かこまれた
『廻天』
第三十四話 故障
朝。
山道。
キャンピングカー。
走る。
レン。
運転。
澪。
助手席。
カイ。
後ろ。
寝ている。
アキラ。
パン。
食べている。
⸻
ガコン。
全員。
揺れる。
レン。
「……。」
ガガガ。
ガコン。
レン。
「嫌な音した。」
カイ。
起きる。
「何。」
ガン!!
キャンピングカー。
大きく。
傾く。
レン。
「うおっ!」
路肩。
停車。
⸻
十分後。
四人。
車。
見る。
レン。
「……。」
アキラ。
「壊れました?」
カイ。
「壊れたね。」
澪。
しゃがむ。
下。
見る。
「走行。」
「推奨できません。」
レン。
「お前も車分かんの?」
「表示されています。」
「車が言ってんのかよ。」
⸻
いつもなら。
人里。
避ける。
山。
河原。
道の駅。
郊外。
その辺り。
転々。
していた。
しかし。
今回は。
最寄り。
町。
近い。
修理できる。
場所。
そこしか。
ない。
⸻
本部。
連絡。
三十分後。
返答。
『修理担当を向かわせる。』
カイ。
「早い。」
レン。
「あのおっさん?」
澪。
「恐らく。」
⸻
昼。
町外れ。
小さな。
整備工場。
借りた。
敷地。
キャンピングカー。
止まる。
一台。
軽トラック。
入ってくる。
降りる。
五十代。
作業着。
工具箱。
眠そう。
男。
⸻
以前。
七分四十一秒で。
破壊された。
サロン。
直した。
あの男。
⸻
男。
キャンピングカー。
見る。
「……。」
レン。
「直せる?」
男。
下。
覗く。
「直る。」
カイ。
「何分?」
男。
カイを見る。
「車を家と一緒にすんな。」
⸻
工具箱。
置く。
名前。
未だ。
誰も。
ちゃんと。
聞いてない。
カイ。
「あの。」
「名前。」
男。
「黒瀬。」
黒瀬。
本部。
施設復旧課。
レン。
「施設復旧課?」
黒瀬。
「そう。」
アキラ。
「車も?」
「壊れてる物なら。」
「だいたい。」
⸻
黒瀬。
作業。
始める。
レン。
暇。
澪。
端末。
アキラ。
昼飯。
カイ。
黒瀬。
見る。
「どのくらい。」
「二時間。」
「長い。」
「普通だ。」
⸻
そこへ。
もう一台。
黒い車。
入る。
レン。
嫌そう。
「……。」
ドア。
開く。
榊。
白衣。
端末。
大きな。
黒いケース。
持ってる。
カイ。
「なんでいるの。」
榊。
「俺も聞きたい。」
⸻
ケース。
重い。
榊。
地面。
置く。
「お前。」
「本部戻ってこないだろ。」
カイ。
「旅してるから。」
「だから。」
「こっちから来た。」
レン。
「それ何。」
榊。
ケース。
開ける。
中。
灰色。
石。
板。
⸻
古い。
文字。
表面。
複数。
刻まれている。
中央。
丸。
その周囲。
七つ。
溝。
そして。
中央を。
貫く。
細い。
一本。
⸻
カイ。
顔。
変わる。
《廻天》。
腰。
小さく。
震える。
シュウ。
内側。
『……。』
カイ。
(知ってる?)
