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バレンタインに、大好きを

 どうも、お久しぶりです。

 書けない書けないと嘆きつつ、バレンタインは何か書かないといけない衝動に駆られて短いながら書きましたよー。


 音のずれた鼻歌を口ずさみながら、楓は台所に鍋などを並べていた。

 そこに並んでいる調理器具はボウルや泡立て器、抜き型や計量カップなど料理というよりもお菓子作りのためのもののようだ。


「こんなもの、かな?」


 と、楓は並べた道具を見つめて、後ろでくくった栗色の髪を揺らしながら首をかしげる。

 一つ一つを指さしで確かめてから、ん、と楓は満足そうに小さな笑みを浮かべた。

 今日はバレンタイン。

 世界中で女の子が好きな人にチョコを渡せる日。そんな日にあやかって楓も一哉へのバレンタインチョコを作ろうとしているのだ。

 慣れた手つきでエプロンをすると、ボウルの横に並べていた板チョコを手に取った。


「ここは市販品になっちゃうけど、しょうがないよね」


 困ったような苦笑を浮かべながら、楓はチョコの包装を剥がす。

 出来るならカカオから作ってみたいけど、素人が手を出すにはちょっと難しそうだ、とやめることにした。代わりに「あ、愛を込めるからいいの」と一人で言い訳を口にしつつ、その頬を染めている。

 恥ずかしさを紛らわすように包丁でチョコを細かく刻みながら、一哉のことを想ってさらに頬を赤くする。

 刻んだチョコの半分をボウルに移して、それを温めておいたお湯に浮かべて湯煎する。

 チョコが溶けるようにぐるぐるとかき混ぜるようにして溶かしながら、楓は昔のことを思い出して、くすりと笑みをこぼした。


「……昔は、湯煎するだけでも大変だったんだよね」


 懐かしむように頬を緩めながら、楓はゆっくりと手を動かす。

 あの頃はまだお菓子作りなどをしていなかったから、手作りチョコの作り方なんてわからなかった。チョコを溶かすだけでも上手く溶かせなかったり、こぼしたりもした。そうして作ったチョコはとてもぼろぼろで、渡せるものではなかった。


(……でも、かずくんは)


 ふっと、今でも頬が緩んでしまう。

 チョコの話を切り出せないでいると、一哉は照れくさそうにこう言ってくれたのだ。


『――なぁ、なんか甘いものとか持ってないか?』


 と。

 そのとき、こんなに不器用な人もいるんだと思わず笑ってしまった。だけど、それよりもずっと気持ちに気づいてくれたことがうれしくて、彼の優しさに泣きそうになっていたことは楓だけの秘密だ。

 もし、その一言がなかったらチョコを渡すことができなかったと思うから、笑ったのは悪いことをしたな、と今では反省していたりする。

 そして、一哉はぼろぼろなチョコを食べながら、美味しいな、と笑ってくれた。


(……それから、かな。かずくんへの想いを隠せなくなったの)


 最初に話をしたときから、ちょっとした好意はあった。

 何度も会ううちにその好意は好きという感情へと変わった。これが恋なのかな、なんて漠然とした思いもあった。だけど、そのときから好きという気持ちが抑えられなくなった。

 名前を呼んでもらった。他愛もない話をした。褒めてもらった。

 そんな些細なことがとても大切なことに感じられるようになった。彼と一緒にいるだけで幸せになれた。このままずっと、この人と一緒に歩いて行こうと決めたのだ。

 だから楓は事故に遭って歩けなくなったとき、すべてを投げ出そうとした。

 泣いて、叫んで、うずくまって、目を背けた。

 お見舞いに来てくれた友人たちにも冷たく当たってしまった。次第にお見舞いに来てくれる人たちも少なくなって、一哉もいなくなってしまうと思うと怖くなった。

 だけど、一哉は楓のもとへと毎日のように顔を出してくれた。

 見捨てずにずっとそばにいてくれたのだ。


(……本当に、かずくんはずるいよ)


 そっと心の中で呟きながら、楓は微笑みをこぼす。

 そうして湯煎の終わったチョコをハートの形の型に流し込み、冷蔵庫で冷やして固める。残しておいた刻みチョコを生クリームと混ぜて溶かしてチョコのクリームを作ると、それも一緒に冷やしておく。

 クリスマスに一哉が作ってくれたようなケーキのスポンジにココアなどを混ぜて作って、円形の型に流し込んだそれをオーブンに入れたら大方のやることは終了だ。


「かずくん、早く帰ってこないかな」


 オーブンの中を見つめながら、楓はそんな呟きをこぼした。

 きっと、一哉は会社でチョコをもらったりするのだろう。あれだけ優しい人なのだから。


(妬いちゃいますけど、頭を撫でてくれたら許します)


 ふふ、と一哉に頭を撫でてもらうことを想像して笑みをこぼす。


「かずくん」


 大好きだよ、という一哉への想いはそっと口の中で転がしながら。

 楓はゆっくりと、幸せそうに表情をほころばせた。


 どうでしたでしょうか?

 書かないとまずい、という衝動に駆られて書いたものなので出来栄えは微妙です……(いつか書き直します)。

 どうも思い描いたことを文章にするための発想力? みたいなものが働いていないのか、書いても書いても進みません……。当面は不定期になりますが、温かく見守っていただけると幸いです。補うために旅にでも出るかのぅ、と画策しておりますw

 最後に、評価&感想待ってます! (これは言わないとねw)

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