地獄の沙汰も
「さて、とりあえずこの首持って行こうかしら」
そしたら村の人も一旦は元に戻るはずだ。もしかしたらまた魔物が来るかも知れないけど。
「ねえ、イナンナ」
「何ですかー?私そろそろー帰りたいんですけどー」
「いや、結局刀の使い方教わってないからね!」
「あー。そうでしたねー。それはー村を出たら教えますよー」
あ、そうですか。
「この湖に魔物が現れないようにする方法はある?」
「ありますよー」
あるんだ。
「私にできる?」
「んー出来ますよー」
そして私にも出来るのか
「教えてイナンナ」
「良いですけどー」
そう言いながらイナンナは手をこちらに向けてくる。
「何?」
「お、か、ね」
こ、この女……!
「そんなの持っているわけないじゃない!ってか必要ないでしょ!?」
「地獄の沙汰もー金次第ー」
「イナンナって結局何なのよ……」
女神って言ったり地獄の使者って言ったり。
「乙女にはー秘密がー多いんですよー」
乙女……ねぇ。
「とにかく私は無駄に死人を出したくないしこの湖に魔物も出したくないの」
「じゃあーツケにしときますよー」
「それで良いわよ…」
「髪の毛ー1本くださーい」
言われた通り髪の毛を抜き、渡す。
「ふふっ。そんな簡単に信じてー良いんですか?」
「イナンナだから良いのよ」
何言っても勝てないし。
「それ男の人に言ったらーモテますよー。せっかく可愛く出来たのですからー」
「はっ!?んなのキモイ!私は男だ!」
そう言うとまた電流を流された。
「もー、ちゃんとー女の子としてー生きてくださーい」
んなの言われても無理なのは無理だ。
「とにかく!頼んだわよ!」
「はーい」
イナンナの身体が湖の上に浮かび何かを唱えたように聞こえた瞬間、湖が光り輝いた。
「これでー大丈夫ですよー」
「……これ私に使えるの?」
「んー、いつか?」
「そ、そう」
使える未来が全く見えないんだけど。
「じゃー私はー帰りますねー。また何かあればー呼んでくださいー」
「あ、うん。ありがとう」
「あ、後ですねー」
「何?」
「私がいなくてもーその首輪の効果ー発動しますからー」
チッ!
「ではではー」
そう言ってイナンナは消えた。
さて、私もこの首持って村に帰るか。




