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画面の向こう側 〜最強王者クリスタルと配信界の光と影〜』  作者: 鈴_rin_


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第37話 バナーに踊る現実と、緊張の初顔合わせ

ももか、何かしないといいですけどね…


アプリを開いたももかは

画面を見て硬直した。


トップバナーにデカデカと

『人気ライバー・ミサキ 本格歌手デビュー!』の文字と

ミサキの眩しい笑顔の画像が躍っている。


ミサキがミュージックサバイバルで1位を取って

音楽番組に出演したのは知っている。

番組も見た。


観覧席の隅に連が映っていたのも見逃さなかった。


震える指でバナーをタップする。

さらに驚いた。


ミサキはソロじゃない。


ミサキや山本勇次の配信によく入室する大西直也と

バイオリニストのライバー・ソラ-sora-と

ユニットを組んだと書いてある。


ソラは以前配信に行ったことがあった。

バイオリンの音色は好きで

たまに聞きに行く程度には好感を持っていたライバーだ。


(……なんで!? 有名音楽家二人が

なんであんな奴とユニットを!?)


怒りが湧いてきた。


ももかがバナーを閉じると

次に現れた別のバナーには

『山本勇次 ドラマデビュー決定!』の文字。

画像は勇次だったが、『詳細は後ほど』で

タップしてもページは開けなかった。


ももかのイライラはMAXに達していた。





歌手デビューは決定し

アプリ内でも告知された。


ミサキの住む地方都市の駅前には

早くも「ゼロQ LIVE」の巨大看板が設置されていた。


そこには

ミサキと大西直也、ソラ-sora-の三人が載っており

『近々ユニットデビュー』と

誇らしげに書かれている。


ミサキは

(私の地元にまで!)

と焦る。



運営からデモ音源も届いた。

明るく爽やかな曲調で

仮歌は大西直也が歌っている。


歌詞を見ながらミサキは小さな部屋で歌ってみる。

「……ボイトレ、必要かなぁ」


自分の歌唱力に不安を感じながら歌っていると

スマートフォンが鳴り止まない。

友達、出版社、そして実家の親からまで電話が鳴り続け

ミサキの静かな日常は完全に崩壊していた。






都内某所のレコーディングスタジオ。


なぜか山本勇次もそこにいた。

ドラマの撮影現場が近くだったらしい。


「……あう、あう」

ガチガチに緊張しているミサキに

大西直也が

「知り合いなんだから、そんな緊張しなさんな」と笑う。

ソラも隣でにこやかに頷いている。


事務所が本格的な芸能事務所に変わったため

社長とミサキの専属マネージャーも付き添っていた。


ミサキの緊張を和らげようと、

直也とソラが、ミサキが普段の配信でよく流している曲を

その場で演奏し始めた。


そこへ現れた作曲家は

「音楽番組であれだけ歌い上げたんだから大丈夫!」

とミサキの肩を叩く。


「あのオリジナル曲を少しアレンジして

カップリングで同時リリースしよう!」

急展開にミサキの頭はパンク寸前だった。


(本当に芸能界に入っちゃった……)




お読み下さりありがとうございます

次回もお楽しみに♡

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