私と寝落ちと君と②
目が覚める。頭に伝わる柔らかい感触と聞こえてくる規則正しい寝息はきっと…
「やっぱり。」
どうやら寝落ちしてしまっていたようだ。そんな俺を桜が膝枕して、しばらくして桜も寝落ちしてしまったと。状況は理解した。
起こさないように体を起こし、寝室に毛布を取りに行く。今は12時前。何時に寝たかは知らないけど、1時前くらいには1回起きるだろう。
「さてと。」
この時間からできることはただ1つ。明日やる気だったレポートの完成だ。今やる必要がないといえばない。けどまあ、桜が起きるまでは書いておこう。
桜の肩に毛布をかけて、PCを起動。イヤホンを耳に装着して、作業用の雑談配信を流す。Wordを開いて作業開始だ。
レポートと言えども、レポート形式の600文字程度の作文のようなもの。大学のグローバル化とかそんなテーマなので、国学社の奏たちとの状況を比べたら簡単にかけてしまう。こういうときに、ちゃんとグローバル化されてると言える大学の友達がいるのはありがたい。
RINEだけ飛ばしといて導入部分から書き進める。桜も同じ導入ゼミだったら良かったのだが、違うのでもちろん課題も違う。はぁ、ハズレ引いたな。
奏やきいとかのメッセージを見ながら作業を進めていく。やはり国学社はグローバル化されている大学の一例としてとてもいいものだ。
「ん?」
「起きたか。もう1時前やぞ。」
「寝ちゃってた?」
「まぁせやな。俺こそ寝てもうたし。」
レポートももう大詰めにかかった頃、桜が目を覚ます。眠い目をこすりながら大きく欠伸をする桜はまだふにゃふにゃしていて、なんだろう。可愛い。
「もう寝るか?」
「ねる。」
「んじゃ、歯磨いてこいよ。俺はもうちょい書いてからするから。」
「ん。」
毛布を抱き抱えたまんま、桜は洗面所の方へ。置いていった方がいいとは思うけど、まあいいか。
俺はもう一度PCに目を落とし。レポートのラストを書き始める。カタカタとキーボードを叩き、できる限り事実に即して、説得力のあるように書き進める。最後のまとめを書き終わって、文字数を確認したら、ちゃんと規定文字範囲内。PCの電源を落として、メガネを外す。若干目が疲れたな。
「はよ寝よー」
「はいよ。ちょいまち。」
俺も急いで歯を磨き、桜が待つ寝室に。もちろん電気も消して。
「おやすみ。」
「うん。おやすみ。」
「そーいや、明日朝1限からやから、朝早いから寝るんやったら自分で作りや。」
「うん。」