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地面が泣いていた。  作者: るびーちゃん


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ep.1.5 極楽浄土で星に願いを。

──ここは、死後の世界。だれもわかるはずのないところ。けれど、私は見た。彼が”現世”で殺人鬼になるところを。だから私は誘ったのだ。この(ねがい)に満ちた星の川に。

”俺”は目を覚ますと、なんだか輝かしい石ころのような、大きな道のような光景がずっと奥まで続いているのがわかった。

不思議な体験である。──


「…ねえ! ねえってば、。」

嗚呼、ついに幻想が見え始めたのかと、俺は肌で感じた。

「なん、で、。あやこ、。? 綾子なのか?」

「──そうだよ。また会えたね。よかった、こっちに誘われてくれて。」

俺は目を細めながら「嬉しいよ。…ありがとう。」

「ほんとびっくりしたんだからね。急に殺し回ろうとしてたんだもの。」

胸が締め付けられた。まるで蜘蛛の糸のように、目に見えにくいほど細い何かで心臓を的確に力強く縛られているようだ。

「…それは、ごめん。

暴れてる自覚はあったけど、無理だった。綾子が死んだって思ってから、あいつらを殺さなきゃって、、。」すると綾子は、そっと俺の頭に手を置いた。その柔らかく、華奢で温かい手の温もりに思わず涙が出る。

「わわっ!…ふふ。疲れちゃった?いいんだよ、私の胸で泣いたって。」

その変わらない包容力に、逆らえなかった。

重力に身を任せて彼女の胸に顔を置くと、なんだか、いつもより身体が軽かった。そんなにも俺は彼女を欲していたのだろうか。そう考えると少し恥ずかしい。

「なんだか、前より甘々になってない?」とからかうような視線を送ってくる。

「そりゃ甘々にだってなるさ。

どれだけ君を待っていたと?」

「…そうね。ごめんね。」俺はハッとした。違う。謝ってほしいんじゃない。君に会いたかっただけだ。俺は心底イライラした。こんな状況を生ませた自然現象に、社会現象に。──


俺は見上げて、「そういえば、ここってどこ?」

「”天の川”だね。」

俺はきょとんとした。「川?その割には周りに建物も自然も見当たらないな。というか月はどこなんだ?」辺りが暗すぎる。空を見上げると一面闇のように真っ暗だ。足元は石っぽいから川辺なんだろうけれど。

「というか干上がってるんだな。水が見当たらない。」

綾子はそれを聞いて困惑顔と、何かを考え込んでいる沈黙が見受けられた。すると綾子は、そっと俺を抱きしめて、

「…淋しくありませんように。

…あなたが、辛くありませんように。

あなたと、一生共に過ごせますように。」そう耳元で呟いた。──


「…何を急に?」と小首をかしげると、

「…あんなの、ただの悪い夢だったんだよ。きっと。

だからさ、もう、ゆっくりしようよ。このまま、二人で。静かに。喧騒けんそうのないここで。

──これが、ずっと私が抱えてた、ねがいだよ。」彼はずっと私を探してた。いなくなったって知っちゃったから、彼は殺人鬼になった。けど大丈夫。もう、離れることなんてないから。

「ねがいか。──うん。そうだね。…じゃあ、俺の願いも、それかな。」

──この極楽浄土で、ずっと”生きられたらいいかな。”

お読みいただきありがとうございますっ!

今回はep.1で死んでしまった綾子と、その恋人だった”俺”。この2人が死後、”天の川”にて再会し、願いを告げる話でした。…まあ”俺”は死んでいることに気づいてないんですけどね。

公開日は七夕の翌日なので、よかったらここに”ねがい”書いていってくれませんか?

ってことでまたっ!

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