冒険者
結論から言って、意外と売れた。
「結構お金になったねぇ」
「質が良いらしいからな」
じゃら、と巾着袋の中の貨幣を鳴らす。
幾らかの生活物資をいくつかの店に持ち込んだ。物々交換が未だ一般的なこの時代、持ち込みも許されるんじゃないか...そんなリリムの思い付きだったが、少量ではあるが意外とうまく行った。
総額、銀貨17つと銅貨6つ。
「あーっと、貨幣価値ってどんなもんだ?」
「わかんない!」
この莫迦は放っておこう。お前どの面下げて「結構お金になったねぇ」とか言ってたんだ。
一応ざっと観察した限り、ライムギパンらしきものが銅貨1つで3つ買える。みすぼらしい印象のある宿屋が一泊銅貨5。大体一ヵ月ちょっとの宿泊費となるとそこそこかもしれない。
その看板に書いてあることから見るに銅貨10で銀貨1つ。銀貨の取引では鉄剣が銀貨2。鎧は革のやつが銀貨5。金属製の全身鎧ともなると銀貨が100は必要の様だ。
それ以上ともなると金貨が登場する。恐らくは銀貨が100で金貨か。
「んー、細かい数は違うけど、ペンスとかシリング、ポンドと近い価値なのかな...」
「知らん単位だな」
「私も適当に言っただけ」
まあそうだろうな。
経済学はぶっちゃけ苦手の部類。
そう言うモノと受け取っておくしかなさそうだ。
「服を買いに行こう。俺のこれも一張羅だし...何よりいつまでも魔術で誤魔化しておくわけにもいかん」
通行人に道を聞き、俺達は服屋に入った。
そして、後悔した。
「あらぁ、いいオトコじゃなぁい」
端的に言おう。
服飾店に漢女とか使い古されたネタが存在するのかここは!!
「(あの人正真正銘女性みたいだよ)」
えっまじ?
訂正。超絶マッスルの。それはもう身長が高い方の俺を完全に見下ろし、肩幅は倍はありそうな。
柔らかく脂肪がついてあるべきの胸部は鋼鉄が如く頑強で、細腕などとはまかり間違っても...天地がひっくり返っても言えそうにない剛腕を持った...。
ツインテールの、女性だった。
余計にやべえ。
恰好はかなり薄着。恐らくは鎧の下に着るそれをそのまま着込んだだけといった印象。多少厚手ではあるが全身タイツに近い。
が、エロティシズムは微塵も感じない。確かによく考えれば全く股間の盛り上がりがないが。その程度だ。
そう。それは正に威容。巌が如き断崖。顕現した筋肉。
正直圧倒されていた。
「ああ、もしかして街の外から来たの?私に驚くってことは噂も知らないのよね?」
噂されるタイプか。...噂されない訳もないか。そりゃ。
「ま、まあ、な」
するり、と。その威容に比して異常なまでに静かに、彼女が迫り来る。むわっと薫る熱気。女の匂いではない。それは正に力の匂い。血を炙る熱量。熱血を絵に描いたようなオーラ。
誘うに胸を這う指に、しかし俺は恐怖しか感じない。
「この大発生の時期に、ねぇ。...ああ、ごめんなさいね。こう、昔やんちゃしてた代償よ。この筋肉は」
代償とかいうレベルじゃねぇと思うんだが。
「まあはしたない自覚はあるんだけどね。肉体美に魅せられたのが運の尽き...かな」
ああ。戦士じゃなくて芸術家か。いや戦闘力はありそうだが、性質として。
ビビっていた心が少し落ち着く。
意外と好きななんだよね。ボディビル視るの。
「ツインテールはやめた方が良いんじゃないか?」
「知り合いの娘ちゃんがしてくれてね。似合ってないとは思ってるわ」
それは仕方がない。
「....あら、こういったのには理解があるのね?」