シュウ。
しばらく。
答えない。
『見たことがある。』
⸻
榊。
「旧世遺物。」
「本部では。」
《環石》。
「能力経路。」
「適性。」
「反応強度。」
「その他。」
「色々。」
「測れる。」
レン。
「色々って。」
「まだ全部読めない。」
⸻
カイ。
「何で持ってきたの。」
榊。
「お前が来ないからだよ。」
⸻
測定。
まず。
レン。
手。
置く。
環石。
光る。
一つ。
強い。
その隣。
新しく。
細い。
線。
伸びる。
榊。
「……。」
澪。
「増えていますね。」
レン。
「ベクトル?」
榊。
「まだ。」
「別能力か。」
「《穿牙》の派生か。」
「断定できない。」
レン。
「まあ。」
「使えりゃいい。」
⸻
澪。
手。
置く。
銀。
光。
広がる。
以前より。
中央。
整理。
されている。
榊。
「情報選別。」
「自力で。」
「かなり上がってる。」
澪。
「少し。」
レン。
「めちゃくちゃ練習してたぞ。」
澪。
「レン。」
「何。」
「余計です。」
⸻
アキラ。
手。
置く。
バン!!
環石。
光。
爆発的。
広がる。
全員。
一歩。
下がる。
黒瀬。
車の下。
「壊すなよ。」
榊。
「出力だけ。」
「本当に馬鹿だな。」
アキラ。
「評価ですよね?」
「半分。」
⸻
最後。
カイ。
手。
置く。
沈黙。
⸻
一秒。
二秒。
三秒。
⸻
七つ。
溝。
光る。
ただ。
均一。
ではない。
三つ。
普通。
二つ。
かなり。
強い。
残り。
二つ。
薄い。
⸻
レン。
「……。」
カイ。
「弱くなった?」
榊。
「違う。」
端末。
見る。
「お前。」
「ほぼ。」
「伸びてない。」
カイ。
「知ってる。」
レン。
「本人納得すんな。」
⸻
榊。
画面。
切り替える。
「感流。」
「微増。」
「観流。」
「横ばい。」
「触流。」
「横ばい。」
「流転。」
「微増。」
「止流。」
「ほぼ変化なし。」
「結流。」
榊。
止まる。
「かなり上昇。」
「解流。」
「かなり上昇。」
レン。
カイを見る。
「お前。」
「何もしてねぇだろ。」
カイ。
「うん。」
シュウ。
内側。
『俺だ。』
カイ。
「シュウ。」
レン。
「やっぱりかよ!!」
⸻
榊。
さらに。
画面。
見る。
表情。
変わる。
中央。
一本。
今まで。
反応。
だけ。
だった。
白い。
線。
環石。
上。
はっきり。
浮かぶ。
⸻
カイ。
「これ何。」
榊。
「分からん。」
「また?」
「旧世文字。」
「完全解読。」
「できてねぇんだよ。」
シュウ。
内側。
『……廻。』
カイ。
(何?)
『中央。』
『たぶん。』
『廻すための道だ。』
⸻
《廻天》。
震える。
強く。
カイ。
刀。
見る。
榊。
「抜くなよ。」
カイ。
「抜かない。」
レン。
「珍しく素直。」
カイ。
「怖いし。」
⸻
シュウ。
内側。
静か。
『カイ。』
(何。)
『刀。』
『今まで。』
『斬る物だと思ってただろ。』
(刀だから。)
『だから違う。』
⸻
カイ。
《廻天》。
触る。
白い。
一本。
刀身。
中央。
通る。
糸。
環石。
中央。
白い。
線。
同じ。
⸻
シュウ。
『廻天は。』
『流れを通す。』
『斬るためじゃない。』
『七つを。』
『刀へ。』
『刀から。』
『外へ。』
『巡らせる。』
⸻
カイ。
目。
少し。
開く。
つまり。
自分。
身体。
だけ。
使う必要。
ない。
刀。
それ自体。
経路。
⸻
カイ。
柄。
握る。
まだ。
抜かない。
《感流》。
