婚約者が私の「侍女」に求婚しましたが、その方、女装した私の護衛騎士です ~あなたの恋のお相手は、私に求婚するそうですよ~
最新エピソード掲載日:2026/11/05
婚約者がひざまずいたのは、私ではなく、私の隣の美女だった。
「このように可憐な女性こそ、僕の妻にふさわしい」
私、ノエーミは扇で口元を隠した。笑ってはいけない。
つい先ほど慈善劇の姫役を終えたその人は、侍女ではない。二十四歳の護衛騎士、イヴァーノである。
「男ですが」
「では――」
「お断りです」
かつらを外した彼は、いつもの低い声で続けた。
「では、ノエーミ様との婚約は解消ですね。僕はこの方に、求婚したいのですが」
そこで笑えなくなったのは、私のほうだった。
慰めのお芝居だと思った翌朝、彼は騎士服で花を持って現れ、昨日の続きを始めてしまう。
「守る仕事と、好きになることは、別です」
裏方の私を華やかな美女に替えるつもりだった元婚約者様は、二人に同時にそっぽを向かれて大慌て。言い訳も贈り物も、なぜか二人へ別々に届く。
では、同じ席で、読み合わせをいたしましょうか。
奪われたはずの恋の席には、もう、私を選ぶ人が座っていた。
「このように可憐な女性こそ、僕の妻にふさわしい」
私、ノエーミは扇で口元を隠した。笑ってはいけない。
つい先ほど慈善劇の姫役を終えたその人は、侍女ではない。二十四歳の護衛騎士、イヴァーノである。
「男ですが」
「では――」
「お断りです」
かつらを外した彼は、いつもの低い声で続けた。
「では、ノエーミ様との婚約は解消ですね。僕はこの方に、求婚したいのですが」
そこで笑えなくなったのは、私のほうだった。
慰めのお芝居だと思った翌朝、彼は騎士服で花を持って現れ、昨日の続きを始めてしまう。
「守る仕事と、好きになることは、別です」
裏方の私を華やかな美女に替えるつもりだった元婚約者様は、二人に同時にそっぽを向かれて大慌て。言い訳も贈り物も、なぜか二人へ別々に届く。
では、同じ席で、読み合わせをいたしましょうか。
奪われたはずの恋の席には、もう、私を選ぶ人が座っていた。
1. その美女、男ですが
2026/11/05 12:14