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第107話 暗がり○


 しばしの休憩を終えたルーツとイルーシィの仮のパーティーは更にダンジョンを攻略していき322階層の仄かに青く光る土の通路を歩き進めていた。



「今日はここまで十分ね。帰りましょう」


「あ、あぁそうだな。少し潜り過ぎたか?」


 ルーツは頭の茶髪をさりさりと掻きイルーシィの顔色をうかがうような目つきで尋ねた。


「舐めないでこれぐらい楽勝の内」


 ルーツの顔を見て真顔で答えるイルーシィ。それに対しルーツはハハと演技じみた笑い声をそっと発した。




『ふふ』


「ん、あなた何か」




「どけええええイルーシィ!!」


 突然、ルーツは少し離れて横並びで歩いていたイルーシィの身体に猛スピードで体当たりし手で右に突き飛ばした。



 その勢いのまま抜刀していた鉄の剣を真上に構え地に振り下ろし土の壁を斬った。



「ハァハァ……!!」



 ルーツに真っ二つに斬られていたのは、土の女の顔と身体だった。


 ルーツの目を見、にやりと口角を上げ微笑んだ土の女は形を成せず崩壊しただの土へと還った。



「ハァハァハァハァ……!!」


 片膝をつき過呼吸状態のように息を荒げる。苦しそうな表情と冷や汗を流す。


「痛ッイ!! 何!? モンスター!?」


 訳も分からず土の床に突き飛ばされたイルーシィは怒りの形相で起き上がりルーツの方を見た。



 なぜここに……! なんで現れ



 カラン、ばたん。



 突如全身の力を失ったかのように地に倒れ込んだルーツ。鉄の剣をその場に捨て瞼が重く閉じてゆく。



「ちょっとどうしたの!? あなた! ルーツ────────」


 叫び近寄る声、イルーシィは突然その場に倒れたルーツに何度も呼びかける。


 

 ハァハァ……イルーシィ……暗いなんで………………



 

 視界を照らす仄かな青、その色を失いルーツは冷たい暗がりへと堕ちていった。


 





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