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プロローグ
東の広大な大陸、ユートピアに面して広がる神秘の海アリア海。
その大海原の最果てには、魔の消滅海域“ガイア海”があると云われている。古い歴史書には、死海と記されるその海域は現在でも、“難破船の墓場”“恐怖の海”と呼ばれ人々から恐れられている。ひとたび帆船が迷いこめば、天候は荒れ、突発的な暴風雨、津波、竜巻、強烈な乱気流に襲われるというのだ。噂では深海の魔女が住むとも云われている。
そんな魔の海域を超えた先に、地図に無い島がある。
聖地・ルールド
広大な緑の森と、肥沃な平原、豊かな水資源に恵まれた幻の孤島。
そこに住まうのは、3つの種族。
“古代の民”と呼ばれる信仰深き民、ハミル族。
“聖なる幻獣”と呼ばれる翼を持った獣、龍族。
そして・・・・・
数百年昔に、表舞台から迫害され滅びの道を歩む絶滅種
―――魔女