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花束を持って、君と  作者: 雲雀ヶ丘高校文芸部
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2話-28

「今日は俺も舞咲もバイトは休みだ。それは事前に伝えておいたな」

「はぁ。先輩、それでそちらの方は」

 十時になったので、強制的に会場を後にする。私たちは時間ギリギリまで作業をして、融雪剤も撒いておいた。これで夕方までにやれることはやったつもりだ。

 伊吹先輩の隣にはすらっとした高身長の、優しい顔立ちの男性が立っていた。顔はかなり整っており芸能人みたいだ。ロングの髪を後ろで縛っており、ミステリアスな印象を受ける。

「今日はこいつと出かけるんだが、一緒にどうだ?」

「いえ、結構です!」

「そうか」

 知らない人といきなり遊べる程私は社交的ではないし、伊吹先輩には悪いが、この恰好良い男性と並んで歩いてたら、周りの視線が気になって楽しめないだろう。

 伊吹先輩と別れて、歩きながら何処に行こうか考える。

 明日、双華と双葉の誕生日だ。その為に二人にプレゼントを買いに行こう!

 一旦家に帰る。父と三華、多華士がいた。

「一華おかえり。ちょうどいい、三華と多華士が喧嘩してばかりでね。よければどちらか一人連れてってくれないかい?」

「いいよ。三華、お姉ちゃんとお買い物に出かけよ」

「わ〜い! お姉ちゃん大好き!!」

「なんで三華なんだよ! 姉ちゃん、俺を連れてってくれよ!」

「ごめんね多華士。今日は女の子同士の秘密のお買い物なの。多華士にもお土産買ってくるからさ。ねっ、お父さん」

 父が財布からお小遣いをくれる。「母さんには内緒だぞ」

「親父。俺たちも外行こうぜ!」多華士が両手をお父さんの肩に乗せて、前後に揺すっている。

「ああ、グローブ持ってこい。すぐ出かけるぞ!」相手が一対一なら、お父さんもやる気がみなぎってくる。男同士で沢山汗を流してきてくださいね。

「お姉ちゃん」

「よし、こちらも出かけよう」


 電車に乗って終点へ。バイト代が入ったので、初任給は家族の為に使うと決めていた。妹二人へのプレゼント、お父さんお母さんへの感謝の気持ち、多華士へはお土産で、三華は一緒にいるからご飯をご馳走しよう。


 《大満足のサービスと品揃えで、あなたの心をノックアウト!!》の売り文句で有名な、ノックアウトビルへ入った。入り口は化粧品やオーダーメイドの靴など高校生のバイト代では手が出せない商品が多かったので、入り口のフロアガイドで目星をつけ、その階を中心に買い物をする事にした。最上階にレストラン街があるので、どうせならと最上階までエレベーターで上がった。

 休日という事もあり、レストラン街は沢山の人で賑わっていた。大食堂にとんでもない行列が出来ていたので、なくなく諦めた。

 三華に何が食べたいか訊くと、和食と返事が返ってきた。和食は中華やイタリアンに比べて列も短かったので、入り口に折り紙が飾られていた和食のお店に入った。三華はお子様ランチ、私はナス田楽のお膳にした。店員さんによると、折り紙はお店の雰囲気に合うと、お客様からいただいたものらしい。

 お店を出てからソフトクリームスタンドで夕張メロンソフトを三華と半分こした。さっぱりした中にメロンの風味が窺えて、非常に美味しかった。上のフロアから順番に見て回って、ちょうど良いプレゼントが見つかったので、デザイン違いで買った。前は服も何も色違いで同じデザインの二人だったが、そろそろ変えたい年頃だろう。どちらも印象的だったので、もし見立てと反対なら、本人同士で交換してもらおう。

 時間もあまりないので、多華士へのお土産を急いで選び、始発で座りながら電車に揺られて帰る。

 途中にある大きな駅で、電車が止まる。沢山の乗客が降りて、扉がしまった。三華が声を上げたときはその時だった。

「お姉ちゃん、陽翔君と双華ちゃんがいるっ!!!」

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