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花束を持って、君と  作者: 雲雀ヶ丘高校文芸部
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1話-21

 帰り道、私とチョコはそれぞれ考えたことを話し合った。

「羽月さん、先程の話どう思います?」

「真央でいいよ。私もチョコって呼ぶね。

 アスレチックは障害物競走ではないと思う」

「ありがとうございます。わたしも障害物競走はああいうものでは……じゃなくてですね。私陸上部なんですけど、陸上部って今部員数少ないんですよ」

「そうなの? 何人?」

「十人です」チョコは両の掌を私に向けた。

「十人!? いくらなんでも少なすぎでしょ」

「そうなんですよ。なので、真央さんには下克上なく入部し(はいっ)てもらいたいんですよ。部員数の少なさは切実な悩みなんです。」

「そうだよねぇ〜。私もまさかこんなに部活動に制限のある学校だなんて知りもしなかったよ」

「あの説明を聞いてしまうとどうしても納得しがちですが、弱小部には辛いです」

「弱小部って? まだまだ他にも部活があるんでしょ?」

「ないですよ。私のいる陸上部が最底辺で、その下は同好会ですが、活動を認められていません」

「ええっ!? ならみんなどうしてるの?」

「活動の度に申請書書いて、空き教室で細々とやるんですよ。毎回教室も違うし、残ってる生徒もいる中で端っこ使って活動するんですよ」

 神は慈悲さえ与えてくれないのだろうか。とすると、今回の勝負に負けたら、私は学外での活動か、毎回申請書を書いてピロティーをダッシュする事になりそうだ。

「チョコは手を抜いてくれるの?」

「流石にそんな事は出来ませんよ。ズルして私も退部になったら目も当てられませんし、私個人として、真央さんの実力がどれほどのものか期待してますしね。」

 そういってくれると、私の方もやる気が出てきた。流れでこうなってしまったが、十二支に選ばれたからにはチョコは強敵、倒し甲斐のある相手の筈だ。

 それから話はまた生徒会への愚痴に戻った。話してる内にチョコの口からある台詞が溢れた。

「陸上部があるのに、あの人は二年間何してたんだか」

「なんかあったの?」あの人って誰だろう。

「いえ、こちらの事です。互いにいい結果を出しましょう」あの人についてもう少しききたかったが、無理にきいても口を閉じるだけだろう。それ以上はきけなかった。

 お互い頑張ろうと私たちは握手して、教室に戻った。


「お帰り真央〜」絵茉が抱きついてきた。「いじめられなかった? ねぇ、いじめられてなかった?」頭はぐしゃぐしゃにされ、結構強く抱きしめられ身動きが取れない。

「ストップ、ストップ〜。絵茉、何にもなかったよ。説明されただけ。いじめられてないよ」力の緩んだ一瞬の隙を見逃さず、絵茉の怪力を振り払った。

 私は会議室であったことをかいつまんで話した。ついでに次の休み時間でチョコを呼んで、二人に説明をした。

「そっかぁ〜。あたし、上原絵茉。気楽に絵茉って呼んでね。これからよろしくね、チョコちゃん!」

「はい、絵茉さんよろしくお願いします」絵茉とチョコは早速仲良くなった。大和とも挨拶を交わし、勝負の日には二人とも観にきてくれる事になった。

「さて、後はあいつだな」大和の云ってるあいつとは、修弥の事だ。今までの事に関して、修弥はどれくらい話してくれるのだろうか。

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