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どうしようもなく救いがない世界  作者: 十ろろ昆布
第一部 そうだ、宝探しをしよう
10/11

かけなしの一撃

 最悪なことに落下地点の後ろは断崖となっており逃げれそうにない。

 目線がずっとこっち見てるしこれ以上は逃げれそうにないかもしれない。


「覚悟きめるしかないか~」


「薫、あんた今杖持ってんの?」


 そういえばホームルーム自体が省略されて杖とか魔法に関することが説明されなかった。


「あかね、杖貸してくんない?」


「ごめんね~私の得物はこれなんだよ」


 はいはい、魔法使いなのに剣士もしてましたね。

 いや、そんなに剣見せつけなくても分かりますけど?


「あーもう、わかったってば!」


 あの竜モドキよりも先にお前を始末しないと集中できそうにないな。

 あっ、また口元光った。


「いちよう言っとくけど30メートル以上は範囲外だから」


「去年より5メートル伸びてるじゃん、薫も頑張ってるね~、まあ平均は50メートルだけど」


 おい、避ける直前に煽るとはいい度胸じゃないか。さっき上から見といてよかった。

 何とか避けれたけど炎って見た目以上にアツい。

 しかも、微妙に制服の端焦げてるしこれ新品なのにどうしよう。

 目の前の敵より親の方が恐いって。これ以上傷つけることはあってはならない。



 相変わらず暴れてるねえ。後衛としては安心できるけどさ、こっちは暇になるから退屈なんだよね。


「薫、早く支援してよ!一人で耐えるの大変なんだけど!」


「残念ですが、攻撃関連の魔法は杖がないと使えませーん」


「このポンコツ魔法使い!」


 いやー杖さえあればどうにかなるのにねー、ホントに申し訳ない(笑)。

 一連の攻撃を終えたあかねがこちらの近くに回避してきた。


「あかね、なんか欲しいやつある?」


「できれば機動力系と感覚系のやつがいい!」


「感覚はイメージに違いが出るから無理かな」


「それじゃあよろしく!」


 結局細かいことは投げやりにして前線に戻っていっちゃった。

 速度関連は()()()()()()けど感覚って何を強化したらいいのか分かんないよ。

 ひとまず『対象:逆巻 あかね  付与(エンチャント):速度増加、視覚強化』をセットして、一旦はこれで試してみるか。不満があったら文句言いに戻ってくるだろし。

 でも、ピンチであることは変わってない。今は何とかあかねが頑張っているけど魔力が切れるのも時間の問題だし、誰か周りに知らせるような目印を探さないと生き残れない。


 よく見たら後ろの台座らしきところに光っている球がある。

 これを使えば何とかなるかもしれない!

 私が何とかするからあかねも頑張って押さえておいてよ!



 ☆


 薫ってやっぱりチート性能してるよねえ。さっきの浮遊もそうだけどあそこまで上には飛ばないものなんだけど......。

 こいつはそんな単純な攻撃は当たらないっていい加減分かんないの!?

 体の周りに風を纏わせて難なく回避する。

 まあ、多少距離とれば回避することも簡単だが、それにしても皮膚が硬すぎる。こっちの攻撃が効いているのか分かりにくいし、剣を持ってる手が反動で痺れてくる。こっちの魔力は有限なのは変わりないからいつか死ぬのが目に見える。

 しかし、まだ薫に頼んだ効果が効いてない気がする。30メートルって言ってたし、ちょっとだけ近づいてやるか。前衛としてはあんまり後衛の方に意識がいかないようにしないといけないけど、生きていくためには薫の魔法が必要になる。

 最悪捨て身で攻撃すれば何とかなるか。少しずつ薫の方に寄りながら距離を詰める。


やっと、効果が届く範囲にたどり着いたのか、変化が起き始めっ、てか速すぎない!?

さっきまでの速度より速くなりすぎて移動制御で手一杯になってしまう。攻撃なんてしてる余裕がない。何を強化したらこんな速さになるのか理解できない。

しかも、なんか敵の鱗の切れ目や模様とかの細かい所まで見えるようになってるの地味に嫌なんだけど。

確かに、強化内容はこっちがアバウトだったかもしれないけど、こんなに極端にしなくてもよくないと思わないのかな?

(もしかしてさっきの煽りの腹いせ?)

まともな戦闘をすることができないからそろそろ機嫌を直して欲しいな。

この竜っぽい何かの動きが単調だから何とか前線維持できているだけにすぎない。

効果の範囲としては多分最強なんだからしっかりしてほしいものだ。


「いやー、強化してくれるのはありがたいけど何とかなりませんかね?」


っていないんかい!

後ろから薫の魔力を感じたから、大体30メートル付近に何とか制御して移動したのにいないのはなぜ?

薫のことだからこの状況で逃げているとか考えにくいし一体何を企んでいるのやら。


「あかね!目閉じて!」


すぐさま言われたとおりに目を閉じてみると目の前が一瞬明るくなった。

前から竜がわずかに怯んだ声を出して木に衝突しだした。


「どう、この圧倒的有能後衛!私しかできなくない!?」


ハイハイ、すごいですねー。こんなポンコツ後衛薫以外に務まらないわ。

竜の足下に光る珠が転がってるから、もしかして即席で閃光玉でもつくったのか?まあ、確かに怯ませたのはすごいけどさあ。

どこの世界に前衛ごと行動止める後衛がいるのやら。しかもあの行動みた後にこれって……。

そろそろ特に役立つことしてないのにどや顔してるやつに現実を見せてやるか。


「あのね、薫がやったことなんだけどさ」


「そんなに誉めなくてもいいのに~」


「うるさいぞこのポンコツ後衛、前の状況見てみなよ」


さっきまでほとんど体や牙による攻撃しかしてこなかったやつが手当たり次第にブレスをはきながら周りを火の海に変えていってますね~。どう責任をとってもらおうかな?


「あ、あれ?私の想像とちょっと違うな~?」


「あの炎みた後でよくこんなことやろうと思ったね、私なら何処かにいるであろう先輩達のために空に投げるわ」


「ここでかっこよくあかねがとどめを刺して終わりだと思ったのに」


「さっきまでほとんどノーダメージなの知ってるよね?」


いや、ため息つかれましても困りますけどね。

そんなもしものための必殺技とか持っていないけど、この場合もってない方が無能扱いされる理由ないはずだし薫だってそんな必殺技とかない癖に!

むしろ閃光玉の発想ができたなら先に逃げ道作っておくのが普通じゃない?まあ、そんなの作る時間もなかったたしこんな喋る暇なんてないんだけどさ。

この有利な状況で解決策を考えないとどうにもならない。


「何処に逃げるのが安全!?」


そんなのぱっとすぐ思いつくようなものなんて一つしかないでしょ。


「そんなの上しかないよ」


「なら早く逃げよ!」


「それがさ~もう魔力切れててできない」


「それってほとんど詰んでない?」


「せめて周りが火の海がなってなかったらどうにかなったけどね」


大丈夫、もう薫のせいにしてないから。なんならあんな高火力な火のブレスする方が悪い。

あーあ、アイツそろそろ視力戻ってそうだしこっちは逃げ道とかもないし、

これが袋のネズミってやつか~。


いや、まだ死にたくないですけど!?


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