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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
5章 2年目、そして新入生

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第06話 身体測定と歓迎会

 本日は身体測定の日です。はいそこ残念そうな目で俺を見ないで頂きたい、スポブラとセットのショーツを履いている俺のほうが周りから浮いてるのは想定外ですわ。みんななんか勝負下着のような目のやり場に困る色合いの下着ってどういう事?


 あー、お姉さまにはかわいい姿を見てもらいたい? そうですかそうですね、まあその気持わからなくはないですよ。そういう関係の人がいなくても持ってる中でかわいいのを着るのが当たり前とか言われてもちょっと困るのだけど。

 

 下着姿とか普段からお風呂で全裸見てる身からすると今更ですけどね、なんて言うと思ったか! お風呂は何ていうかほら肌色なんだよ、なに言ってのコイツみたいに見ないでくれ、いやほらわかるだろ? わかってください。


「姫ちゃんもスポブラセットなんだね」


「おぉー同士柚よ」


 なんて言いながらヒシッと抱きつくが、すぐに離れられた。


「くっ姫ちゃんも持てるものだった、持たざる我らとは相容れぬのだ」


 言いたいことはなんとなくわかるけど、俺も対してデカくないんだけどね。回りの生暖かい目は見ないふりをしておく。


 まあ良いでしょう、身体測定だけど俺自身は去年受けてないのでどれくらい変わったか分からないけど、体感的に変わってないと思う。ちなみに学校によっては体力測定もやる所もあるようだけど、まあほらこの学院にはおかしな感じの方々がいらっしゃるので実施されないようだ。


 うれし恥ずかし魅惑の身体測定も終わり、うん終わったよ特に言及することはないかな。俺に感しては言うほど何かが変わった実感はないのでそんなもんでしょう。クラスメイトで仲のいい柚と静流は去年より身長が少し伸びたとか胸が変わらないとか言い合って、俺もそれに巻き込まれたくらいだろうか。ちなみに中等部3年間はクラス替えが無いので、柚と静流とは今年も同じクラスだ。


 そして日常というわけだけど、特にこれと言ってイベントが起こるわけもなく普通に過ぎていって5月の連休に突入した。俺は去年連休明けからの入学だったので去年の連休がどんな感じだった知らないけど、毎年この時期を利用して各寮で新入生の歓迎会などをやるらしい。


 歓迎会は高等部の生徒は不参加で、中等部の生徒のみで行われる。流石に寮生全員参加だと食堂じゃ手狭になるから仕方ないのとやっぱり新入生と接点が多いのは中等部だからね。


 毎年の恒例行事となっているみたいで俺も手伝いに駆り出された。手伝いと言っても料理は食堂の人たちが作ってくれるので、主に飾りつけなどを準備をする感じだった。


 そうそう、桜さんと楓さんは偶然にも俺たちと同じ寮に割り振られている、本当に偶然なのか裏があるのかはわからないけど、まあ特に害があるわけでも無いだろうしいいんだけどね。


 そして始まる歓迎会、その実歓迎会とは名ばかりで寮での生活で必要なアレコレを先輩として指導する会というのが本当の所。新入生はだいたい一人で部屋を使っている上級生と相部屋になるのが基本で、そこで寮生活のいろはを教えてもらうのが普通みたい。


 だけど俺と明海ちゃん、それに桜さんや楓さんみたいに新入生同士の相部屋だとその辺りの事がおろそかになったりするので、そういう人たち向けに食事などをしながら教えるのが目的でやり始めたと言う事らしい。


 教える事と言っても、入寮する時に一度教えられているので復習みたいな物になる、門限の事や、食事の時間、お風呂の時間に別の寮に泊まる場合の連絡などなど。あとはサークルの勧誘などをしてもいいみたいだ。


 上級生2名に対して新入生1名と言う感じで、中には人数の関係上1:1のテーブル分けされている。淑女教育の観点から見ると余りよろしくないけど、この日は堅苦しい事は取っ払って食事をしながら色々教えたり質問に答える感じになる。


 その辺りの説明が終わる頃にはだいたいの人が食事を終え食休みタイムに入る。この日はお菓子とジュースが食べ放題といわけだ。ここからは席など関係なく交流の時間だ、早速俺と咲夜さんは桜さんと楓さんに合流して会話する。


 ちなみにこの場に明海ちゃんはいない、どこにいるかというと少し離れたテーブルでなにやら怪しい話をしている、たまに漏れ聞こえてくる言葉が「やっぱり私はレイ×サクかな」とか「でもそこは王道のサク×レイがキュンと来るわ」など聞こえてくるがきっと気のせいだろう。


「桜さん楓さん、二人にこれだけは聞いておくわね、あなた達の本当の目的は何かしら?」


 咲夜さんが無表情で二人に尋ねる。桜さんと楓さんこの二人が関西からこの学院に来た理由、楓さんの目の事も有るのだろうけどわざわざ入学までしてくるのは不自然なんだよね。


 蓋を開けてみれば正解だったのだけど、あの「神生成り、神宿りし髪、雫」という助言だけで俺を特定して入学してくる、もし違ったら無駄足になるし「雫」の意味も分からない状態が不自然すぎるのだ。


 そんな訳で、生徒会と校長の沙織さんが出した結論が他にも目的がある、もしくはその目的こそが本命ではと結論に至ったわけだ。といっても、俺か朱天が目当てなのは予想がついているんだけどね。


「何のことでしょうか……なんて言っても無駄ですよね」


「桜ちゃん……」


「いいのよ楓ちゃん、目も治る目処がたちましたし隠しておく必要も無くなったと言えますからね」


 そう言って桜さんは、俺と咲夜さんに微笑みかけてきた。

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