刀へ。
流す。
反応。
ある。
《観流》。
刀身。
通る。
《流転》。
白糸。
わずか。
光る。
《結流》。
《解流》。
内部。
通る。
⸻
榊。
端末。
振り切れる。
「おい。」
レン。
「何。」
「数値。」
「変わった。」
「どれくらい。」
榊。
「違う。」
「測定方式が追いついてない。」
⸻
カイ。
「シュウ。」
内側。
返事。
『やっと気づいたか。』
「知ってた?」
『いや。』
レン。
「知らねぇのかよ!」
シュウ。
『今分かった。』
カイ。
「俺も。」
レン。
「似た者同士じゃねぇか!!」
⸻
その時。
澪。
顔。
上げる。
銀。
目。
開く。
「……。」
レン。
すぐ。
分かる。
「何。」
澪。
周囲。
見る。
道路。
屋根。
建物。
電柱。
整備工場。
裏。
倉庫。
住宅。
空地。
⸻
人。
多い。
不自然。
動かない。
呼吸。
抑える。
異能。
隠す。
でも。
いる。
⸻
澪。
「囲まれています。」
全員。
止まる。
榊。
「何人。」
澪。
銀界。
広げる。
一。
五。
十。
二十。
三十。
さらに。
「四十七。」
間。
「五十。」
⸻
レン。
刀。
抜く。
「マジか。」
アキラ。
立つ。
「本部?」
澪。
「違います。」
カイ。
《観流》。
見る。
町。
全体。
細い。
異能。
反応。
囲む。
⸻
屋根。
一人。
立つ。
黒。
服。
その左右。
さらに。
四人。
明らかに。
他。
違う。
密度。
⸻
澪。
「幹部級。」
「五名。」
レン。
「雑魚。」
「四十五?」
「恐らく。」
カイ。
「多い。」
⸻
榊。
端末。
出す。
本部。
通信。
しよう。
⸻
その瞬間。
影。
一つ。
榊。
背後。
現れる。
レン。
「榊!!」
榊。
振り向く。
間に合わない。
指。
額。
触れる。
《封鎖》。
⸻
榊。
身体。
崩れる。
ドサ。
⸻
カイ。
「……。」
レン。
「は?」
アキラ。
「え。」
澪。
榊。
確認。
「生存。」
「異能。」
「完全停止。」
レン。
「戦闘開始一秒で!?」
⸻
黒瀬。
キャンピングカー。
下。
潜ったまま。
スパナ。
回す。
カチ。
カチ。
「……。」
レン。
見る。
「おっさん!!」
黒瀬。
「何。」
「囲まれてる!」
「そうか。」
「そうかじゃねぇ!!」
⸻
屋根。
男。
降りる。
幹部。
一人。
細身。
長髪。
拍手。
ゆっくり。
「想定以上。」
「集まっているな。」
カイ。
「誰。」
「名乗る必要はない。」
カイ。
「じゃあいい。」
男。
一瞬。
止まる。
⸻
別。
幹部。
大男。
前。
出る。
「対象。」
「カイ。」
「レン。」
「澪。」
「火野アキラ。」
視線。
倒れた。
榊。
「研究担当。」
最後。
キャンピングカー。
下。
黒瀬。
「……。」
「修理工。」
黒瀬。
「そう。」
⸻
レン。
小声。
「完全に。」
「一般人判定されてるぞ。」
黒瀬。
「助かる。」
⸻
敵。
四十五。
一斉。
前。
出る。
町。
周囲。
結界。
展開。
人。
いない。
違う。
住民。
眠らされている。
建物。
閉鎖。
逃げ道。
塞ぐ。
⸻
幹部。
「長かった。」
「対象が。」
「人里へ。」
「滞在する時を。」
「待っていた。」
レン。
「いつも山だからな。」
カイ。
「虫多いけど。」
レン。
「今その話すんな。」
⸻
幹部。
カイの。
腰。
見る。
《廻天》。
「その刀も。」
「回収する。」
シュウ。
内側。
『カイ。』
(うん。)
『貸せ。』
カイ。
(身体?)