居住いを正した俺に、マッチョウーマンが意外そうに声を掛ける。
「ま、筋肉も一つのファッションだろ。荒くれならちょっと引くけど...美しさは常に理知的な物だろう?」
言うと、彼女はふっとニヒルに笑った。
「狂気から生まれる美もあるとは思うけれどね。...私の”憧れ”はそうじゃない」
「憧れ?」
「あれは完成された肉体美よ。私の様に見せかけじゃない。全てが完成された存在。それでいて、老いない。...求道者を次々生まれさせるのも納得だわ」
「...なるほど?」
ちらりと横を見ると、リリムが小さく首を傾げた後に頷いた。...多分そうかも、ってところか。エルフとやらか、まあ長命種が関わってそうだな。
「ああ。名乗るのが遅れたわね。私はサリー。ここ、サリー洋服店の店長兼洋裁師」
「アッシュだ。宜しく」
「リリムだよ~」
二人で軽く名乗る。
「ま、そんな無駄話は置いておいて。服をお求めかしら」
「ああ。どうにもこいつが一張羅の状態でな。コイツもそうだ。これで買えるだけ頼んで良いか?」
じゃり、と銀貨10枚を投げ寄越す。
「えっと、10ヘルクね」
「ヘルク?」
「ああ。農民とかには一般的じゃないわよね。銀貨の事よ。銅貨がボー、銀貨がヘルク、金貨がガリン」
ボーでヘルクでガリンね。おーけー。
「10ヘルクで数重視...最低3セットずつは欲しいかしら。そうなると...」
そう言うとサリーは店の奥に引っ込んでいった。
「...なあ、お前、この店の中では大丈夫なのか?」
「顔は覚えられちゃったと思うけど、こんだけ洋服があると服装の印象は溶けちゃうよ」
ああ、なるほど。躊躇なく入ったのはそう言うことか。
「ちょっと、ウチでは安物の部類になっちゃうわね」
ぽす、と案内されたカウンターに置かれたのは三セットづつの服。
「...採寸は?」
「私くらいになるとね。ある程度の寸法は見ただけで判るの。...ま、この価格帯だと基本はフリーサイズってのもあるけど」
ふむ。びろっと広げると...意外と悪く無い。男物の方は今着ているのと似たようなデザインのチュニックとズボン。造りは荒いものの、しっかりと縫われている。
女物の方はもう少し繊細だ。ワンピース系。だが荒さは似たようなもの。それから幾らかリネンで造られた男女両方の下着類。
ザ・平民って感じだな。
「試着の必要はないと思うわ」
「んじゃそれで」
「まいどあり。あ、少しお金余ったけど、コレオマケで付けてあげようか?」
ほいっと手渡されたのは小さめの財布だった。
「巾着でお金管理するの大変でしょ?」
「...有難く貰っておくよ」
多分これ含めると金額をオーバーするのだろうが。ここは厚意に甘えておこう。
礼を言って店を出る。
隠れてリリムの着替えを済ませ、もう一度市場へと歩き出た。
「さてと、次は...」
「冒険者ギルドに行っておこう?」
リリムの提案に頷いた。こういうのはさっさと済ませるに限る。
...あ、サリーに道聞いとけばよかったな。
結論から言うと迷うという程でもなく、それらしい建物に辿り着いた。
冒険者ギルドとでかでかと書かれた看板のかかった...古ぼけた建物。ところどころ補修の跡があるが、密度の高い木材で造られているようで、堅牢な印象を与える。
「たのもー」
がちゃりと扉を開くと、何となく荒くれっぽい連中の視線がこちらに向く。
「...兄ちゃん...に、奇麗なねーちゃん、こんな時期に何の用だ?暫く依頼は受けないって通達があったはずだぜ」
