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新のこれからについて(どうなることやら)

(あらた)(りん)がそれぞれこれからどうしていくのかは、最終的には本人が決めるしかないが、それを決める為の手助けはしてやりたいと思う。だから今回、(りん)を草原へと連れて行った訳だし。


だから(あらた)についても何かできることはないかと思うんだが、ボノボ人間(パパニアン)の社会に戻ろうと思えばいつだってできたものを本人がそれを選ばなかったから、正直、そちらについては何ともし難い気はする。


パートナー探しについても、本人が乗り気じゃないとどうにもできないし。


しかも、野生の場合だとパートナーを見付けるというのは詰まるところ『子供を作る』のとほぼ同義な訳で、(りん)との間で子供ができなくても構わないと考えてた(あらた)の場合は、こちらがパートナー候補を用意してやっても果たして積極的になれるかどうか……


このままこの<群れ>の中で暮らしていくのならそれでも構わない。(ひそか)達を抱いた時点でもう覚悟していたことだ。『死ぬまで俺が面倒を見る』こともな。


とは言え、(あらた)本人がそれでいいと思ってるかどうかが問題でもある。


あいつがこれから何を選ぶのかを、見極めてやらないといけないな。


(ほまれ)のようにここから巣立ってボノボ人間(パパニアン)の社会で生きているなら下手に手出しはしない方がいいと思うものの、この群れの中で暮らしている限りは俺がボスであり、群れの仲間を守るのはボスの役目だからな。


なんて言ったところで、要は、今までと何も変わらないというだけのことか。


もしかするとニートの子供を持つ親の気持ちってこんな感じなんだろうか? 違うか?


別に(あらた)はニートって訳でもないしな。自分のことはちゃんと自分でしてるし。


ちなみに、今の人間社会でも、仕事そのものが非常に多岐にわたって多種多様になり、在宅で自分のペースで無理なく行えるものも多く、たとえ人前に出ることができない人間でも務まる仕事もあるので、『完全に無職』という者自体は少ない。


だがそれでも、かつての俺のように人間社会そのものを嫌悪している者はいるけどな。


俺の場合は、プラネットハンターというヤクザな商売ではあっても仕事はしていたものの、その仕事を選んだことそのものが、なるべく人間社会から離れたいという逃避だった訳で、そんな俺が(あらた)に偉そうにあれこれ指図することはできないって気がするよ。


親は、自分が人生の中で何か失敗をしてくると子供には同じ失敗をさせたくないと思うものだが、だからといってあまり子供に干渉すると、その子供は別の形で大きな失敗をするのかもしれないな。


(あらた)がした<失敗>は、まあそんなに大きな失敗ではない(野生においては子供を残せないのは大きな失敗かもしれないが、同性愛の個体も普通にいるのであればそれに近い話だろう)と思うし、それに何も(あらた)一人の責任じゃない。(あらた)(りん)、二人の失敗でもある。


まあ当分は静かに見守る方向で行くとしようか。



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