『違う。』
少し。
間。
『手だけ。』
⸻
カイ。
右手。
力。
抜く。
シュウ。
重なる。
完全。
交代。
ではない。
カイ。
意識。
ある。
シュウ。
感覚。
重なる。
二人。
同時。
柄。
握る。
⸻
スッ。
初めて。
自然に。
《廻天》。
抜ける。
黒い。
刀身。
中央。
白い。
一本。
糸。
⸻
敵。
四十五。
動く。
レン。
前。
踏む。
「澪!」
「右十二。」
「左九。」
「後方十四。」
「上十。」
「多い!」
「知ってる!」
⸻
アキラ。
両手。
構える。
「撃ちます?」
レン。
「まだ撃つな!!」
「はい!」
⸻
カイ。
刀。
構えない。
下。
向ける。
シュウ。
内側。
『斬ろうとするな。』
(じゃあ何する。)
『いつも通り。』
(エステ?)
『流れを見ろ。』
⸻
カイ。
《観流》。
五十。
人。
全部。
見る。
無理。
情報。
多い。
でも。
刀。
白糸。
そこへ。
視界。
流す。
一人。
一人。
ではない。
敵全体。
能力。
動き。
互い。
繋がる。
流れ。
一本。
大きな。
網。
として。
見える。
⸻
カイ。
「……。」
シュウ。
『そう。』
『刀は。』
『一本にする。』
⸻
敵。
飛ぶ。
能力。
十。
同時。
レン。
受ける。
澪。
読む。
アキラ。
我慢。
カイ。
《廻天》。
横。
一度。
振る。
斬らない。
白糸。
走る。
⸻
《解流》。
⸻
敵。
十人。
連携。
崩れる。
攻撃。
互い。
干渉。
爆発。
空中。
散る。
レン。
「……。」
カイ。
「できた。」
シュウ。
『できたな。』
レン。
「今覚えんなよ!!」
⸻
幹部。
表情。
変わる。
「始めろ。」
五十。
本格。
動く。
⸻
戦闘。
始まる。
⸻
レン。
前。
三人。
殴る。
飛んでくる。
斬撃。
向き。
逸らす。
まだ。
完全。
ではない。
でも。
以前。
より。
明らか。
速い。
⸻
澪。
《銀界》。
開く。
必要。
だけ。
残す。
「レン。」
「左。」
レン。
避ける。
「アキラ。」
「三秒。」
「正面。」
アキラ。
「了解。」
「今。」
《爆炉》。
ドォン!!
敵。
六人。
吹き飛ぶ。
レン。
「お前。」
「今の良かった!」
アキラ。
「初めて褒められた!」
⸻
カイ。
刀。
使う。
まだ。
下手。
剣術。
ない。
斬撃。
弱い。
敵。
一人。
普通に。
刀。
弾く。
カイ。
「痛っ。」
レン。
「剣士じゃねぇんだから前出んな!!」
カイ。
「刀の使い方。」
「分かったと思った。」
シュウ。
『流す使い方だ。』
『殴り合えとは言ってない。』
カイ。
「早く言って。」
⸻
《廻天》。
地面。
刺す。
白糸。
広がる。
敵。
足元。
異能。
流れ。
見る。
《止流》。
一瞬。
三人。
止まる。
レン。
突っ込む。
ドドドン!!