その一人、禿頭の男が話しかけてくる。一瞬でれっとした顔をしたのは...見逃しておいてやろう。神様だけに世間知らずなお嬢様も気付いてなさそうだし。
「ああいや、なろうと思ってね」
答えると、ゆっくりと表情が疑念に変わっていく。
「兄ちゃんよ、そいつは余計に”なんだってこんな時に”だぜ。オークの大発生は知ってるだろ?」
「オークってのはよく知らんが...一応狂い犬二匹を一撃で倒せるが」
「いや、モンキードッグはしょせんI級だし...いや、二匹を一撃か」
うむむと男は考え込んでしまう。
「...まあいい。どのみち俺にゃ止める権利はねえんだ。受付の嬢ちゃんに願い出な」
「ああ。有難う」
礼を言ってカウンターへと進む。
意外と悪い男...というか雰囲気ではなさそうだな。
「ようこそ、レオリム-オルディナ冒険者ギルド、イーリン支部へ!」
そう言えば俺が今いる国...オルディナ騎士国はレオリム王国とやらの属国とか言っていた。成程二か国に跨ったギルドなのか。
可愛らしい、ちんまりとした雰囲気の少女がはきはきと冒険者の紹介を始める。
ギルドの制服であろう。粗製だが少し現代的な雰囲気のシャツが、どこかコスプレ染みた印象を持つ。茶髪で、もこもことした印象を受ける。何より...頭部に生えた犬の耳。成程コレが獣人と言う奴か。カウンターで見えないが、尻尾も生えて居たりするのだろうか。
「あたしはここの受付嬢のヤンです!冒険者になりたい、という語用事で宜しいですか?」
元気な少女だ。まあ顔付きからして快活そうだし、違和感はないか。
「ああ、こいつと二人で頼む」
にこ、と笑うリリム。...お前、なんか静かだな?性格上こういう時は積極的に喋りに行きそうなモノなのに。
...よーーーく見ると指先が震えていやがる。
お前、もしかしなくても人見知りか!!!ええいこのヒキニートめ!
...とやかく言っても仕方が無かろう。下手すりゃ万年顔ぶれが変わらないであろう天界と地上じゃ勝手が違うのかも知れんし。
「でも...大丈夫ですか?」
「ん?」
一転、おずおずとした雰囲気でヤンが尋ねる。
「オークですよ。今のところ人里に向かっているという情報はないですけど、もし来ちゃったら...もしかしたら戦場に立たなきゃいけなくなるかもしれません」
「ああ...まあ、大丈夫だろ」
俺、死なないし。
何となく可哀そうな目...世間知らずの田舎者を見る目をされる。
仕様がないがちょっと不本意だぞオイ。
「まあ、いいでしょ。どっちにしろ零級冒険者が駆り出されるのは最後の手段ですし...」
そう言いつつ、ヤンはカウンター下に引っ込む。
しばらくガサゴソした後、重そうに何らかの機械を引っ張り出した。
「ふう。やたら重いのだけは何とかなりませんかねー」
彫刻機と刻印機と卓上ドリルを混ぜ込んで無理に押し出した様なゴチャついた機械である。どう見ても鋳鉄製だしそりゃ重かろう。
汗を拭いて、ヤンはカウンターに備え付けられた箱から二枚、金属製のカードを取り出す。オリーブの葉らしき飾りが施された銀色のカードだ。
「ええと、これがギルドに所属していることを示す”ギルドカード”です。魔力波刻印で個人識別されるので偽造はムリですよ」
魔力波刻印!?マジか、街門の悪人発見器と言い、この世界、魔術に関しては結構進んでいるのかもしれないな...。
魔力波は現世でも個人識別に利用されていた。指紋なんかより確実だからな。ATMとか皆コレだった。魔力波刻印はその波形をカードなどに刻み付ける技術だ。運転免許証なんかにも魔力波刻印がされていたりする。プラスで組織ごとの固有波を追加したりするので偽造はほぼ不可能だ。
