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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
6章 最悪と最善の狭間の結末

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第12話 夢の中

「怜さんご飯温めたからこっちおいで~、酒飲み連中は放っていいからね~」


 手招きされて別室についていくと、居間にたどり着いたテーブルの上にはご飯に味噌汁と大根のお漬物が並んでいた。


「ごめんね~、みんながね食欲があまりないっていうからご飯とお味噌汁だけなんだよ~」


「いえ、ありがとうございます、おつまみも食べましたので十分です、いただきます」


 朝食を食べて以来のまともな食事だ、お味噌汁が胃に沁みる、漬物とご飯を一緒に食べお味噌汁を飲む、にこにこ顔の茜さんに見つめられながら食事を終える。


「ごちそうさまでした、美味しかったです」


「お粗末様です、食器は片付けるからお茶でもどうぞ」


「ありがとうございます、お願いします」


 茜さんは食器を回収して洗い場へ向かうのを見ながらお茶を頂く、自然と口から「ふぅ」とため息がでた。茜さんが戻ってきて向かい合うように座り二人してお茶を飲む。


「あの茜さん、私が寝ちゃった後ってどうなったのか教えてもらえますか?」


「いいよ~、そうだね~怜さんと同じように限界だったみたいで桜さんと楓さんと星来さんが部屋に入った所で寝ちゃってたよ~、タオルで汗を拭いたり着替えは朱天さんと詩織ちゃんが中心になってしてもらったのよ~」


「そうなんですね、織ねぇにはお礼言っておきますね」


「着替えを漁るのはどうかなという事で家にあった浴衣をきてもらってるのよ~、男の人は関わってないから安心していいよ~」


「あはは、それはなんというかお手間かけたようですみません」


「いいのよ~、みなさんのお陰で村にも人にも被害なくすみましたからね~」


 その後も色々お話していたがお腹が膨れたお陰で眠くなってきたのでお開きにしてもらう事に。


「酒飲みは放っておいてそろそろ寝ましょうか」


「そうね~、後はお祖父ちゃんにお願いして寝ちゃいましょ~」


 一度酒飲み部屋に声をかけてから部屋に戻り、洗顔と歯磨きを済ませて再び眠ることにした、あーお風呂入り逃したけど明日朝一で入らせてもらうかな、その前に共同浴場掃除してからになりそうだけどまあ良いか。


 布団に入りうつらうつらと考え事をしていると眠りに落ちた。



 これは夢だ、眼の前には織ねぇと紅姫くれないのひめがいる。丸いテーブルの対面に座りお茶を飲んでいるようだ。


「やっと来よったか、待っておったぞ」


「怜ちゃんいらっしゃい」


 とりあえず空いている場所に座ると目の前にお茶の入った湯呑が現れた、まあ夢だからこういうのもありか。


「それでこれはどういう状況なんですか?」


 湯呑を取ろうとして右手を上げた所で石榴の実を持っていることに気がついた、それをテーブルにおいて、湯呑をとりお茶をすする、うわっこれ美味しいわ。


「まあ少し待て、もう一人呼んでおる本当は幻夜を呼びたかったのじゃが、酒盛りをしてて呼べぬようでの、それにしても結局その実は使わなかったのじゃの」


 実を使う? どういうことだ? 夢から覚めたら持っていなかったから使いようがない気がするけど。


「ふむ、その様子じゃと使い方がわからなんだか、それならそれで良いその実はそのままお主が持って居れば良いわ」


「えっと、その、この石榴の実って一体何なんですか? 使い方がわからないのに持っていても仕方ない気がするのですけど」


「それもそうじゃの、それはの───、おっと来たようじゃの」


 説明をしてくれようとしたタイミングで待ち人が来たようだ、なんとなくわかっていたけど来たのは茜さんだった。


「あら~、紅姫に詩織ちゃんと怜さん、3人お揃いでどうしたのですか~」


「待っておったぞ茜、まずはそこの空いている所に座れ」


「は~い、おじゃましますね~」


 空いている場所に座り早速お茶を飲み始める、なんだか慣れているように見える。


「さて、まずは礼を言っておこうかの、比売神の娘怜よ此度は我が里と我が子らを守って貰った事、心からの感謝を」


「あ、その、私だけではないですから、それに織ねぇが助かったのは運が良かったとしか……」


「いや此度のことはお主がおらねば里は滅んでおった」


「そうなのですか?」


「そうじゃよ、それに詩織が助かったのもお主が居ればこそじゃ、千手姫を初めアヤカシの楔の浄化もそうじゃが、お主の作ったお守りがなければ詩織は即しじゃったからの」


「あははは、あれはホント危なかったね、怜ちゃんのお守りがなかったら首が飛んでただろうからね、お守りのお陰で助かったんだよね、怜ちゃんありがとうね」


「えっ、そんな状態だったの!」


「そうなんだよ、ギリギリでお守りの結界が発動して女郎蜘蛛の糸がね滑ってああなったんだよね」


 そう言って織ねぇは懐からお守りを取り出してテーブルに置いた、原型がわからないくらいズタズタのボロボロになっている。


「まあそういう事じゃ、そもそもお主達がおらねばわしとて無事ではなかったのでな」


 そこまで言われて否定する必要もないのでわかりましたと頷いておいた、それとちゃんとお守りが役に立ったようなのでもう一回作ろうと想った。



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