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第1部 君の確かな言葉

こんばんは。

お久しぶりですね。

最近は忙しく投稿が遅くなっています。気長に待ってください。さて、今回は少しだけ長めの作品です。

派手な出来事はありません。

ただ、ある一言にたどり着くまでの話です。

読んでいただけたら嬉しいです。

そんなことを考えながら書きました。

少しでも何か感じてもらえたら嬉しいです。

私にとって家はストレスの塊だった。

要領が悪かった。

勉強も。

運動も。

人付き合いも。

何もかも中途半端だった。

「また失敗したの?」

母が笑う。

父がため息をつく。

兄が馬鹿にする。

最初は傷ついていた。

でも。

何度も繰り返されるうちに。

慣れた。

慣れたはずだった。

部屋に戻る。

ベッドへ倒れる。

天井を見る。

ふと思う。

消えたいな。

別に死にたいわけじゃない。

ただ。

ここからいなくなりたかった。

学校も好きじゃなかった。

友達はいた。

話し相手もいた。

でも。

家へ帰れば全部消える。

だから放課後は嫌いだった。

その日も。

私は教室に残っていた。

帰りたくなかったから。

窓の外を見る。

夕日。

オレンジ色の空。

そして。

そこに君がいた。

教室の隅。

一人で座っていた。

「帰らないの?」

私が聞く。

君は少しだけ考えて。

答えた。

「帰りたくない」

私は笑った。

「奇遇だね」

君も少しだけ笑った。

それが始まりだった。

それから。

時々話すようになった。

大した話じゃない。

先生の愚痴。

テストの愚痴。

天気の話。

でも。

不思議と居心地が良かった。

ある日。

私は聞いた。

「なんで帰りたくないの?」

君は黙った。

聞いちゃいけなかったかな。

そう思った時。

「家が嫌いだから」

君は言った。

私は何も言えなかった。

だって。

私と同じだったから。

「そっか」

それしか言えなかった。

君は少し笑った。

「そっちも?」

私は頷いた。

それだけだった。

でも。

その日から。

少しずつ話すようになった。

家のこと。

親のこと。

嫌だったこと。

誰にも言えなかったこと。

君は聞いてくれた。

私は聞いた。

それだけで。

少しだけ楽になった。

時間は過ぎる。

ある日。

私は家で失敗した。

また怒られた。

また笑われた。

また。

いつも通りだった。

でも。

その日は少し違った。

限界だった。

部屋に閉じこもる。

震える手で。

スマホを開く。

君からメッセージが届いていた。

『今日も生きてる?』

『うん』

『ならよかった』

短い文章。

でも。

涙が出た。

初めてだった。

心配されたのは。

次の日。

放課後。

私は泣いていた。

理由は分からない。

ただ。

止まらなかった。

君は何も聞かなかった。

隣に座っていた。

しばらくして。

君が口を開く。

「ねぇ」

私は顔を上げる。

君は窓の外を見ていた。

夕日が差している。

静かな教室。

君は言った。

「逃げよう」

私は固まった。

冗談だと思った。

でも。

君は笑っていなかった。

「逃げよう」

もう一度。

同じ言葉。

その言葉は。

今まで聞いたどんな慰めよりも。

優しかった。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

この作品は第一部です。

私自身、「逃げる」という言葉は悪いものではないと思っています。

無理をして壊れてしまうくらいなら、逃げてもいい。

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