こっちも...ああ、そうらしいな。機械そのものには無駄が多いっぽいが、ちゃんと固有波を追加するためのプレートが組み込まれている。
「あ、名前を教えてください。文字は書けますか?」
すい、と差し出される羽ペンと紙。お、粗いけど植物紙だ。こういうの、羊皮紙じゃないのか。
版画らしき印刷で、名前欄と年齢、出身を書く欄がある。苗字を書き込む欄がないのは一般的じゃないからだろう。
さらさらと名前を書く。羽ペンとか初めて使うが、意外と書けるな。
年齢は...どうしよう。本来の年齢を書くわけにもいかんか。こっちの平均寿命がどうかは知らんが下手すりゃ爺扱いでもおかしくない。それに出身地もヤバいな。
「あー...」
「年齢と出身地は任意で大丈夫ですよ。わからない人も多いですし、開拓村出身とかだと村に名前が無かったりしますし」
助かった。とりあえず空欄にしておいて手渡す。
すると刻印機の方に名前の活字らしきモノを配置していく。
印刷技術も存在するらしい。なんだっけ、機械文明三大発明とか言うのに含まれてなかったか、印刷。
現代の歴史だともっと遅れて開発されていたような気がするが。
その辺は個体差か。
「よしおっけ。次はここに左の手首を置いてくださいね~そうですそうです。...慣れてます?」
適当に苦笑いして誤魔化す。慣れてるなんてレベルじゃないし。
「あ、それといくつか、個人の”資質”を測定してくれます。ちょっと時間がかかりますケド。大体それで本人の階級が決定します。ただし、初めは幾ら高くてもI級から始まります。言ってい以下なら零級、見習いからです。冒険者そのものとか、ランクの説明は必要ですか?」
聞いておいて損はなさそうなので頷いておく。
「りょうかいです。まず冒険者は”何でも屋”です。魔物討伐専門だと思ってる方が意外といるんですけどね」
思ってました。
「ぶっちゃけちゃんと報酬を払ってもらえるならどんな人でも、どんな依頼でもウチは受け付けます。あ、法に違反してるヤツは受けないですケド。売り文句は”おばあちゃんの肩たたきから、ドラゴンの討伐まで”です。冒険者は好きな依頼を受けて、依頼料を受け取るんですね。ギルドはその仲介をする組織です。直接依頼を受けるのも止めませんけど...違法だったりぼったくりが起きてもギルドは知らないよ、という訳です」
なるほどなるほど。
まあ仲介屋というのはイメージ通りか。
「で、ランクと言うのは...基本的には強さの基準ですね。零から始まって、I,II,III,IV,V,VI...みたいな感じで強くなるほど数字が増えていきます。ランクを上げるには試験がある感じです。資質の測定だけだと強さが確定しませんから」
ま、妥当だな。資質の測定...がリリムのいっていたアレだろうし。強さにはそういったステータスだけじゃなく、技量なんかも関わってくるわけだし。
「あ、あと信頼できるかどうかも関わります。III級までは試験さえ突破出来れば大丈夫ですけど、それより上は素行とか依頼の成功率が関わってきます。なので最低三ヵ月くらいは次の試験までかかりますね」
それも妥当だな。
「よいしょ。完了です。...えっと、見てもらって...え?」
何かあっただろうか。完成したらしきギルドカードを覗き込んでヤンが固まった。
「うわったっか。...え?今までどこに隠れてたんですか貴方」
...?
