嫉妬は身を滅ぼすので避けるに越したことはない?
天気が良くて空が澄み渡っている昼下がり。
講義が終わった私は、テーブルに腰掛けながら左手をうっとりと眺めていた。
指輪がキラキラと光っている。
確かに可愛いけれどルドルフとお揃いである事が一番嬉しい。
それに本当にルドルフの妻になったという実感が湧いてくる。
窓をノックする音がして私は窓を開けた。
「あっ・・・」
カラフルな色をした鳥が開けた拍子に部屋に入ってくる。
私は周囲に誰もいない事を確認してから窓を閉めた。
首輪に埋め込まれた石から光が現れて白い壁に映像が映った。
「アリア様、こんにちは」
金色のロングヘアをした愛らしい女の子。
フェリシティちゃんだ。
ルークから話を聞いた翌日、本当に2人の婚約が発表された。
実はフェリシティちゃんを狙っていた人達が結構居たらしく騒然となったらしい。
2人を結ぶきっかけとなったのが私だとフェリシティちゃんとルークが言ったみたいで、私まで話題になっていると聞いた時は殺意が芽生えてしまったけれど。
婚約発表がされた次の日、今みたいにのんびりと紅茶を飲んでいる時に突然窓を叩く音がして恐る恐る窓を開けたらこの鳥が入ってきた。
いきなり始まった映像にフェリシティちゃんとルークが写り、オーウェン家で作った録画再生機の付いた鳥だと説明してくれた。
フェリシティちゃんがどうしてもお礼の気持ちを伝えたいと考えた策だったらしい。
2日連続で来たこの鳥は今日の訪問で2回目だ。
「今日も殿下と仲良しでしょうか?私もルークと毎日幸せです。アリア様には感謝しきれません。是非お会いしたいです。私はいつでも構いません。ご連絡お待ちしてます!」
ペコリとお辞儀をした場面で映像が切れた。
多分ルークが録画がしたのだろう。
そう思うと微笑ましい。
「会って差し上げても良いのではないですか?」
ジュディが紅茶を入れながら言った。
そう、バーキン家から呼ばれたジュディが私の専属侍女となった。
お兄様がいらした日に私がポロッとジュディの話をしたら、別れた後、そのままお父様の所へ話に行ったらしい。
ジュディはすぐに呼ばれて、王宮に仕えるための試験とやらが行われて私が口にした翌々日の昼にはジュディが現れた。
お兄様、仕事早すぎです。
ルーク、お兄様、ジュディが一気に現れてなんだか忙しかったこの数日。
まったりとしたいのになぁ。
ジュディに王宮の試験について聞いたら
「バーキン家よりマシな試験でしたよ」
と笑いながら言われて、王家よりやばい試験なんてバーキン家は流石だなぁと思ってしまった。
人数はあまりいなくて、何故だか皆影が薄い。
口数が少なく、能力の高い人間が集まっていると後で聞いて、確かにそうだったなぁと納得した。
その中で異質だったジュディ。
私がダメ人間だったから口うるさくなったのかしら。
「うーん。会いたいけれど色々あるの」
「大丈夫ですよ、殿下はアリア様一筋ですから」
もしかしてルドルフの浮気を気にして会ってないと思われている?
こんなにルークと仲良しな所を見ているのに?
どんだけ器小さいの?私。
いや・・・待って。
今まで私が一緒に居ない時にルドルフが他の女の子と接している姿見た事ないから想像つかないだけだ。
「そうね。ルドルフが浮気しないように会うのはやめておきましょう」
「お嬢様・・・私の話聞いてました?」
「勿論!私が嫉妬深いということでしょ?」
そう悪役令嬢は嫉妬で身を滅ぼすのだ。
回避した方が良いに決まっている。