三人。
吹っ飛ぶ。
レン。
「それだ!」
カイ。
「これ?」
「後ろからやれ!」
「分かった。」
⸻
幹部。
五人。
まだ。
動かない。
観察。
している。
一人。
言う。
「データ。」
「想定を超過。」
別。
「シュウか。」
カイ。
聞く。
顔。
変わる。
⸻
シュウ。
内側。
静か。
『知ってる奴がいる。』
⸻
その瞬間。
幹部。
一人。
消える。
澪。
「カイ!」
背後。
間に合わない。
拳。
来る。
⸻
カイ。
反応。
できない。
シュウ。
右手。
取る。
《廻天》。
白糸。
拳。
触れる。
斬らない。
力。
方向。
流れ。
《流転》。
横。
逸らす。
拳。
カイの。
頬。
数センチ。
通過。
⸻
レン。
目。
見開く。
「今の。」
カイ。
「シュウ。」
シュウ。
『お前でもできる。』
カイ。
「今は無理。」
『知ってる。』
⸻
幹部。
笑う。
「やはり。」
「共存している。」
⸻
戦闘。
続く。
十五分。
敵。
半数。
落ちる。
でも。
レン。
息。
荒い。
澪。
頭痛。
始まる。
アキラ。
腕。
焦げる。
カイ。
能力。
出力。
低下。
⸻
幹部。
五人。
ようやく。
前。
出る。
レン。
「ここからかよ。」
澪。
「恐らく。」
「今まで。」
「測られていました。」
⸻
そして。
後ろ。
キャンピングカー。
黒瀬。
車。
下。
出てくる。
手。
油。
付いてる。
レン。
「おっさん。」
「終わった?」
黒瀬。
「修理は。」
「終わった。」
カイ。
「ほんと?」
「走れる。」
「よかった。」
レン。
「戦闘中だぞ!!」
⸻
黒瀬。
工具。
拭く。
倒れている。
榊。
見る。
「榊。」
返事。
ない。
「また。」
「最初にやられてる。」
レン。
「またなの!?」
黒瀬。
「こいつ。」
「戦闘。」
「弱いから。」
⸻
幹部。
一人。
黒瀬へ。
手。
向ける。
「修理工。」
「邪魔だ。」
能力。
放つ。
巨大。
黒い。
槍。
⸻
レン。
「避けろ!!」
黒瀬。
振り返る。
面倒。
そうに。
見る。
そして。
スパナ。
一本。
投げる。
⸻
カン。
黒い槍。
消える。
⸻
全員。
「……。」
⸻
レン。
「は?」
アキラ。
「え?」
澪。
銀眼。
見開く。
カイ。
「……。」
幹部。
表情。
消える。
⸻
黒瀬。
スパナ。
拾う。
「修理。」
「終わったから。」
工具箱。
閉める。
「サービス。」
⸻
敵。
残り。
二十数名。
黒瀬。
一歩。
歩く。
⸻
次。
瞬間。
全員。
地面。
倒れている。
⸻
レン。
「…………。」
アキラ。
口。
開く。
澪。
銀界。
止まる。
カイ。
何も。
見えなかった。
⸻
幹部。
五人。
だけ。
辛うじて。
立っている。
その五人も。
顔。
真っ青。
⸻
黒瀬。
工具箱。
持つ。
「雑魚。」
「片付けた。」
レン。
指。
震える。
「雑魚って。」
「二十人いたぞ。」
黒瀬。
「二十三。」
澪。
「二十四です。」
黒瀬。
「あ。」
一人。
後ろ。
立ってる。
黒瀬。
振り返る。
ゴン。
倒れる。
「二十四。」
⸻
カイ。
「黒瀬さん。」
「何。」
「強い?」
黒瀬。
少し。
考える。
「普通。」
レン。
「絶対嘘だろ!!」
⸻
黒瀬。
キャンピングカー。
指す。
「直った。」
カイ。
「ありがとう。」
「請求。」
「本部。」
「よかった。」
⸻
そして。
残った。
幹部。
五人。
レン。
刀。
構える。
澪。
銀界。
再起動。
アキラ。
拳。
握る。
カイ。
《廻天》。
持つ。
黒瀬。
工具箱。
持って。
離れる。
レン。
「手伝わねぇの!?」
黒瀬。
「サービスは終わり。」
「ケチ!!」
⸻
五人。
対。
四人。
ようやく。
本番。
カイ。
刀。
白糸。
見る。
シュウ。
内側。
笑う。
『今度は。』
『お前が使え。』
カイ。
「無茶言うね。」
『いつも。』
『人の流れ。』
『触ってただろ。』
『刀になっただけだ。』
⸻
カイ。
少し。
構える。
剣士。
ではない。
強者。
でもない。
ただ。
流れを。
扱う。
人間。
⸻
《廻天》。
白い糸。
一本。
世界へ。
伸びる。
――第三十四話・了