「元単なる一般人だが」
「嘘つけぇ」
半眼で睨まれる。
「悪人識別も入ってるからヤバい人じゃない...ええ、YAMA育ちの武闘家かなにか...?」
ブツブツと悩み始めるヤンに、俺は少し呆れ顔を向ける。
「ええと、話を進めてもらっていいか...?」
「あ、はい。どうぞ見てください」
手渡されたカードを見る。
洒落た字体で書かれた俺の名前。刻まれた”I級”の文字。
そして資質と書かれた欄に、いくつかの文字と数字が並ぶ。
「ええと、資質には頑強、筋力、敏捷、魔攻、魔力、精神の六つがあります。前半三つが物理系で、後半が魔術系ですね。で、ええと...」
目をカードに落とす。ふむ。
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アステリオス 冒険者ランクI級
頑強: IX級+
筋力: III級
敏捷: II級++
魔攻: V級+
魔力: VII級+
精神: XX級+++
平均: VII級++
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「...強いのか、これは?」
聞くと、ヤンは分かり易く呆れ顔をした。
「ヤバいです。魔術系に寄りまくってますけど、結構満遍なくステータスがありますね。あ、プラス表記は一時的にもっと上のランクが出せる...分かり辛いので、多い方がそのランク内で上位のステータスを持ってるって認識でおーけーです。」
ふむ。
「簡単に言うとスゴイ打たれ強い魔術師ですね~。っていうか、VITもそうですけど、MNDがこれだけ高いとなると魔術効かないんじゃ?見たことないどころか新記録級ですよ、これ」
そりゃ死なないしな。いや、死んでるのか。
まあそれにしては頑強が低い気がするが。体が破壊されるか否かなのだろうか。
「ああ、まあ、頑丈な体質でね」
「体質で済まされますかねこれ。呪いでもかかってるんじゃないかってレベルですけど」
当たらずとも遠からずだな...。
「STRとVITも基本は困らないと思いますよ。それこそオークだったら複数に囲まれなければどうとでもなると思います」
ほう。
「あ、お連れさんの方やる前に魔物のランクについても説明しちゃいますね」
そう言って、カウンター下から紙を取り出して広げる。
「大体冒険者のランクと同じです。というか、そのランクの冒険者ならおおむね対抗できる、というのが基準です。討伐依頼は自分の冒険者ランク+2までは受けられます。...ああ、自分が対抗できるかを考えるときは、自分のステータスの平均で考えると分かり易いです」
だから平均表記が実装されてるのか...。大体VII級までは対抗できる、と。
「ええと、次はお連れ様を」
「ああ、はいはい」
リリムを前に押し出す。
似たような説明を押し黙ったままうんうんと頷いて進めるのをぼーっと眺めつつ思考する。
オーク...ね。
強さがどんなものかは知らないが、さっきのヤンのセリフ的にII級からIII級と言ったところか。...わりと何とかなるんじゃなかろうか?
何しろ、STRやVIT評価は十中八九”魔術抜き”だ。今の俺は”抜け道”も知っているし...。
「うえっ!?」
ヤンの驚愕の声が再び響く。どうもリリムが何かやらかしたらしい。
どうもやはりそれが原因らしきリリムのギルドカードを覗くと。
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アシュリリム 冒険者ランクI級
頑強: V級++
筋力: V級++
敏捷: V級++
魔攻: V級++
魔力: V級++
精神: V級++
平均: V級++
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...全部一緒じゃないか。
「こんな満遍ないステータス初めてです...ほんとにどこにいたんですか二人とも...」
あははと適当に笑って誤魔化す。
「...まあ冒険者のプライベートに首を突っ込んでも碌なことにならないことはよ~く知ってるので、そこは良いです。でも、V級とVII級相当のコンビとなると、なにかしら指名が入るかもしれません」
ほう?
「指名依頼。ま、その名前の通りです。冒険者情報には実際のランクしか載りませんが、ギルド側には平均値の情報までは載るので」
それは個人情報を勝手に抜き取ってることにならないか?...その辺の情報倫理はまだ未発達と言うことだろうが。
「ランクが下位だろうが指名依頼の場合は上位ランクの討伐にも駆り出すことが可能です。実質ランクに合った依頼が出されることが多いですね」
...大体、これからの流れが掴めた気がするな。
そう思った時と、ギルドの扉を大慌てで開け放つ音が響き渡ったのは同時だった。




