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11. 選択肢表示

それは初めてシド=マッキンタイヤーと出会った日のこと。




セシリーは「運命だ」と感じた。




彼は美しく、周りの女性を虜にした。


のちに彼は王位継承権を持つ王族でこの国の第一王子だと知る。

だがその時は彼が何者かも知らず、遠くから見ているだけだった。


思わず抱えていた教本を落としてしまったが、気づいた彼は拾い上げてくれた。


「君、落としましたよ」


微笑むシドは、キラキラとしたオーラをまとってるようだった。

理想の王子様とはまさに彼のことを言うのだろう。


突然――



彼の前方に、メッセージが書かれた表札のようなものが現れた。




(1.お礼を言う)

(2.無視してうつむく)

(3.笑顔で微笑む)




まただ――

これは運命の分岐点で現れる選択肢。

私にしか見えない、人生の選択肢。



初めて現れたのは、セシリーが5歳の時だった。



レイモンド家の当主がセシリーを養女に迎えようとした時のこと。


「お嬢さん、うちに来てくれるかい?」


アーモンド色の優しい瞳の男が微笑んだ。



(1.受け入れる)

(2.断る)

(3.無言)



男の前面に選択肢が現れた。


3つの板のようなものだった。

厚みは無い。素材は木でも紙でもない。薄い石が近い気がするが、わからない。

それぞれ文言が書かれている。


振ってある番号順に縦に並んで宙に浮いていた。

少しも揺れもせず、何の音もしないのが不気味だった。


突然のことに大いに戸惑った。

だが直観的に、いずれかを選ぶべきだと思った。


(1.受け入れる)


そう強く念じると、それは跡形もなく消え去った。

他人には見えてなく、自分にしか見えていないようだった。


この選択肢を選んだセシリーは、レイモンド家の養子となり平穏で幸せな幼少期を過ごすことになる。


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