私と寝落ちと君と①
「ただいま。」
「おかえり、先ご飯?お風呂?」
「風呂入るわ。喋りすぎて疲れた。」
いつもより遅く帰ってきた久志は服をぽいぽいと脱いでカゴの中に入れる。
今日は海洋だけのイベントの小浜に行った先輩たちとの交流会があったらしく、4限後はずっとそこで喋ってきたらしい。どんな感じかは知らないけど、あの顔を見る感じ、楽しかったようだ。
久志が風呂から上がってくるまでに晩ご飯の準備。今日は鰆の塩焼きだ。冷凍した鰆の切り身を解凍して、それに塩をふりかけて焼く。その間に付け合せの用意。それもまあ簡単なもので豆腐とか、ほうれん草のおひたしとか、味噌汁とか、そんな簡単なものだけど。しばらくして鰆をひっくり返したらあとは待つだけ。
「お風呂ありがと。桜はもう入ったんやんな?」
「うん。やから洗っといて。」
「あいよ。」
風呂洗いは久志に任せて、私は食卓の用意をする。綺麗に配膳して完成だ。
「今日、サワラか。ちょうど釣りの話ばっかしてきとってん。」
「やっぱり。まあ海洋のメンバーやからそうなるとは思ったけど。」
「あと、8月の真ん中ぐらいに先輩に潜らせてもらうことなったから。」
「まじ?いーなー。」
そう言いながら2人で向かい合って席に着く。
「「いただきます!」」
夜ご飯のあとは、今日は珍しく2人で過ごす。いつもなら部屋に引きこもってレポートを書いたりしてるけど、今日は久志の明日までのレポートが楽だからそんな感じだ。
「んでさ、よっさんってうちの学科で1番有名なやつがおるんやけど、そいつが座ったら先輩たちがぞろぞろ寄ってきてさ。」
「え?そんなすごい人おるん?」
「凄いってゆーか、アホってゆーか。毎週どっかに釣り行ってるやつやねん。」
「その繋がり?」
「そうそう。やし、やっぱり釣り詳しいから先輩とも話通じるしさ。 」
「なるほどね。」
久志は今日あったことを嬉しそうに話す。目がキラキラしていて子供みたいで、なんか可愛い。
「あとさ、小浜のひとたちって…」
すると、さっきまで楽しそうに話していた久志の声がしなくなる。何があったのかと見てみると、すやすやと気持ちよさそうに眠っている。
「本当に子供やん。」
私の肩に頭をのせているけど、身長差の関係でちょっと苦しそう。だから私は優しく頭を膝の上にのせた。
「おやすみ。いい夢みてね。」




