脳
「見つける事が出来たのなら……この研究室を再度開放します。勿論、アーメン博士だけでなく、皆様に」
「ちゃんと記録しておけよ。犯人を見つけるのもそうだが、解除方法も探さないとだな。01も分かっていないんだろ?」
アーメンの言う通り、アダムはその解除方法を知らない。エヴァだげが解除出来る情報の一つだと、彼自身が記録している。
「その通りです」
アダムは嘘をアーメン達に伝える。彼だけで解除可能な情報もある。だが、その中にエヴァの新たな事実があるわけでもはい。
それは彼も内容を把握している。
アーメン達もそれを信じるしかない。ロボットが嘘を言うはずがないと思っているからだ。
「これは……」
「何か見つけたのか?」
「私にも見せなさいよ」
モリーがロックが解除されている情報を見つけ、広げてみる。それにアーメンとキャメロンが反応した。
「脳?」
そこに映し出されたのは人間の脳。
『脳は様々な機能を司る。人間にとっての中枢なわけだが……』
「脳の研究か。俺にとってはどうでもいい内容だな」
アーメンは興味を無くしたようで、別の情報を探すのに戻る。彼はロボットの人間化を目指していないのもあるのだろう。
「使用率は高そうね。けど、これは誰の脳なわけ? それらしき物はないわよ」
キャメロンもアーメン同様なわけだが、気になる事があるようだ。
脳のデータだけで研究を続けられるのか。実物がなければ、調べる事は難しい。
「人間の脳を造り出そうとしている……にしても、それが見当たらないわ。けど……」
「人工知能……AIがいるのに、わざわざわ脳を造る必要がある? データだけで十分でしょ」
実物を造らなくても、データとして人間に近い物は実験的に作られている。
中央塔のアイがそれのようだ。
「まぁ……俺達の共同研究として、アイがいるわけだ。エヴァは01を放置して、それにのめり込んでいたのかもな」
「アイの共同研究に参加する理由はそれぞれよ。だからといって、01がマスターを狙う理由にはならないわ。嫉妬なんて、人間が持つものだから」
モリーはアダムを庇うように、アーメンの皮肉めいた言葉を注意した。
『エヴァは君だけでなく、他の博士達とアイの共同研究をしていたわけだが、嫉妬……嫌な気持ちにはなったりはしたのか?』
アダムは嫉妬という感情を知っているのか。エヴァを奪われたと感じ、アイを敵視していた事は……
「ありません。事件後、アイは破壊される事はありませんでした」
『アイは壊されていないのか。それは不可解な事だな』
アダムが犯人でなくとも、中央塔の監視カメラの映像は危険。犯人の手掛かりがあってもおかしくはない。
事件後、更に詳しく調べる可能性が十分ある。それを無くすため、中央塔を……アイを破壊するのが一番のはず。
それが壊される事がなく、新たな情報も手に入っていない。犯人をアダムと判断している事になる。




