週に一度くらいは②
ここら辺で遊ぶ場所というのは2箇所くらいに限られてくる。でも、買い物となれば、場所は1箇所だけだ。
「どう?」
「ええんちゃう?てか、ファッションセンス皆無の俺によう聞くな。」
季節も夏に近づいてきたので、桜の夏服選びに付き合っている。別に大阪から持ってきた服でも十分だと思うけど、足りないようだ。
「まあ、聞いてるっていうか、反応を見てるだけなんやけどね。」
「どゆこと?」
肩の部分が透けている、真っ白いTシャツの肩の部分を持ち上げながらそう言う桜。
「まず全体を俯瞰で見てから、肩の部分に目がいって、そんで最後に自分の服装を考えて「ヤバい。俺この隣に立つん?ヤッバ。」って考えた。」
まるで、俺の口から出てくるように俺の考えていたことを話す桜。しかももちろん、全部合ってる。
「どう?あってるやろ?」
「……俺は桜が怖ぇよ。そんな分かりやすいか?」
「まあ、3年も一緒におったらね。何考えてるかはある程度分かるようになるもんよ。」
怖っわ。
そのまま桜はまた更衣室の中に戻り、さっきのシャツを買った。買ったのはそれだけ。バイト代である程度生活している俺たちには、やはり服というものは高い。
「お待たせ。」
桜が戻ってきて、その手元の袋を受け取る。というか奪い取る。
「久志はなんか服買わへんの?」
「買わんでええかな?持ってきてる分で何とかなってるし。」
「え〜。私、久志の、なんやろ?ピシッ!ビシッ!ってした服見たいねんけど。」
お願いするように上目遣いでそう言ってくる。まあ、考えなくもないけど、なんだろうな。
「普段のさ、だらしなーいところめっちゃ見られてるねんし、今更そんなことしても背伸びしてるだけにしか見えへんのちゃうかなって。」
「あー。」
俺の言葉に、少しだけ納得したような反応をする。そして、「でもやっぱり…」と笑顔でこっちを向いた。
「だからこそ見てみたいなぁって思うねん!」
笑顔で、真っ直ぐな瞳でそう言われると、さすがに少し照れる。言った本人も照れて目を逸らし、「まあ、私もそういう姿いっぱい見せてんねんし。」とか呟いているけど、そんなことはあまり気にしていない。でも、あんな顔をされたら、俺も応えないといけなくなる。
「んなら、行くか?俺はそういうセンスないから桜が選んでーや。」
そう頼むと、桜は目をキラキラと輝かせて俺の方を見る。なんか恥ずかしいけど、まぁ必要投資みたいなものだ。
「やった!んじゃ、どこから行く?あっち?それともそこ?」
「落ち着け落ち着け。」
まだまだ夜までは長い。




