侍女は甘々にも耐えられます。
ジュディが口を開こうとしたけれどノックの音がしたので急いで扉まで駆け寄るとルドルフが入ってくる。
「ただいま、アリア」
「お帰りなさい!」
抱きついて力いっぱい抱きしめる。
最近のスケジュールは午前中の講義を独りで受けてから午後のお父様のレッスンをルドルフと受ける。
今まで四六時中一緒に居たのに離れ離れだ。
「アリア様!!」
ルドルフが抱きしめ返して私の頭を撫でてくれている後ろで私を叱る様なジュディの声がするけれどルドルフの胸に顔を隠して頭を振った。
「ジュディ、僕の前ではアリアのままで居て欲しいんだ」
チュッと音を立てて頭に口付けると腕を緩めて私に微笑みかけ、乱れた髪を整えてくれる。
「それともジュディは僕がアリアにとって気取らなくてはならない他人のような存在だと言うのかな?」
あっ・・・ルドルフさん、怒ってます。
笑顔ですけどね。
「いいえ・・・申し訳ございません」
ジュディが引き下がるなんて侯爵家では見たことがない。
なんだか私の方が申し訳なくなってきた。
「ジュディはアリアが人前に出た姿をみていないから心配なのでしょう。アリアの演技は完璧だよね、アンドリュー」
「はい!姫はそこらの女優より女優らしいです。きっと見たら安心しますよ」
そこらの女優より女優らしいって何?
「そうなのですか?」
「ええ、ちょっとやそっとでは剥がれない仮面をかぶっていらっしゃいます!」
アンドリューの言葉にジュディが信じられないというような目をしている。
それはそうだ。
ジュディはニートのアリアと長く過ごしてきたのだから。
しかし・・・どうしてだろう。
褒められている気が全くしないのですが。
「だからね、僕の前では自然体でいて欲しいんだ。淑女のアリアも大好きだけれど、甘えてくれるアリアは本当に本当に食べてしまいたいくらい可愛いからね」
私の唇にチュッと音を立てて口付けると目瞑って幸せそうに自分の頬を私に頬に擦り寄せてきた。
ああ。可愛いよ、ルドルフ。
私が食べちゃいたいよ。
しかし、私達の様子に見慣れたアンドリューはわかるけれど何故ジュディは普通の顔をしていられるのだろう。
普通は赤面してもおかしくないイチャイチャぶりだと思うのだけれど。




