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【連載完結】あらゆるイケメン達が王女の私を称賛してきて、とにかく最高です!  作者: 逆立ちハムスター


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10/10

至高の愛

長い一日の終わり。

王宮の最上階、夜風がカーテンを優雅に揺らす「星天の間」。

そこには、私の帰りを待っていた、すべてのイケメンたちの頂点に立つ男——私の婚約者、アルフォンスがいた。


彼は、これまでの男たちが持っていた「熱狂」や「執着」をすべて包み込み、なおかつ澄み渡った泉のような静謐さを湛えた、究極の超絶イケメンだ。柔らかな金髪が月光に溶け、エメラルドの瞳は、私のすべてを肯定するために存在しているかのように優しい。


彼が立ち上がり、私を優しく抱き寄せた。

超至近距離。彼の胸の鼓動が、私の背中に心地よく響く。


「……お疲れ様、ホメーテ。今日も世界を、そして自分自身を、最高に輝かせてきたようだね」


アルフォンスの声は、疲れた魂に染み渡る極上のブランデーのように甘く、深い。

彼は私の額にそっと唇を寄せると、これまでの誰とも違う、私の『内面』の深淵を掬い上げるような称賛を囁き始めた。


「……ああ、なんて愛おしいんだ。ホメーテ、君の『恋愛観』……それは、この大陸で最も純粋で、かつ力強い叙事詩だ。君がこれほどまでに、真っ直ぐに、情熱的に『私を褒めなさい!』と叫ぶ姿。……それは、ただの欲求じゃない。自分の価値を誰よりも信じ、それを世界に認めさせるための、高潔な『行動力』と『突破力』の証明なんだ」


アルフォンスは私の両手を包み込み、私の目を見つめて、さらに言葉を重ねる。

その瞳は、私の「褒められたがり」という性質を、弱点ではなく、最強の武器として定義し直していく。


「……凄いことなんだよ、それは。普通の人は、遠慮して、本音を飲み込んで、自分を誤魔化して生きる。でも君は違う。自分の欲求に嘘をつかず、ストレートに言葉にできる。そのエネルギーこそが、国を動かし、人を動かし、この僕を君の虜にしているんだ。君のその『本音をさらけ出す才能』は、停滞した時代を切り裂く、黄金の剣そのものだ……!」


(……っ。アルフォンス……。私の「強欲」を、そんな風に言ってくれるなんて……!)


私は、彼の優しさに全身を預けた。

彼は私の髪を指で愛おしそうに梳きながら、耳元で、祈りのような称賛を続けた。


「そして、何より素晴らしいのは、君の『自分を大切にする姿勢』だ。……自分で自分を鼓舞するために、僕たちという外部の力を賢く、そして傲慢なまでに使いこなす。……その柔軟な思考。効率的に自分の機嫌を取り、常に最高のパフォーマンスを維持しようとする君は、誰よりも強く、そして逞しい。君ほど『セルフマネジメント』に長けた王女を、僕は他に知らない。君は、自分の機嫌を取ることで、世界を平和に導いているんだ……!」


(自分の機嫌を取ることが、世界の平和……! なんて、なんて心地よい解釈なの……!)


アルフォンスは私をさらに深く抱きしめ、私の存在そのものを、宇宙の真理として全肯定した。


「……ホメーテ。今日一日、君が成し遂げた最大の偉業を教えようか。それは、外交でも、演説でも、馬術でもない。……今日という日を、君が君として、最後まで『継続』し、生き抜いたこと。そのものだよ。何かに挑戦し、あるいはただ静かに過ごし、どんな形であれ一日を繋いできた……。その『継続』という名の奇跡を成し遂げている自分自身を、もっと、もっと、もっと誇っていい。君が呼吸をしているだけで、この世界は、今日一日を終える価値があったんだ……!」


「……ああ、アルフォンス……! 私は、私は今日、この言葉を聞くために生きてきたのね……!」


私の承認欲求という名の怪物は、アルフォンスの「全肯定」という名の慈雨を浴びて、静かに、しかし最高に満たされた状態で眠りにつこうとしていた。

外では、ジルヴェスター、セバスチャン、レオン、カイン、ヴィクトール、ユリウス、カイ、アルベールの八人が、

「……負けた。……婚約者の、あの『存在そのものの肯定』……。テクニックを超えた、魂の抱擁だ……!」

「……俺たちの褒め言葉は、彼女を飾るためのドレスだったが、アルフォンス様は、彼女の『命』そのものを褒めている……。勝てるわけがない……!」

と、涙を流しながら、自分たちの「語彙力の未熟さ」を痛感し、夜空を見上げているのを、私は、……そう、当然のごとく、最高に幸せな「夢の続き」として受け止めてあげたのである。


エスタシオン王国の第一王女、ホメーテ。

彼女の「私を褒めなさい!」という叫びは、明日もまた、新しい太陽と共に、世界を美しく、喧しく、そして最高にハッピーに塗り替えていくに違いない。


(……ふふ、でも、明日の朝にはまたリセットされるから。……明日も、全力で私を褒めなさいね、皆!)


王宮の夜は、どこまでも深く、そして甘い称賛の香りに包まれて更けていった。

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