表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/138

そういえばの話

「そういや桜。」

「ん?」

「そのまんま心理学のほう進むって言ってたよな?」

「あーね。」


なんか俺について福井に来たけど、夏の時点では受験する気はなかった。スクールカウンセラーになるとかそんな話をしていたような気がするが、その夢はどうなったんだろう。


「こっちの大学にな、そういう関係の話が詳しい教授がおってな、どっちかいうとその人の話を聞きに来てる感じやねん。」

「あーね。」

「やから、久志と一緒にもおれるし、夢の方もまだ諦めてないから。」


桜は覚悟したような顔でそう言う。そう言っているということは、本当に諦めるつもりはないのだろう。そういう所が本当に桜らしい。


 俺が目指すものと桜が目指すもの、それがいくら違えど、夢を目指す仲間がいることは、本当に心強い。


「ありがとな、桜。」

「ん?何が?」

「いや、知らんくてもええで。」

「えー、何何?気になるやん!」


俺はつい恥ずかしくなってしまって、逃げるように立ち上がる。からかうような笑みを浮かべながら桜がついてくるが、そのとき、RINEの音が鳴った。


『【急募】そうだ、福井に行こう!』


「「は?」」


奏が言い出したのはこのGWにこっちに来ようというもの。久しぶりに会えるのは嬉しいが、問題はそれではない。うちに泊まろうということだ。部屋は確かに少し広いにしても、7人も寝れるわけがない。ということはつまりはどこかに泊まりということになる。


「どこ行く気や?そこなんも決めてへんやんけ。」


とりあえずそうとだけ返事して、返ってくる答えを予想して遊べそうなところを探す。近場やったら東尋坊とかあわら温泉とか、そんな感じか。


『そこはお前らに任せる!』

『とにかく行くからよろ!』


予想通りの答えが返ってきたので、軽くプランを組む。まあそれも、どこに行くかだけやけど。


「東尋坊とかでええよな?」

「多分そこら辺がベストやと思う。駅のまわりも色々あるけど、どこもかしこも大阪にもあるもんばっかやから。」

「やな。」


泊まるのはあわら温泉のほうでいいだろう。集合は昼くらいにしたら向こうも始発で来るとかそんなことをせんでもいいようになる。


「じゃ、そんな感じやから。」

「やな。…課題か…」

「せやな。」


GWで片付けたらいいと考えていた課題も、今のうちにやらんとあかんくなった。俺たちは早速課題を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