黎明編 見た目が最も有効な手段になり得る
女性型メイトギアの<メイドを思わせる見た目>や男性型メイトギアの<執事を思わせる見た目>はあくまで、
<商品のコンセプトが一目見ただけで察せられるように意図されたアイコン>
でしかなく、
<オーナーの好みに合わせてカスタマイズするためのオプション>
はメーカー純正品が豊富に取り揃えられているだけでなく<社外パーツ>に至ってはそれこそ無限に等しいくらいに多種多様なものが商品展開されている。中には、
『それを使えばメーカー保証が受けられなくなる』
ようなものもありつつ。メイトギアは、
『人間の道具でありつつ日常生活のパートナーでもある』
というコンセプトが大前提のロボットだから、
『いかに人間の日常生活に馴染みつつ同時に本質的に人間とは違うというのもにじませることができるか』
が重要だったそうだ。
<普通の人間が日常的にしない恰好>
がメーカー純正モデルに多いのも結局はそれらしいし。
<人間の女性>は<それなりに気合を入れたい時>を除けばそこまで<女性らしいフェミニンな恰好>をしなくなってるからこそ女性型メイトギアは、
<今ではフィクションの中かある種の特別な状況下でしかしないフェミニンな恰好>
を再現してると。なので口さがない奴は女性型メイトギアを、
<商売女>
と揶揄したりもするらしい。確かに、
『仕事でしかしない恰好をしている』
とも言えるのか。ここまではっきりと分かりやすい恰好は、
<ある種の接客業>
でしかなかなか見ないものでもあるし。例えば、
<気を引きたい男性の前でする恰好>
ってのとも若干違うんだよな。まあその<気を引きたい男性>がメイド服とかが好きだったりもするだろうから人間向けのメイド服なんかも市販はされてるが、やっぱり普段から当たり前にする恰好でないのも事実。だからこそ、
<人間の女性との差別化>
もできてると言えるのか。この辺りも昔は、
『性を商品化してる!』
みたいな批判も多くあったとは聞く。しかし人間も生き物である上に人間自身が<目で見た情報>により情動を動かされる生き物である以上は、
<相手の情動に作用する見た目>
については商売云々抜きにしてもそれなりに有効な手法でもあるからどれほど一部の人間が毛嫌いしようとしても完全に廃れてしまうようなものでもないんだよなあ。それに見た目に拘るのは女性側も同じだし。<内面>や<優しさ>みたいな綺麗事をいくら口にしてても結局は見た目が最も有効な手段になり得るのは変わらないから。




