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『転生したら見た目が悪役令嬢で◯◯しないと出られない部屋の番人になりました』  作者: 片岡あづさ


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3/3

03〜プロローグみっつめ〜

【前回のあらすじ】


《訪問者の部屋》にやってきた女学生、真面目そうな麻衣とギャルのふぇあり。


状況がわからず、初めのうちはパニックを起こしていたが、彩芽の心遣いと勢いでコミュニケーションを取ることに成功する。


《◯◯しないと出られない部屋》には魔法がかかっていること等が明らかになり、麻衣とふぇありは放心状態。


彩芽は、2人を上手く導くことができるのだろうか・・・?

「え・・・は・・・?

ほんとに、魔法・・・?」


暫くの沈黙の後、ふぇありさんが声を発してくれた。


「ゆ、夢・・・?」


麻衣さんも、それに続く。

2人とも話を聞ける状態にはなったようなので、わたしは説明を続けることにした。


「そうなりますよね。

あの・・・この魔法、わたしが使ってるのではなくて、この部屋自体にかかっているものなんです。


ですから、お2人にも使えますよ。


試しに、この部屋に欲しいものを思い浮かべてみてください。」


2人はまだ状況を理解しきれていないようだったけれど、何かを思い浮かべるような顔をする。


程なくして、文庫本の詰まった本棚が現れた。


「わ!!!・・・なにこれ?」


「本当に出てきた・・・」


「あ、これ、もしかしてまいちーが思い浮かべたやつ・・・?」


「うん。わたしの部屋の本棚。」


伊坂幸太郎、森見登美彦、村上春樹、恩田陸・・・島田荘司もある。

なるほど、ミステリーのような着眼点を持っていたことにも納得がいく。


「わ、ガチだ!え、でもアタシの思い浮かべたやつ出てこないんだけど。」


「ふぇありちゃん、なに思い浮かべたの?」


「ひゃくまんえん!」


「「・・・100万円?」」


わたしと麻衣さんの声が重なる。


少しの沈黙の後、麻衣さんが噴き出し、わたしもつい笑ってしまった。


「え、ちょ、は?なんで笑うの?!」


「だって・・・そんな小学生みたいな・・・ふぇありちゃん、可愛い・・・」


「いやいやいや、こういうときは大体100万円でしょ!まいちーこそ、どんだけ本好きなん?」


「ごめんなさい、わたしの説明不足です。

この部屋で具現化されるものは、実際に見たことがあるものだけです。

あと念のため、人は具現化できません。」


2人の和やかな雰囲気を微笑ましく眺めながら、わたしは説明を続けた。


「ひとまず、魔法については信じていただけたでしょうか?」


「まぁ・・・信じるしかないっしょ。」


「ありがとうございます。


ここで扉の鍵の件に話を戻しますが、この部屋には度々、数人の日本人が訪れます。


わたしは訪問者がこの部屋を出られるように導くここの《番人》で、わたしがこの部屋を訪れるまでは訪問者の方々は扉を開けられないように魔法がかかっているんです。」


「魔法だと言われてしまうと・・・わたしにも使えたし、ひとまず納得します。」


やはり、案ずるより産むが易しだ。


「ありがとうございます。


わたしが入ってきたこの扉を開けると廊下があって、わたしの部屋に繋がっています。


お2人が嫌でなければ、一度確認しに来てみますか?」


2人は顔を見合わせて頷くとわたしの近くまで来てくれたので、廊下と《番人の部屋》を案内した。


だいぶ信用を得られたようで安心した。

他に頼れる人もいないし、藁にも縋りたいというような気持ちなのかもしれないけれど。


「わ、このモニターに映ってるの・・・アタシたちがさっきいた部屋?」


《番人の部屋》に到着してふぇありさんが早速、監視モニターの存在に気がついた。


「あ、これは・・・何か問題が起きたときに、すぐに手助け出来るようになので・・・死角はありますし!この空間では傷つけたり、たとえば死に繋がるようなことは出来ないようになっているので、そんなに熱心に見ているわけではないというか・・・」


どんな理由であれ、生活を他人に見られているというのは気分が良くないだろうと思い、つい言い訳がましくなってしまう。


「まぁ・・・《番人》ですもんね。

ここの構造上、仕方がないことだとは思いますし、女性の方なので・・・そんなことより」


部屋を細かく見ていた麻衣さんが、こちらを見て問いかけた。


「この部屋にも、開かないドアがありますね。


もしかしてお姉さんも、この部屋から出られないんですか?

