もある。それぞれサークルやバイトの話、テストや先生の愚痴など、話題は尽きることない。
「そういや、杏って元気にしてるか?」
『そういやの話にされる杏ちゃん…可哀想』
「そういう意味ちゃうわ。俺たちおらんくなって杏1人なったから大丈夫かなって。家事はいけるの知ってるけど、高校生で一人暮らしって大変やろうから。」
『まあ、確かに。私も大変やったし、大変やし。』
『俺もそうやったな。』
俺たちがこっちに来たから、杏はこの春から一人暮らし。もちろん、全部自分でやらないといけないわけで、クラブもしている杏はきっと大変なんだろう。
すると、タイミングよくきいが入ってきた。
『ごめ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん゛!!!』
まるでどこぞの長鼻のように、謝りながら通話に入ってくる。この謝り方の感じ、あと、このふわふわしていない感じ、ただ単に課題が間に合わなそうやっただけやな。
「ええで。それより、今ちょうどきいに聞きたいことあってん。」
『ん?どしたんひい君?』
「杏、元気かなぁって。一人暮らしやろ?」
『あ…えっと…』
きいに問いかけてみると、きいは少しだけ言葉を詰まらせる。これきっと何かあるな。
「どした?話によっちゃ、この通話に強制参加させなあかんようなるけど。」
『えっと、一人暮らしなんだけど、一人暮らしじゃないって言うか…』
ん?




