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第109話 呪いとおかゆ○

 自身の何らかの隠し事をイルーシィに見抜かれてしまったルーツ。2人は避けては通れない話題にぶち当たりベッドの横で謎を明かすように各々のもつ情報の答え合わせをしていった。



「……腹がへらない……?」


「あ、あぁ腹がへらない」


「ダイエット?」


「ッぁ! んなわけあるか!」


「そっ。じゃモンスターね」


「……はぁ違うぞ。呪われてんだよ。【ハラヘラズの呪い】って俺はじぶんのことを名付けてみたぜ……」


「腹へらずの呪い? 馬鹿みたい」


「だろ」


「ダンジョンで呪いなんてきいたことない。蛙に変な笛でも吹かれた?」


「蛙に出会うのは呪われてるけどな。蛙というよりは女だな」


「二股して呪われた?」


「ッぁ! んなわけもありえるか! お前意外とボケてくるな。こっちは結構真剣に話してるつもりだぞ……」


「そっ」


「そって」


「じゃああの土の女の呪い?」


「……そうだな」


「ふーん。……つらい?」


「な!? ……いや、つらくはない。飯食うとちょっと調子悪くなるぐらいで、水はもう飲めるし」


「味は?」


「するするちゃんと、人間、俺って!」


「モンスターでも大丈夫」


 バッと、手のひらをルーツの顔に向けたイルーシィ。真顔で。


「おいおいやめてくれよ」


「冗談だけど」


「……しってるよ」


 イルーシィは向けた手のひらを座っている椅子の膝の上に置いた。ルーツは彼女とのやり取りに少しだけため息をついた。


 そして急に元気良く上体を起こしたベッドの上で右の拳を前に突き出し。



「それにッ!!」



「ダンジョン向きだろ俺って!!」


「ふ、ダンジョンで倒れていたのに」


 チカラを込め突き出されていた右の拳はイルーシィのその平坦な声の強烈な一言で崩れへなっと元気を失くし地に落ちた。


「はぁ……おまえってそんなんだったっけ」


「あなたが知らないだけでしょ。じゃこれ下げる」


 布団の上に置かれていたおぼんに手を伸ばし片付けようとするイルーシィ。


「あー、頑張ってみる」


 彼女の顔を見ながら放った一言。


「頑張ってみるって……はぁ」


「あなたに二股は無理ね……じゃ、頑張って」


「二股っておいっ!」


 イルーシィはベッドの隣に置いていた椅子から立ち上がりそそくさと部屋のドアまで背を見せ歩き部屋を出て行った。


「ったく、あいつが分かんねぇ。もっとクール水使いって感じだと思ったが……フ」




 レンゲを取り震えた手でそれを口に運んだ。


「冷めてる……ハハ」



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