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なかみが男でも百合は成立するのだろうか 連載版  作者: 三毛猫みゃー
5章 2年目、そして新入生

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第07話 込み入った事情

「何から話せば良いのか、そうですね……」


 話を始めようとする桜さんにストップを掛ける。


「えっと話しても良い事なら、明日にでも生徒会室でみんながいる時に話してもらったほうが良いかも知れません、そうですよねお姉さま」


「そうね、ごめんなさいね今する話ではなかったわね、怜に係わる事に思えたから先走ってしまったわ、せっかくの新入生歓迎会なのにごめんなさいね」


「いえ、大丈夫です、続きは明日生徒会室にうかがった時にさせていただきます」


「私も気にしていません、桜ちゃんとも近いうちに私の目が治ったらお話しようと相談していた所だったのです」


「じゃあ残り時間もそんなになさそうだし楽しみましょ、ほらほらお姉さまも二人もジュース持って」


 全員がコップを持つのを確認してから「かんぱーい」コップをそれぞれ触れさせる。俺はテーブルに並んでいるお菓子を1つ摘んで口に入れる、おっとチョコ以外のお菓子は久しぶりに食べたけど意外と美味しいかも。


「お姉さまこれ食べてみてください美味しいですよ」


「もう、怜は仕方ないわね」


 咲夜さんが苦笑を浮かべながら差し出したスナック菓子を食べる。


「あらほんと意外と美味しいわね」


「ほらほら、二人も食べましょ、話は明日明日」


 桜さんと楓さんは一度お互いに目線を交わして、笑顔をうかべる。


「はい、いただきます……あ、意外と行けるかも桜ちゃんも食べてみて」


「ありがとう、ほんとおいしいわね、ジャンクフードなんてめったに食べないけど美味しいものなのね」


「ん~多分これは普通のジャンクフードじゃないと思うよ、素材を厳選して特別に作っている気がする」


 小学生の頃食べた物と見た目は同じはずなのに全然味が違う、味覚が変わったとかでは無いと思う。


「ふっふっふっふよくわかったね姫神さん、そうその通りこれは4つの学生寮が総力を上げて本物以上の味を出すために長年研究を重ねた結果出来たお菓子の数々なのさ」


 おもむろに現れたのは、中等部三年生の樫宮優真《かしみやゆうま》先輩だ。ショートカットの似合う俺様系美少女とでも言えば通じるだろうか。朝のランニング関係で仲良くしてもらっている。


「そこの新入生二人は初めましてかな? 樫宮優真だよろしく頼むよ」


「真咲桜です、よろしくお願いします」


「斉穏寺楓です、よろしくお願いします」


 お互いが自己紹介を終えた所で優真先輩のお菓子談義が始まった。なんでも過去にお菓子それもジャンクフードが好きな生徒がいたそうだ。だけどこの学院では手に入れる術がない、商店街にもショッピングモールにも、ジャンクフード類は置いてない、それに絶望した生徒は同士を集め理想的なジャンクフードの見た目をしたジャンクフードと異なる物を作り出した。


 それがここにある品々だという、そしてその生徒達が作り出したレシピは食堂で代々受け継がれ、こういう時に披露されるという。そしてそれに感銘を受けた者たちが新しいレシピを開発したり、日夜レシピの研究がされその味が洗練されていっているという。そのレシピは学院内でのみ受け継がれ外部に出すことを禁じられている。


 いや、うん、お菓子にそこまで情熱をかけた先輩すげーとしか言えないわ、ちなみに優真先輩が声をかけてきたのはお菓子研究会の勧誘だったりする。流石にお菓子にそこまで情熱を感じない俺は断ったし、咲夜さんに桜さんと楓さんも断っていた。


◆


 そして翌日の放課後、生徒会役員が全員揃い桜さんと楓さんも来た所でお茶を配り終わった所で話が始まる。と言ってもそこまで複雑でも無い、西のというよりも京の都を拠点としている人達が俺と朱天の事を知ることになり調べるために送り込まれたのが理由の1つらしい。まずは俺に関しては世界的に見ても一番神に近い存在になりつつあるから監視と友好的関係の構築を図るためだとか。


 俺自身自覚しているというか、今の時点で何か切っ掛けがあれば位階が上がる所まで神気濃度と信仰が器を満たしているのがわかる。だけど俺自身これ以上位階を上げて良いのかが分からないので踏ん切りがつかない。望姉さんがいうには5階位に至れば半神や亜神と呼ばれ位に手をかける事が出来るらしいけど、比売神の家の過去を見ても至った人がいなくてどうなるかわからないのだとか。


 とまあ俺の話は今はいい、次いで朱天については単純に酒天童子の動向に目を光らせていた西の人達が、反応の消えた事で調べていた所俺との繋がりを知ってこちらも監視と詳細を知りたくて一石二鳥的に送られることになったとか。


 そしてそれに乗っかる形で、楓さんの目に関しての助言もあってその座を勝ち取ったのがこの二人だったようだ。それはそれは過酷な選抜戦があったとか無かったとか、詳細はブツブツと何かを呟きながらハイライトの消えた目を見てしまい誰も聞こうと思えなかったようだ。


 俺と朱天の情報は送らないようにするとは言ってくれたけど、特に隠すようなことはないので怪しまれて呼び戻されたりしないように適当に送っていいよと入っておいた。


 二人に関しては正式に活動に入るのは5月の連休明けからになる、それまではクラスメイトとの関係構築をするようにと美玲会長から言われ了承させられていた。楓さんは目が治るまではマリナさんの診察を受けるのでそれまでは通うことになるけど。


 二人とも俺と朱天に対して後ろめたい気持ちがあったみたいだけど、今日の話し合いでその辺りも解消されたと思う。俺からは目が治ってよかったねと言う感想しか出てこなかった。別に西だ東だとか俺自身はなんとも思ってないし、敵対しているわけでも無いのでお好きにどうぞって感じだな、俺の身内に手を出さない限りはだけど。

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