↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
料理好きのモブなのに偶然なったドラゴンスレイヤー ~崖から落ちたらレベル87♪徒然と共に  作者: 抹茶ラテ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/6

第1話♪崖から落ちたら、ドラゴンスレイヤーになりました♪

本作は、短編版『偶然なったドラゴンスレイヤー』をご設定やストーリーを大幅に加筆・パワーアップしてえたらず連載しようかなとしたものです!

短編を読んでくださった方も、初めての方も楽しんでいただけると嬉しいです!

「僕、絶対にドラゴンスレイヤーになるんだ♪」


 宿屋《クロワッサンの香り》の食堂で大皿を運びながら叫ぶと、常連の冒険者のおじさんたちが大爆笑した。

「ははは! サン、夢はでっかく持て! でも料理が美味すぎるから宿屋でいいんじゃないかー!」


 サン・クロワッ、16歳。

 冒険者に憧れて密かに筋トレに励む、どこにでもいる宿屋の息子だ。

 そんな僕の日常は――夕方の釣り場で一変した。


 ◇


「ハハン♪ ハハハハン♪」

 安全エリアの渓谷で鼻歌を歌いながら釣りをしていた時のことだ。


「グォォォォォォ……!!」


 地を揺るがす凄まじい咆哮。心臓がきゅううっと縮み上がるほどの重圧。

 恐怖で震えながら山側の崖から恐る恐る覗き込むと――そこには、鈍い光を放つ深紅の巨大竜(ドラゴン)と、それに立ち向かう街最強パーティ『徒然(つれづれ)』の四人がいた。


 凛とした黒髪の剣士・桜子さんが刀を閃かせ、魔法使いやヒーラーの美しいお姉さんたちが華麗に連携している。

 す、すごい……! 本物の戦闘だぁ……!


 感動で見惚れていた、その瞬間。


 ポロッ。


 足元の岩が崩れ落ちた


「うわああああああっ!? タスケ、テぇえええ」

速度も増し落ち続ける



「!? やばぁああああ! なにしてるのぉぉぉよ」

 桜子さんの声!?

 スローモーションになる視界。

 僕は真っ逆さまに、彼女たちが戦っている竜の頭上へ落ちていった。

 桜子さんが龍の首をはねた!?

 あ、でもボク死んだ。ボクオワタ。この高さムリ。


 ――ドコッ♪


 ヤムチャってる感じに倒れこむ


【深紅の暴竜を討伐しました!】

【レベルが 1 → 87 に上昇しました!】

【称号『ドラゴンスレイヤー』を獲得しました!】


「……ゎば?生きて、る!?」


 体が熱い。全身に溢れ出す謎の超パワー。

 呆然と座り込む僕の周りに、桜子さんたちが駆け寄ってくる。


「分配分も最後の一撃扱いで!? 経験値があの子にも流れてる……。私達で瀕死に追いやったドラゴンをシステムが『最後の一撃』って誤認したわね。ガチで……!?」

 眼鏡の知識派美女・エリリカさんが絶句する。

「おいおいマジかよ!? あのデカブツを瀕死とはいえ落ちただけでか!? ほぼ桜子の一撃と一緒じゃないか! ガハハ、とりあえず生きてて良かったな!」

 褐色肌のワイルド弓手・アーシェスさんが背中をバシバシ叩いてくる。むせる。

「……い、、生きてよかった……ですが、すみません経験値」

 儚げな金髪エルフの僧侶・ディードさんが、なぜか僕の隣にぴったり座り込んできた。


 そしてリーダーの桜子さんが、呆れたように、でも優しく微笑む。

「史上最も運が悪くて運のいいドラゴンスレイヤーの誕生ね。……でも、剣の握り方も知らない素人でしょ? うちで保護してあげようか。アタッカー兼ヘイト役と荷物持ちとまかない係……やってくれるわよね!?」


「はい、よろしくおねがいします! 料理なら任せてください! 特製シチュー得意なので毎日でも作ります!」


 ◇


 その夜、アジトの厨房を借りて作った、特製牛肉デミグラスシチュー。

 異世界の料理は大雑把な塩焼きばかり。そんな過酷な食生活が続いていたお姉さんたちの前に運ぶと――。


「……んんっ!?? なにこれ、お肉が口の中でとろける……!?」

「……この深いコクと甘み……おかわり、肉増し増しで!」

「美味ぇぇぇ! サン、飯侮ったわお前マジで俺の嫁に来てくれ!! 一生食わせてくれ!」

「……おかわり♡……」


 一口食べた瞬間、全員の目の色が激変した。

 桜子さんに至っては、目頭に涙を浮かべてスープを慈しむように味わっている。


「……すごく美味しいわ、サン。疲れがトんでふっと抜けそう……」

「へへ、よかったです! お疲れだと思ったので、じっくり煮込んでおきました!」


 嬉しくて思わず鼻歌が漏れる。

「ハハン♪」


 お皿を綺麗に平らげ、幸せそうに息をつくお姉さんたち。

 桜子さんが満足そうに微笑みながら、僕の頭を優しく撫でた。


「明日から、お前に剣の握り方をしっかり叩き込んであげるわ。覚悟しなさい、まかない係さん」

「はいっ! あ、たまごあります?それなら明日の朝ごはんは、僕特製の『プルプル出汁巻き卵』焼きますね!」

「……たまごぐらいあるわ卵料理なんて目玉焼きと茹でたまごしか知らないんだけど……」

「卵をお出汁で巻く……? そんな料理、この街にあったかしら……?」

「ふふ、食べた瞬間、絶対にびっくりしますよ! 楽しみにしていてくださいね!」


 こうして、レベル87(バグ)の僕と、胃袋を掴まれた最強お姉さんたちの、賑やかで甘々な日常が始まったのだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます! サンくんの作ってくれた温かいシチュー、ちょっと一口食べてみたいかも……と思ってくださったら、ぜひ【ブックマーク】や【評価】でまたご飯を食べに来ていただけると最高に嬉しいです!


本日19:30更新の第2話では、サンくんが翌朝焼いてくれた『絶品出汁巻き卵』に、お姉さんたちが再びノックアウトされます……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。