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神様とお出かけです。


花の冠を作って、籠に入れるとククはピクッと体を起こしたかと思うと、どこかへ行ってしまう。

ああ〜・・・、可愛かったのにククの花の首輪見て欲しかった・・。


ちょっと残念だったけど、仕方ない。


大分花の冠を作ったのに、花は全然減っていなくて・・、神様の力なのかな・・・。じっと花畑を見ていると、トト君がこちらへやって来る。


「そろそろお昼にしましょう〜」

「え、もうそんな時間?」

「はい、すごく集中してらしたんですね」


うん・・結構楽しかったかも。

花の色合いを考えるのも、色ごとに作ってみるのも・・。花の冠を入れた籠を持って、サンルームまで一緒に行くと、すでにテーブルの上にご飯が置いてある。・・・仕事が早い。


そして・・・いる。


すでにクロさんが椅子に座ってる!!!


肩肘ついて、椅子に片足乗せて・・超何というか・・溢れるオラオラBOSS感・・。

コワァイ・・、お仕事考えてくれてありがとうって言おうと思ったのに、回れ右して花畑に帰りたい。神様は、なんていうかこう・・もうちょっと柔和な感じじゃないの?


「座れ」

「はい」


速攻で座った。秒で椅子を引いて、着席した。

犬だったら、完全服従でお腹出してる所だと思う。


「い、いただきます・・」


そう言って、昨日の夕飯と同じナンをちぎって、ソースにつけて食べ始めるとクロさんも食べ始めた。恐る恐るソースにつけて食べると、昨日とは違う味だったけど美味しくて・・。


「美味しい・・!」


ぼろっと言葉まで出てしまう。

クロさんが、こちらを見てくるので・・あ、黙って食べろって事かな?そう思って、下を向こうとすると・・


「こっちは辛いけど平気か」


クロさんが話しかけてきてくれて、そっと・・顔をあげた。


「あ、はい・・。辛すぎなければ・・」

「じゃ、これも食え」

「はい・・」


ナンをちぎって、言われた方のソースを付けてみる。

パクッと一口で食べると少しピリッとするけど、美味しい。これも美味しい!!クロさんを見て、笑う。


「これも美味しいです」

「・・・そーか」


クロさんは手を止めて、少し・・・・・すこーーーーし、私を見てフッと笑うと、また食べ始めた。


笑うんだ・・。

オラオラ系の笑みを見て、私は大変驚いた。

手が止まると、クロさんはまた私を見るので慌ててまた食べ始める。でも、ちょっと空気が柔らかくなって、お昼は大分食べやすかった。


食べ終わってお茶を飲むと、トト君がやってくる。


「たえさーん!さっきのお花の冠、完売しましたー!」

「え?!本当に?嬉しい!!」

「外神殿の皆さんは、クロ様のお花に触れる機会はないですしね!」

「・・・外神殿?」


ここは神殿ではないの?不思議に思っていると、クロさんがこちらをじろっと見る。・・・恐い、何かまずった?


「ここは中央神殿と、奥神殿があって一般人は入れねぇ」

「あ、そうなんですか・・」


説明してくれた。そうなんだ・・私、普通に一般人だけどいいの?


「外神殿は、参拝してくださる方がいるんですけど・・そこに出店とか色々あるんですよ〜!で、花の冠もそこで売ってもらったんです」


トト君がニコニコ笑って説明してくれた。

へ〜・・出店かぁ・・。確かにお祭りの日とかにお店出てたな・・。


「外神殿・・、どんな風になってるの?見にいけるの?」


トト君に聞くと、ちろっとクロさんを見るので、つられて私もクロさんを見る。恐いけど。

クロさんは、ジト・・っとトト君を見る。


「・・・・行くか?」

「え、いいんですか・・・?っていうか、クロさん、神様なのに外に出ちゃっていいんですか?」


何というか、神様って神殿にいるイメージしかないんだが・・。

あと一緒に行くの?罰ゲームなの?恐いしかないけど。



「別に平気だ、おら行くぞ」

「は、はい・・・?」



椅子から若干かったるそうに立って歩き始めるクロさんを、椅子から勢いよく立ち上がって、後ろをついていく。ちらっと後ろを振り返ると、トト君はニコニコしながら手を降ってくれた。


・・うん、一緒に来て欲しいなーーー!!!





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