勘違い
「エヴァ以外の一カ月の行動ですか? 構いません。時間や場所指定も問題ありません。加えて、ここ最近、過去の映像の調査を求めた者はいません」
「一昨日の……エヴァ殺害時以外の映像ね。私を含めて、博士達は他人の行動に興味がないから。研究もそれぞれが研究室に行っている。それを聞いて、怪しい人物を見つけようとしたみたいだけど、ハズレたみたいね」
「……そのようです。マスターの映像が終わり次第……一週間前の映像、逆に博士達が監視カメラに映ってない映像をランダムで欲しいです」
『島に侵入者はいないと考えるが……パートナー達が映り込んでいる可能性もある。こちらが尋ねた以上、何かしらの映像を欲する必要があるだろうからな』
過去の映像を見る理由を、モリーが勘違いしているのは幸いだ。下手な嘘より、それに乗った方がアイも信じる。
『それと……カイトが疑う理由も分かる。アイは嘘を吐いているからな。博士が与える知識で、嘘も覚えたのか。それとも誰かに指示されたのかだな』
「カイトが嘘を……勘違いしているという事は?」
アダムはアイの肩を持つ。似たような存在という事もある。人間に嘘を吐く事はないと。
『彼が私に嘘を吐く事はない。カイトにはやるべき事があるからな。私の足を引っ張るような事はしない』
カイトがアインズに嘘を吐き、推理の邪魔をする事はない。謎解きに失敗すれば、彼の方が痛い目を見る。
『この擬似的世界での死は彼にも反映される。下手な嘘を自身の身を滅ぼす。勘違いだとしても、言葉次第でアイの方だと考えてもいい』
アイがカイトの言葉をどう認識、理解したのか。AIは完成したわけではなく、不完全。博士達により、アイも進化の途中と考えるべき。
「そうですね。ワタシもマスターの言葉を勘違いした時がありました。カイトではなく、アイの間違いだと判断します」
『とはいえ、何を勘違いしたのかだ。それを直接聞くのは難しい。アイに異変があるのなら、カイトと別の事で言う必要がある』
カイト、05の質問はアダムが知るはずがなく、モリーの前で言える事ではない。アイに何かある場合、それを彼の目で見つける必要がある。
それもアダム以外の証人も欲しいところだ。
モリーがいる今の場面でも良いのかもしれないが……
『……勘違いの可能性があるとすれば……コレを頼んでみてくれ。モリーが怪しむかもしれないが、後で付け足せばいい。理由も考えておく』
「もしくは、レオの一週間の映像を見せて貰ってもいいですか?」




