↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
6章 最悪と最善の狭間の結末

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/131

第11話 決着

 結界が破れた影響もあり、ギリギリに保っていた神気がすっからかんでしばらく結界を張れそうにない、そんななか襲い来る赤い糸にそれぞれが対処し始めた。まず一番外側にいた 迦陵《カリュウ》が4本の腕で糸を掴み何本かは止めた、肩に乗る黒狐姫も尻尾を刃物に変え糸を防ぐ。千手姫は何本もの手を出現させいくつもの手を犠牲にしながら逸らすことに成功したようだ。


 俺たちを囲むように立っていた朱天とお祖父ちゃんと幻夜さんは数本の糸を殴りそらすことに成功している。桜さん楓、刀矢くんに茜さんもそれぞれの武器で糸を弾き飛ばす。


「シネーーー」


 糸に対処する人達の隙間を縫うように女郎蜘蛛が俺に向かい飛び込んでくる、俺はとっさに織ねぇを守るように覆いかぶさろうとしたがそれを邪魔された。邪魔したのはいつの間にか目を開けていた織ねぇだった。そして織ねぇは流れるような動きで立ち上がると眼の前に迫っていた女郎蜘蛛を蹴り飛ばしていた。


「怜ちゃんおはよう」


「織ねぇ目を覚ましたんだね、よかった」


 俺は自然と織ねぇに抱きついて涙を流していた、織ねぇはそんな俺の背中をとんとんとなんどか撫でてくれた。


「心配かけたようだね、怜ちゃんありがとうね」


 そう言って俺を立ち上がらせて女郎蜘蛛の飛んでいった方に視線を向ける。いつの間にか糸での攻撃は止まっていたようだ。みんな女郎蜘蛛に視線を向け武器を構えている。


「クヤシヤ、アトイッテ、タラナンダカ……」


 こちらに視線を向けながら女郎蜘蛛はその体を黒い塵となって少しずつ消えていった。きっと織ねぇの蹴りがトドメとなっていたのだろう。女郎蜘蛛が消えると同時に周りを覆っていた糸のドームも空気に溶けるように消え去った。後には戦闘によってえぐられたり火によって燃やされたような跡が残る地面だけが目に入った。


「終わったのかな?」


「そのようだね、この山周辺には敵は居ないようだよ」


「えっと織ねぇわかるの? そういうのって得意じゃなかったよね」


「なんだろうね、多分怜ちゃんとしたキスの影響かな」


「な、ななな何言ってるの、あれはキスじゃなくて、えっとなんだ人工呼吸みたいなものだよ、ノーカンだからね!」


 俺と織ねぇのやり取りに周りを警戒していたみんなの視線が集まって急に恥ずかしくなった、織ねぇが責任をどうとか言って気がしたけどきっと気の所為だ。


「女郎蜘蛛は死に、仮面に黒い羽のモノは去ったという事でいいようだな」


 幻夜さんが戦闘の終了を告げるとみんなして地面へと座り込んだり寝転んだりし始めた。


「千手姫に黒狐姫と迦陵には今回の事で知ることを話してもらいたいがよろしいかな」


「そうよな、わらわたちとてすべて知る訳では無いが、助けられた身の上じゃできるだけ協力はさせてもらうとしよう、それで良いかな黒狐姫に迦陵よ」


「うむよかろう」


「わっちはそれでかまわない」


 話を聞く事の了承を取れたということで、一度着替えなどを含めた休憩をとるということで解散となった、お風呂などを済ませて2時間後幻夜さんの屋敷に集合都の事。アヤカシ組は衣服など自由自在だしお風呂なども必要ないのだろうけど、共同浴場のことを聞きつけて「久しぶりに風呂に入るのもいいのう」と言いながら嫌がる黒狐姫を引きずりながら共同浴場へ向かった。


 地面にへたり込んでいた俺たちも体力が回復したので一度部屋に戻り着替えを持ってお風呂に入る流れになった。念のため神気が少し回復したので侵入者を感知する結界を村を覆うようにだけ張ったので何かが来たらわかるだろう。


 一度気が抜けたせいで重い体を引きずるように部屋に戻り着替えをと思った所で俺は意識を失なった、多分体も精神も色々限界だったのだろう。


 気がついたときには巫女服だったのが寝巻き代わりの浴衣に着替えさせられて布団に寝かされていた。時計を確認すると夜中の0時を過ぎているようだ。どうなったのか確認するために朱天に声をかけてみたが依代の中に居ないようだ。


 再び眠れそうにないので起き上がり縁側に出て左右を見ると一部屋だけあかりがついているところがあった、確かあそこは初日に話を聞いた場所だったかな。とりあえずその部屋の前まで向かい「どなたかいらっしゃいますか」と声をかける。


「怜さんだったかな、そんな所に立ってないで入ってきなさい」


 中から聞こえた幻夜さんの声に従い障子を開けて中を確認すると、おじいちゃんと幻夜さんそれと朱天に千手姫と迦陵が仲良さそうに酒盛りをしていた、何やってるんだよこの人達は。なんとなくめまいのようなものを感じながら部屋の中に入る。


「酒は……未成年だから駄目か、腹が減ってるだろうその辺にあるツマミでも食べてくれ、茜に晩飯を温め直して持ってきてもらおう」


 よく見ると部屋の隅には茜さんが控えていた。


「そうですね~、怜さんはお昼から何も食べてないですからお腹が空いているでしょう、晩ごはんの残り温めて持ってきますね~」


「あっ、いえ、おかまいな───」


 ぐぅーとお腹が鳴った。


「すみません、お願いします」


「うふふ、はい少し待っていてくださいね~」


 そう言って茜さんは部屋を出ていった。俺は適当にその辺に広がっているおつまみを手に取り食べる。


「それでみなさんは仲良くこんな夜中に酒盛りなどして何してるのですか?」


「何をと言われても戦勝の宴だの」


 朱天が茨木さんにお酌をしてもらったお酒を煽り答えてくれた、酔わずに飲めているということはアレはお神酒なのかな。


「ということは千手姫と迦陵に黒狐姫とは和解したってことでいいのかな、黒狐姫はここに居ないようだけど」


「ふむ、黒狐姫は九尾じゃがまだまだ精神も肉体も子供じゃからの、別室で寝かせてもろうておるわ、それと楔から開放してもろうた身なれば感謝こそすれ敵対する気はさらさらないの」


「うむ、わしも同じだ」


 千手姫はコップに注いがれたお酒をちびちび舐めるように飲みながら、迦陵は人化していて本来4本ある腕は2本になっていてこちらは酒瓶から直接お酒を飲んでいる。


「そうなんだ、なら良いのかな」


 まあお祖父ちゃんと幻夜さんが納得しているなら良いのかな、つまみのピーナッツをポリポリしながら酒盛り組を眺めていると茜さんが戻ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。