魔法も、お姉さんが使えるわけではないと仰ってましたし。」


本当に賢くて感心する。

知らない場所だし、情報を増やすために観察眼を光らせておくに越したことはない。


「・・・そうなんです。

わたしは《番人》として、とあるミッションをクリアしなければ、この部屋を出られません。


そしてお2人にも、わたしのようにミッションが与えられます。


それをクリアしたら、もうひとつのドアが開いてこの部屋を出られますよ。」


《番人の部屋》を出て《訪問者の部屋》まで戻る廊下を歩いている間、2人は難しい顔をして何かを考えていたようだけれど、到着するとふぇありさんの眉が八の字になった。


「ミッションって難しいの?頭使う系は無理だなぁ〜」


「わたしも・・・運動系だったら難しいかも。」


「どっちかが出来ればいいのかな?力合わせて頑張る系?」


《訪問者の部屋》に戻るまで、2人が考えていたのはこのことだったようだ。


先程までの不安はどこへやら、現実感がないからなのかこれが若さなのか、楽しそうに聞こえなくもない気の緩んだ声でお喋りしている。


ずっと緊張状態でいられるよりは全然良い。


わたしがそんなことを考えていると、ふぇありさんと麻衣さんの前に2つに折られた紙が落ちてきた。


「・・・なにこれ?」


「そこに、お2人のミッションが書かれていますよ。」


この部屋を訪れた人たちには全員、然るべきタイミングでミッションが書かれた紙が現れる。

今までの訪問者もわたしもそうだったし、アイリスさんも同じだったという。


「ここに・・・」


麻衣さんが紙を拾い上げて開き、2人は書かれている文字を同時に読み上げた。


「「1番欲しいものを言わないと・・・出られない部屋??」」

順番に読んでくださっている方も、このお話から見てくださった方も、心からアイラブユー。


やっとこさ、何をしないと出られない部屋か判明しましたしね。


ここまでが所謂チュートリアルなので、4話からはどんどこヒューマンドラマしていきますよ!!!


ちなみに、わたしが今欲しいものはチラ見えしたときに可愛いインナーです。外側ばかり買いがち。


皆様が今、欲しいものは何ですか?

よければコメントしてください。


面白かったら、読み終わった後にある【お星様の一番右】をポチリしてほしいです!


ブクマ・お気に入りユーザー登録・リアクション・ご感想も、心よりお待ちしてます!!!


次回は2026/9/11(金)20:00更新予定です。


また読んでいただけますように。


--------------


⚫︎伊坂幸太郎(1971〜)

小説家。『オーデュボンの祈り』『終末のフール』等。


⚫︎森見登美彦(1979〜)

小説家、随筆家。『四畳半神話体系』『夜は短し歩けよ乙女』等。


⚫︎村上春樹(1949〜)

小説家、翻訳家。『ノルウェイの森』『海辺のカフカ』等。


⚫︎恩田陸(1964〜)

小説家。『六番目の小夜子』『ユージニア』等。


⚫︎島田荘司(1948〜)

小説家、推理作家。《御手洗潔シリーズ》《吉敷竹史シリーズ》等。

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― 新着の感想 ―
部屋の魔法、便利なようなそうでもないような。 一番欲しいものを言うには、まず欲しいものを自覚してそれを言葉にして人に伝わるよう表明しなくてはいけないはず。まいちーとふぇありにとって簡単には終えられない…
健康!!具現化出来ないけどw
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