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追放されたトップヒーロー、海外進出する〜俺がいなくなったら劇的に治安が悪化するけど日本の皆さん大丈夫?〜  作者: サトウミ


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実践ステージ終了

クライムファミリーのボス、ジョセフ・ゼーリックが倒れた。


「まさか、本当に倒すとは……! 信じられません! シャドウズ、奇跡の快進撃です!」


司会者が絶賛すると、会場が一気に湧き立つ。

会場には、波のように広がる歓声と、割れるような拍手が巻き起こった。


「おっと、ここで市の警察がクライムファミリー(かれら)を引き取りに来たようです! 警察官の皆さんも、ご苦労様です!」


会場の扉が開くと、ぞろぞろと警察官達が中に入ってきた。ボスのジョセフを始めとした、クライムファミリーのメンバーが次々と連行される。

気絶しているジョセフやヴィクトリア、それから大人しく拘束されているトニーはともかく、鉄の檻に封じているアンソニーはどうやって連れて行くんだ?

と少し心配したが、ちゃんとそこは考えられていた。

警察官は、虫籠のような形をした特殊な拘束道具を取り出すと、鉄の檻に覆いかぶせて捕縛し、アンソニーを回収していた。


警察官はほんの小一時間で、クライムファミリー全員を連行した。


「はい! ここで実践ステージは終了で〜す! ヒーローのみなさん、お疲れ様でした。ステージに戻ってください!」


結局、クライムファミリーを捕まえるだけで実践ステージが終わってしまったな。

まぁ、それでも結構ポイントが稼げたし、良しとしよう。

他のヒーローは構成員(ソルジャー)を倒した後、外に出てヴィランを探していたようだが、残念ながらヴィランを見つけられなかったようだ。


ヒーロー達がステージに帰ってくると、観客からは温かい拍手が送られた。


「それでは、ヒーローの皆さんが揃ったところで、最終結果を発表しましょう!」


ステージに再びスクリーンが現れ、結果が映し出される。

結果は見るまでもなく、俺達がダントツでトップだった。

最終的にヒーローポイントは、俺とソイで合わせて15万ポイント稼いでいた。


「素晴らしい結果となりました! かつて、これ程までにヒーロー達が活躍した回はあったでしょうか? 特にシャドウズのお二人は、番組始まって以来の最高ポイントです! たった一夜でデトロイトを長年支配してきた、あの悪名高きクライムファミリーが潰れるとは、誰が予想できたでしょう? 本日のMVH(最優秀ヒーロー)は勿論、この2人です!」


すると、スポットライトが俺達に当たった。

と同時に、大歓声が湧き起こる。

中には指笛を鳴らして俺達を祝う人もいた。


「では改めて、彼らに今の心境を聞いてみましょう。お二人とも、今のお気持ちをお願いします!」


せっかくマイクが向けられたというのに、気の利いたコメントが思いつかない。

だけど、これだけは言いたい。


「……アメリカ、最高! でござる!」

「アメリカ最高ー!」


ソイも賛同するように、握り拳を上げて叫んだ。

するとなぜか、司会者もガッツポーズで「アメリカ最高!」と叫んだ。

それに呼応するように、観客席からも「アメリカ最高!」と叫ぶ声が響く。

みんなノリがいいな。


「お二人とも、コメントありがとうございます。それでは、早速スカウトタイムを開始しましょう!」


会場の注目は4人の審査員に集まる。


「ではヒーローポイントが高かった順に、聞いていきます。まずはシャドウズの2人から! 彼らをスカウトしたいという審査員は、ブザーを押してください」


すると、さっきまで光の灯っていなかった薄暗い合否マークが、白く灯った。

パフォーマンスタイムの時には心臓に悪い音を出していたブザーだが、今回は俺達を祝うような心地の良い音を出した。


ブザーを押したのは、なんと4人全員だ。


「よしっ!」

「やった! ……でござる!」


俺とソイは感極まって、その場でハイタッチした。


「おぉ! おめでとうシャドウズ! キミ達、選びたい放題だよ!」


ようやく俺達も、この国でヒーローとして働ける。

その今までに味わったことのない高揚感は、全身の血液を沸騰させているかのように熱く、胸の奥から込み上げてきた。


俺達は話し合いの結果、チャンスをくれたフォーゲル社長への感謝も含めて、ネクサスへ所属することに決めた。


その後も、他のヒーロー達のスカウトタイムが続く。フォーゲル社長は中間発表で言っていた通り、全員に対してブザーを押していたので、今回は全員、無事に所属事務所が決まった。


「……以上で、スカウトタイムは終了です! ヒーローの皆さん、全員スカウトされて良かったですね。それでは今回のアメリカズ・ゴット・ヒーローはこれにて終了です。お疲れ様でした」


観客の拍手で見送られながら、番組は終了した。


それを待っていたかのように、突然、俺達の周りに大勢の記者が押し寄せた。


「シャドウズのお二人、驚異の活躍でした! 貴方達の活躍を是非GNNで特集させてください!」

「一夜にしてクライムファミリーを壊滅させた心境は?」

「彼らの情報はどこで入手したのですか?」

「今後のヒーローとしての抱負を教えてください!」

「貴方達は一体、何者なのですか?」

「所属事務所をネクサスに決めた理由は?」


カメラのフラッシュが光を散らし、質問が途切れることなく飛んでくる。俺達は嬉しい悲鳴を上げながら、ひとりずつ受け答えた。


──翌日。

俺達の活躍はアメリカ中のありとあらゆるメディアに取り上げられ、一躍、時の人となった。


俺達は『デトロイトの巨悪を倒したクレイジー忍者』として、アメリカ中に知れ渡った。







────────

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

この物語は今回でひとまずの最終回となります。

(ただ、気が向けば続きを書くかもしれません。その際、読んでくださればとても嬉しいです。)


最後に、評価・いいね・ブクマ等で応援してくださった方、この物語を楽しみにしてくださった方、本当にありがとうございました。

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