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守旧派は金で殺す、攘夷派は理で殺す。――幕末に転生した効率厨サラリーマン、内戦はコスパが悪いので和算と裏金で歴史を書き換える  作者: 関沢賢吉


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 散財がひどい。江戸の蕃書調所作る時より、横浜の洋書調所の時より、明らかに多額の金が動いてる。アホみたいにいろんな開発を急ピッチで進めてる。琉球から帰ってきた人たちに色々聞かれた。遊びに付き合ってたら急に開発が始まってるなんて、そりゃ驚くよね。各国公使にきちんと説明した。「国交結んだ国を攻めるわけないじゃん、ただ今後どんな思惑で来るかわからない、それ以外の国から自衛するためだよ」って。後から気付いたけど、地形的に公使館が人質化してるようにも見えちゃう。引かれて当然だった。ごめんね。


 賭けの精算をしながら遊びに付き合ってくれた理由聞いたら、どこの国でも多かれ少なかれ同じようなことをやるみたい。そりゃ面白がるわ。軍ってスパルタだ。「軍って怖いね」って友さんに同意を求めたら、「お前の方がよっぽど恐ろしい」って言われた。「海を知らんヤツらの性根を叩き直すためだけに琉球まで行かす方がイカれてる」だって。あれ?


 杉先生によると、高杉さんも西さんもだいぶ大人しくなったみたい。迷子にならずに帰って来れた理由の一端に、いろんな国の船が見え隠れしながら先導してくれたことに加え、友さんのスパルタ操船指導のおかげで、船長を名乗り出た2人を隅に追いやって乗組員の力で航海してきたらしい。友さんも十分厳しいよ。


 しっかし勝様と言い、OK出した幕府と言い、軍隊は金が掛かるって分かってんのかね。ま、俺には関係ないし、溜め込んでる金も無関係。こんなことで使うために溜め込んでるんじゃない。あっ、俺の構想の鉄道も、江戸から横浜経由の横須賀行きにすれば通っちゃうかもしれない。打診してみよ。





 条件付きで通っちゃった。財布緩すぎ。当然、実験や試作の金も。条件2つ。海軍の軍港の案と教育カリキュラムを作れ。めんどくせー。鉄道の話したら調所のテンション上がっちゃってるし、しょうがない。やるか。軍港案は各国からコンペ、カリキュラムはパクリとアレンジだ。


 各国の海軍学校のカリキュラムを聞いてたら、正直驚いた。体系化されてて多岐に渡って。そして横浜にいる外国人、忘れてたけど自国ではエリートだった。普段の「ワイン飲みたい、チーズ欲しい、生魚怖い、パンが恋しい」の要望叶えろって愚痴聞いてばっかりだったから忘れてた。ついでに「教科書ないの?」って聞いたら、大半の人から「あんなもん見たくもない。なんでそんなもん欲しがるんだ?専門書持ってきてるだろ?」って。いつでもどこでも教科書ってそんな扱いなのね。懐かしい。でも賢いエリートの中にはやっぱり変人がいて、ごく数人持ってる人が出てきた。ありがたく買い取らせて貰おうとしたら、数独を個人用として所望された。物々交換成立。


 そしてカリキュラム聞いてたら、その中で引っ掛かることが。ディベートとディスカッション。教える必要はある。まだまだ吠えるのが当たり前だと思ってる世の中で、身につけるべきスキル。調所の人員割かずにこれ教えれるのって、一人しかいない。どうしよう。必要悪として飲み込むべきか。俺が耐えれば効率は上がる。


 あとは別の問題が出てきた。調所の学校と海軍学校、半分以上教えることが重なる。これはこれで効率悪い。杉先生に相談したら、「ここは人が減るんだし、一緒に教えれば良い。天才の相手しんどすぎる。生徒多い方がデータは溜まる」。


 はい決定。発展的解消からの合併。優秀以上を集めた学校を作り、その中で天才を調所が引っこ抜くシステムの完成。杉先生が「アイツ使えそう」って判断した人だけ引っこ抜く、合理的な人材発掘システムが完成。図らずも高等教育施設が設立できてしまった。


 教員の数が足りない。仕方ない。召喚してもらうか。ついでに実際にどうやってたのかは知らんが、ディベートを叩き込んでもらおう。横須賀の学校が出来上がるまでは江戸の学校を使わせてあげて、横須賀に学校と基地とドックが完成したら移転。使わせてあげるんだから、賃料は当然いただきますよ。教科書を使わせてあげるんだから、その分もキッチリと。全ては調所の財産。


 勝様に進捗と決定事項の報告。報連相は大事ですからね。春にはスタートしたい。もう時間がない。すでに梅が咲いている。


 「勝様、人が足りません。仕方がないので不本意ですが、佐久間氏を使いましょう。でも普通に誘ったら最後、我が物顔するので、それをさせないように抑える策を考えて下さい」


 「佐久間?アイツは今、幕命で京都におるぞ。行かせたばかりだ」


 「別に呼び戻したら良いじゃないですか。どうせ京都で何かしようとも、公家にのらりくらりとかわされて、何もできませんよ。誰が行ったって同じです。対公家なんて。それよりもあの人は、弁論を叩き込むことに関しては、悔しいですが実績があります。使えるものは使いましょう」


 「だがそうすると、横浜をちょろちょろしかねんだろ」


 「だからそれは、勝様が何とかしてください。そこは勝様から与えられた指示にはありませんので。適材適所の配置をせずに、海軍と調所の邪魔をするなど、初渡米をさせた艦長ともあろうお人が、するわけないですよね」


 「うむ、任せとけ」




 友さんは海、勝様は艦長。あとは内田様と箕作様のウィークポイントを探りたいけど、あの2人はなかなか無さそうなんだよな。

 


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