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1人目の依頼者
翌日、目が覚めるとそこには何も変わらないいつも通りの日常があると思ってた。しかしそれは違った。たしかに、俺の部屋にいるのはわかるが、下のリビングが明らかに静かすぎる。まして毎朝、雷様の怒りの如く鳴り響く電車の音がしない。どうやら俺は、寝ているうちにpast realityに飛ばされたようだ。しかし、冷静ではいられないが、普段とほぼ変わらぬ風景なのが何よりの助けとなった。家を出ると奥の大通りに一人の男が立って居る。多分あの男が一人目の依頼者だろう。夢で死人と聞いたので、少し近寄るのが怖かったが、いまさら何が起きてもあまり驚かないと思った。するとその時だった。ふと視界から男が消えたかと思うと、次の瞬間には俺のすぐ目の前に現れていた。「あなたが遥翔さんですね?」そう言うと、右ほほを上げ少しニヤリと笑う若い男がいた。彼の名は佐藤光介。'生きていれば'今年25歳のエリート官僚のはずだった。しかし、2年前研修のため転属し、異動先で帰らぬひととなってしまった。彼には、彼女がおり、1年の研修後に婚約する予定だった。と、なぜ俺がそんな話を知っているかというと、何故か俺のバッグに辞書のような形だが決して重くない本が入っていた。その本は、最初のページしか内容が記載されておらず、その内容が佐藤さんの情報である。




